見出し画像

歌うたいの猫と、魔法の万年筆。【不思議なカリカリ】


【不思議なカリカリ】



遠くから見た時は、ぼんやりと纏まって見えていた光ですが、近くで見ると、小さなボールのような光が、森の奥の方まで点々と続いているようです。

光のボールの中に浮かんでいたのは、不思議な形をした「小枝のようなもの」でした。


猫は、その「小枝のようなもの」を、前脚の肉球でそーっと触ってみました。するとそれは、光の中で「クルクルッ!」と回転して、「ふわん」と元の通りに戻るのでした。


そして、「ふわん」と元に戻る時、一緒に「ふわん」と、とても良い香りが漂います。

猫は、光のボールの中の「不思議な小枝」にフンフンと鼻を近付けて、匂いを嗅いでみました。とてもとても、いい香りがします。



......…パクッ!



なんと、猫は「小枝のようなもの」を食べてしまいました!

その香りがあまりにもいい香り…、つまりは「美味しそうな匂い」だったからです。

猫は、想わず食べてしまったことに、自分でも驚きました。ですが、その小枝のようなものは、猫が今まで食べてきた物の中でも、とびきり美味しかったのです。木の実でもない、お魚でもない…、どこか「懐かしい」ようなお味がします。


カリカリ、カリカリ。


口の中で、リズムを刻むような小気味いい音がします。鼻に向かって、香ばしい香りが抜けていきます。ひとつ食べると、またひとつ、食べたくなる美味しさです。

ふと、振り返ると猫の住処にしていた大きな木は、ずいぶん遠くに、小さく見えます。

猫は、前脚をギュッと握りました。
そうしないと、そのまま住処に戻ってしまいそうな、そんな気がしたからです。


猫は、頬張っていた「カリカリ」をごくんっと飲み込んで、光の方に向き直りました。猫は、「不思議なカリカリ」を食べながら、森の奥の方へと進むことにしました。

「美味しい食べ物」を目の前にすると、猫は『食べにゃくちゃ!』と想うのでした。なぜなら猫は「お腹が空いたら何もできなくなる」ということを、知っていたからです。「お腹が空いたら何もできなくなる」ということは、とてもとても「怖いこと」です。





カリカリ、カリカリ。
カリカリ、カリカリ。





静かな森の中、小気味いい音がリズムを刻んで、響いています。猫は、身体の中に、「カリカリ」が響くような不思議な感じがしました。

それは、万年筆がたくさんお話をしているのを聴いていた、あの時の気持ちと、とても似ている気持ちです。




まだまだ、光は森の奥深くまで続いていきます。






つづく…。





☆彡 Inspired by 『#春とギター』 ☆彡

「歌うたいの猫と、魔法の万年筆。」は、こちらのイベントに参加したことにより生まれた「不思議なものがたり」です♪


☆彡 にゃんくしーさん主催「#ネコミミ村まつり」 ☆彡

☆彡 ついに始まった…!猫さん達のお祭り♪こちらをちぇけら♪


☆彡 にゃんくしーさんのnoteはこちら ☆彡

☆彡 カリカリの食べすぎにご用心!にゃんくしーさん♪


☆彡 PJさん創作大賞2024参加中 ☆彡

  [ RSF : ロマンティック・サイエンスフィクション ]

あなたの気になるキャラクターは誰ですか…?
(; ・`д・´)え…?みんな魅力的だから選べない…?…だと…!?


☆彡 可愛い猫ちゃんのイラストはさくらもち市長さん ☆彡

可愛すぎないか…!?このふんわりイラスト…!
可愛い猫ちゃんイラスト、お借りしました!ありがとうございます♪

「自分らしく」自立をするため奮闘中です。 気が向いたら応援してくれると嬉しいです(o^^o)♪ ☆☆☆ サポートのつかい道 ☆☆☆ ☆彡 イラスト・動画作成に必要なソフト等の購入費用 ☆彡 作業時間確保 ☆彡 創作の糧になる「体験」や「活動」