さっき思い出したこと
2019年の11月、ローマ教皇が来日しました。
前回の来日はこの時より38年前、1981年2月で、当時の教皇はヨハネ・パウロ二世。私は生まれていませんでした(母のお腹の中にはいたかもしれない)。
ちょっとだけ仕事上の関わりもあり、11月24日に長崎県営野球場でおこなわれたミサに参加させてもらうことができました。自分が何を感じるか知りたかったのです。
この日は、朝から雨が降っていました。
場内ではブロック分けがされており、入場パスを持った人だけを入れるため、なかなかの混乱ぶり。おまけに来場者のほとんどがカッパを着て、傘を手に持っています。たくさんのボランティアの方が奉仕していました。
私もカッパを着て、入場のためのチェックをパスして中に入れてもらいました。
教皇さまが野球場にみえるちょっと前に雨があがりはじめ、ミサの最中はカッパを脱ぐことができました。
私がいたブロックは、海外巡礼団のブロックだったので、教皇さまの入場のときなんかコンサートなみの歓声で、雰囲気にひたることはできませんでした。日本人はおとなしい。
そんな歓声ももちろんミサが始まれば静かになります。このとき私の中には、この来日のテーマである「すべてのいのちを守るため」という意向が響いていました。
命は平等だとはよく耳にするけれど、世界に目をむけたり、国内でだってその扱いはけして平等とはいえない現実があります。身近でいえば、うちの父なんか自分自身のせいもあって、けっこうぎりぎりで生きていて、こんなろくでもない父でもそのいのちを大事におもってくれているんだろうかと、いろいろと考えました。
地球全体で、いのちがひとつ残らず大切に扱われる世界、しくみがあればいいのに。例えば犯罪を犯したとしても、私は死刑という制度に疑問を持っているし、すべてのいのちって、なんだろうか。そういうことをぐるぐると考えていました。
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長崎では昨日から雨が降っています。
通勤の電車の中で、たくさん雨が降る様子や、ミサがおこなわれた県営野球場を窓の外に眺めていたら、この時のことを思い出しました。