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歌うたいの猫と、魔法の万年筆。【猫と万年筆】
【猫と万年筆】
猫が見つけた万年筆は、森の木々の隙間から顔を覗かせる太陽の光を反射して、「おひさま色」に輝いています。
猫は、万年筆の周りをぐるぐると回って、前脚でちょいちょいっと触ってみたり、ふさふさの尻尾でペシペシっと叩いたりしてみました。
万年筆は猫に動かされる度に、キラリと光ります。不思議なことに、毎回光る色が違います。
最初はおそるおそる触っていた猫でしたが、万年筆が動かす度に「キラリ、キラリ。」と違う色の光になるので、ドキドキした気持ちはワクワクした気持ちに変わっていきました。
今度は思いきり、猫パンチをしてみようと、前脚を振り上げました。しかし…。
スカッ!
あれあれ?おかしいですね?
渾身の猫パンチは当たりませんでした。
さっきまで目の前にあったはずの万年筆が、どこかに消えてしまいました。あっちにも、こっちにも。どこを探しても見当たりません。
どこに行ってしまったのでしょうか?
猫は、夢中になって、万年筆を探しています。万年筆を見つけた場所から、草むらの中、木の上、小川の近くまで。思い当たるところはぜーんぶ。
おひさまがかくれんぼをしようかという頃まで。猫はあの七色に変わる光をもう一度だけ見たくて、ずーっとずーっと、万年筆を探していました。
猫はもう、くたくたです。
「に゛にゃ〜………。」
猫は諦めたように、木の根の間にうずくまりました。
すると、その時です。
虹色に輝く「ナニカ」が、猫の目の前に現れました。あの、万年筆です。
不思議なことに、万年筆は宙に浮いています。
猫は、まん丸な目をもっとまん丸にして、口もポカンと開いてしまいました。
「そんなに驚かないでください。あなたの探しているものは、もしかしてワタクシですかな?」
猫が、ポカンとしてしまうのは、当然かもしれません。万年筆がキラキラ虹色に輝きながら、宙に浮いているだけでもびっくりするのに。さらに、人間の言葉を話しているのです。
驚きのあまり「にゃにゃにゃ」の声も、出てきません。猫は、黙ったまま顔を縦にブンブンと振りました。
「そうですか。だとしたら、少し意地悪なことをしてしまいましたかね?あなたがあまりにもワタクシを構うものですから、少し空の上から様子を見ていたのです。」
万年筆は人間みたいに「ふふふ」と、おひさまみたいに優しい声で笑いました。猫が、ポカンとしている間も、万年筆はスラスラと人間の言葉を並べていきます。
つづく…。
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☆彡 ( ..)φ…不思議な万年筆…の持ち主…?
☆彡 素敵な猫ちゃんのお写真…服部佳弘さん♪
☆彡 ニャン平線お借りしました♪感謝♪
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