決断力をつける方法
私たちは日々、無数の決断を迫られています。朝何を食べるか、どの服を着るかといった小さな選択から、転職や結婚、投資のような人生を左右する決断まで、その規模はさまざまです。しかし、決断をすることに対して苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか？
「どうすれば正しい決断ができるのか」
「失敗したらどうしよう」
そんな不安がよぎると、決断が遅れたり、最悪の場合、先延ばしにしてしまうこともあります。
しかし、決断力はトレーニングによって鍛えることが可能です。そして、決断力がつくと人生のあらゆる場面でメリットを享受できます。本記事では、決断力をつけるメリットや具体的な方法を詳しく解説していきます。興味のある方はぜひ最後まで読んでください。
決断力をつけるメリット
①時間の無駄がなくなる
決断は遅くなればなるほど、選択肢を比較し続ける時間が増えてしまいます。これは、日常のあらゆる場面で無意識に起こっています。
例えば、洋服を買うときに、
「どの色が一番自分に似合うだろう」
「本当にこのデザインでいいのか」
と長時間悩んだ経験はありませんか？何度も試着し、店員や友人の意見を聞いてようやく決めたとしても、実際に着てみると
「結局いつも選ぶ無難なデザインだった」
と感じることも少なくありません。一方で、直感的に
「これだ」
と思って選んだ服でも、意外と満足度が高く、結果的に頻繁に着るお気に入りの一着になることもあります。
このように、時間をかけて慎重に選んだからといって、必ずしも満足度が大きく上がるわけではありません。むしろ、選択にかける時間が増えるほど迷いや疲れが生じ、決断すること自体がストレスになってしまうこともあるのです。
一方で、決断力がある人は、こうした「選ぶことに時間をかけるムダ」を減らすことができます。彼らは、ある程度の情報をもとに
「どれを選んでも大差はない」
と判断し、素早く決断を下します。そして、その分の時間やエネルギーを、もっと重要なことに回すことができるのです。例えば、仕事で重要なプロジェクトに集中したり、新しいスキルを学ぶ時間を確保したりすることができます。
また、決断にかける時間が短くなることで、精神的な疲労も軽減されます。選択を繰り返すことは、意識していなくても脳に負担をかけているため、決断が多ければ多いほど疲れやすくなるのです。日常の小さな決断を素早く済ませることで、より大切な決断に必要なエネルギーを温存できるというのも、決断力を高めるメリットの一つです。
②自信がつく
決断力をつけ素早い決断を重ねることで、
「自分は素早く決断を下せる」
という自信が少しずつ育まれていきます。最初は、決断を素早く下すことに対して不安や恐れを感じるかもしれません。どんな選択が最適かをじっくり考えたいという気持ちが強くなり、時間をかけて悩んでしまうこともあるでしょう。しかし、実際に素早く決断して行動を起こすと、結果的にどんな選択をしても、重要なのはその後どう行動するかだと気づくことができます。決断が正しいか間違っていたかにかかわらず、自分の行動力を信じ、次のステップに進むことができるようになります。
このような経験を積み重ねていくと、選択肢が多くても、恐れることなくスピーディーに決める自分を実感できるようになります。その結果、
「自分は決断をしっかり下せる」
という自信がどんどん強くなります。最初は戸惑いがあったとしても、次第にその不安も薄れ、決断することへの抵抗感も減っていきます。
自信がつけば、次回以降はさらにスムーズに、迷いなく決断を下せるようになり、ますます自分を信じて行動できるようになります。このような良い循環が生まれることで、さらに自信を深め、決断力がますます強化されるのです。実際に行動し、結果を受け入れることによって、さらに自分を成長させることができ、次回もまた素早く決断する力を高めることができます。
③チャンスを逃さない
素早い決断は、機会を逃さないためにも非常に重要です。特に、ビジネスや投資の場面では、タイミングが命となることが多いため、素早く判断する能力が成功の鍵となります。素早く決断することで、他の人がまだ悩んでいるうちに行動を起こし、チャンスを先に掴むことができるのです。これは、あらゆる分野において重要なスキルであり、速さが優位性をもたらす場面は実際に多く存在します。
例えば、限定セールや特別オファー、人気の商品の発売など、時間が限られている場面では、迷っているうちに商品が売り切れたり、機会を失ったりすることがよくあります。特にオンラインでのセールでは、素早く決断しないと、すでに他の人に購入されてしまうことが多いです。こうしたチャンスを逃さずに済むためには、即断即決が非常に重要になります。
また、ビジネスの世界でも、素早い決断が必要となることがよくあります。例えば、新たなビジネスパートナーとの提携や、新製品の発表タイミング、株式の売買など、タイミングを逃すと、後で後悔することになります。特に株式投資やFXなどでは、市場の動きに素早く対応することが利益を最大化するために欠かせません。素早く決断し、即座に行動を起こすことで、他の投資家に先んじて有利なポジションを取ることができるのです。
さらに、素早く決断することで、次のステップへ進むスピードも速くなります。迷いながら進んでも、進行が遅くなり、結果的にチャンスを逃してしまう可能性が高くなります。一方、決断力をもって素早く行動を起こせば、次の判断に早く移れるため、次々とチャンスを掴むことができます。
このように、素早い決断力を持つことは、機会を逃さないためだけでなく、より効率的に行動し、積極的にチャンスを追い求める力を養うことにも繋がります。
決断力をつける方法
①小さな決断を増やす
決断力は筋肉と同じように、使えば使うほど鍛えられます。最初から大きな決断をしようとするとプレッシャーを感じてしまい、かえって迷いやすくなるため、まずは日常生活の中で小さな決断を意識的に増やしていくことが大切です。
例えば、
「今日のランチを即決する」
「洋服を5秒以内に選ぶ」
といった簡単な選択から始めましょう。普段なら
「どちらにしよう…」
と長く悩んでしまうような場面でも、
「どちらを選んでも大差はない」
と考え、直感的に決める習慣をつけることで、決断すること自体への抵抗が減っていきます。
また、小さな決断を積み重ねることで
「自分で決めたことに責任を持つ」
という感覚が自然と身につきます。例えば、ランチを即決して
「思ったよりおいしくなかった」
と感じたとしても、
「次回はこうしよう」
と学ぶことができます。このような経験を繰り返すことで、「決断＝リスク」ではなく、「決断＝成長の機会」と捉えられるようになるのです。
さらに、こうした小さな決断を日常的に積み重ねると、いざ重要な決断をしなければならない場面でも、「決めることに慣れている」という自信が生まれ、迷いにくくなります。大事なのは、決断の回数を増やし、「決断することが当たり前の状態」を作ることです。
②「完璧な選択肢はない」と理解する
決断ができない理由の一つは、
「最善の選択肢を見つけよう」
とすることです。人は無意識のうちに
「後悔したくない」
「100%正しい選択をしたい」
と思いがちですが、現実にはどんな選択肢にもメリットとデメリットが存在し、「完璧な選択肢」というものはほぼありえません。
例えば、転職を考えているとします。今の職場に残る選択には「安定」というメリットがありますが、一方で「成長の機会が少ない」というデメリットがあるかもしれません。逆に、新しい会社に転職する場合は「新しいスキルを学べる」というメリットがある反面、「人間関係が合わなかったらどうしよう」といったリスクも伴います。このように、どの選択にもプラスとマイナスがあり、「完全に正解」と言えるものは存在しないのです。
また、決断を先延ばしにしている間にも時間は過ぎていきます。
「もっとよく考えたら、より良い選択が見つかるかもしれない」
と思うこともありますが、実際には情報を集めすぎることで余計に迷いが生じ、決断が遅れるだけというケースも多いです。情報を集めることは大切ですが、
「これくらいの情報があれば十分」
と線引きをし、ある程度の段階で「これでいこう」と割り切ることが重要です。
大切なのは、「どんな決断をしても、後で調整や修正ができる」という意識を持つことです。多くの決断は、取り返しのつかないものではありません。むしろ、ある程度決めて行動してみないと、本当にその選択が合っているかどうかはわからないものです。「完璧な選択肢を探すのではなく、今の自分にとって最適な選択をする」という意識を持つことで、決断のスピードが格段に上がるでしょう。
③他人の意見を参考にしすぎない
私たちは決断をする際、つい他人の意見を求めがちです。特に重要な決断になればなるほど、
「本当にこれでいいのか」
「周りの人はどう思うのか」
と不安になり、家族や友人、同僚などに相談することが増えます。しかし、他人の意見を聞きすぎることで、かえって決断が難しくなることも少なくありません。
なぜなら、人それぞれ価値観や経験が異なるため、同じ選択肢を前にしても異なる意見が出るからです。例えば、あなたが起業を考えているとしましょう。ある人は
「リスクが高いからやめたほうがいい」
と言い、別の人は
「挑戦すべきだ」
と勧めるかもしれません。さらに、家族は
「安定した仕事のほうがいい」
と言い、成功している起業家の知人は
「やってみないとわからない」
と励ましてくれるかもしれません。このように、人によってアドバイスが異なるため、多くの意見を聞けば聞くほど迷いが深まり、決断ができなくなってしまうのです。
また、他人の意見を優先しすぎると、「自分で決める力」が育ちません。周囲の意見に流されて選択した結果、もしもうまくいかなかったとき、
「あの人がこう言ったから…」
と他人のせいにしたくなることもあります。しかし、本来決断とは「自分自身が責任を持つもの」です。他人の意見はあくまでも参考程度にとどめ、最終的には「自分はどうしたいのか？」を大切にすることが、決断力を高める大きなポイントとなります。
もちろん、他人の意見をまったく聞かなくてもいいというわけではありません。専門家のアドバイスや、すでにその道を歩んでいる人の意見は、有益なヒントを与えてくれることもあります。しかし、それをそのまま鵜呑みにするのではなく、「自分にとって本当に合っているか？」を考えることが重要です。「意見は聞くけれど、決めるのは自分」というスタンスを持つことで、迷いを減らし、よりスムーズに決断できるようになるでしょう。
最後に
決断力は、人生をより充実させるために欠かせないスキルです。最初は小さな決断から始め、徐々に大きな決断にも対応できるようになりましょう。決断が早くなると、時間の無駄が減り、自信がつき、人生の主導権を握ることができます。
「決断を先延ばしにする癖がある」と感じる人こそ、ぜひ今日から意識して決断力を鍛えてみてください。迷っている時間を減らすことで、よりシンプルで、満足度の高い人生を送ることができるはずです。最後まで読んでいただきありがとうございました。