結び目を解くマリアのカード
先日のこと。
ある修道会のシスターと接する機会がありました。いくつかの興味深い話を聞かせてもらい、そうしながら絵葉書やロザリオなどを持たせてくれました。
この絵葉書の画題は、結び目を解くマリア(Maria Knotenlöserin)と言うのだそうです。
ヨハン・ゲオルク・メルヒオール・シュミットナー(Johann Georg Melchior Schmittner)という、ドイツ人教会画家によって描かれたもので、原画はドイツのアウクスブルクにある教会(修道院?)におかれているらしい。この葉書の絵は複製画かな。PRINTED IN ITALY と書いてあります。
もともとマリア信仰が盛んだった南米では、近年この「結び目を解くマリア」の図像がよく見られるらしく、次第に世界に広まりつつあること。その発案者は当時のブエノスアイレス大司教ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ、現在の教皇フランシスコなのだということを、シスターが教えてくれました。
天使の片方のリボンには結び目がいくつもあり、その結び目を聖母マリアが解くと同時に、悪魔と人間の堕落の象徴である蛇の頭を足で踏んでいます。解いたリボンは、もう一方の天使に手渡されます。
結び目は人と人のあいだにできてしまった誤解やわだかまり、そういったあらゆる種類の、かたくて解けない(ようにおもえる)困難を表し、この聖母にその執り成しを願う。
蛇の結び目の形と聖母マリアが手に持っている結び目とがそっくりだったり、三日月の下には天使と手を引かれる人、犬が描かれているところなど、この絵には色んなモチーフが散りばめられています。
こういう絵画をみるときに、いろいろの象徴を探したり、自分なりに解釈してみたりするのもおもしろいですよね(などと言って私は得意でなかったりしますが)。
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この原画がおかれているのは、アウクスブルクの聖ペテロ修道院。そこの司祭であった、ヒエロニムス・アンブロシウス・ランゲンマンテル(Hieronymus Ambrosius Langenmantel)が、1700年にシュミットナーに依頼したこの絵画には、自身の祖父母のエピソードが織り込まれているそうです。Wikipediaなどで紹介されているので、興味があったら読んでみてください。
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ロザリオなどの信心具は、信者でない私が持つのは憚られ、これまで手にしたことはなかったものです。だけどシスターがくださったので、いいかな、とおもいながらよく使うかばんに着けてみました。
他に、不思議のメダイについて、描かれたものの意味などを教えてもらったり、シスター自身の体験などを話してくださったり。
この絵画の持つ意味やその役割、シスターの日常とその活動のことなど、存在とか役割というものについて少し考えを巡らせています。
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今日の「あわわ」:お風呂からあがったばっかりのタイミングでインターフォンが鳴るとびっくりしちゃいますよね(宅配ボックスがあってよかった)。
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