老舗の味

　出前っていい響きですよね。「テイクアウト」より好きです。長崎の人は行列しないと言われていますが、近ごろは観光に来た人たちの行列や、話題のお店などでときどき行列を目にします。といっても、この数か月は例の感染症のおかげでほとんど見なくなりました。

　こちらのお店も、いつも行列していました。それも昨年までのことですね。吉宗と書いて「よっそう」と読みます。

　久しぶりに「吉宗の出前とるけど、くる？」と声がかかりました。母からです。母は、自分の母親（つまり私の祖母）と住んでいますが、私が家を出たあとのことなので「実家」という感じがないのです。

　吉宗の名物は茶碗むしです。それから蒸寿し。このセットがひと揃い一人前です。すごく久しぶりです。よく街中を走る軽ワゴン車を見かけていた「大橋出前部」がなくなっていたと母に聞いてびっくりしました。現在は「筑後町出前部」にしぼり、5,400円以上でないと配達はしてもらえないそうです。吉宗の出前といえば、祝い事などの定番という感じだったので、さみしくなりました（もっと利用してから言え、ですが）。

　これこれ。茶碗むし、大きくて「食べきれるかな？」とおもうんですが、全部お腹に入りました。蒸寿しもほんのりあったかく、酢飯にはささがきのゴボウや、ピンク色の紅しょうがなどが入っています。変わらないなあと思いながら、平らげました（そんなにしょっちゅう食べていないくせに）。

　本店は、赤提灯がずらりと並ぶ、歴史を感じる建物です。利用したことはないのですが、百貨店の地下と他に持ち帰り専門の店舗があります。冷凍便も、ありますよ。

長崎の元祖茶碗むしと卓袱料理の吉宗（よっそう）｜公式サイト

　親子丼もおいしいらしいので、いつか食べてみたいとおもいます（決意表明）。