見出し画像

恋に落ちた日。

はじめまして。

私こと、レモカノ。の初投稿となります。

登録したのが深夜なので、頭の中はかなりハイです。拙いながら一生懸命書きました。最後までのんびり読んでいただければ幸いです。

私は漫画が大好きでかれこれ沢山の漫画にご縁がありました。今も現在進行形であります。タイトルにあるように、これは私がある漫画に出会って雷に打たれたような衝撃を受けたときのお話です。

当時私は小学校5年生。プロフィールにある通り漫画大好きな子供でした。それまではドラえもんや、りぼん・なかよし・ちゃお、などの雑誌をぐるりと一回りして漫画ライフを楽しんでいたように思います。少女漫画独特の華やかな絵柄や心ときめくキラキラの展開がある世界が大好きでした。今でも好きですが、逆に言えば、当時はそのような少女漫画、それだけの世界しか知りませんでした。

ある日、姉の鞄からぽろりと転げ落ちていた漫画を足元から拾い、何となく読み始めました。それが、高河ゆん先生の「源氏」でした。2020年の現代から見ると古い絵柄です。それでも手に取った瞬間、ページをめくることが止まりませんでした。高河ゆん先生と言えば、ガンダム00のキャラクターデザインが特に有名でしょう。私も、彼女があのガンダムのキャラクターデザインを担うことになった、と聞いたときは目からうろこでした。サ〇ライズも思い切った人選をしたな、とも思ったものです。

さて、本筋に戻ります。「源氏」の舞台はネオ鎌倉、と言ったところでしょうか。鎌倉であって、鎌倉でない所。その逆もまた然り。主人公の江端克己(えばたかつみ、以下克己。)16歳が、3歳年上の「桜」という女性に恋をするところからお話が始まります。二人が付き合うことになったきっかけは、克己が桜に一目惚れして告白した際に起こります。付き合いたいんだったらと、桜が克己に突き付けた条件は、学校内の敷地である今この場所で土下座をするようにと言い放った事でした。桜は克己に、自分を軽蔑するといい、と思って言った言葉です。しかし克己は躊躇いなくスッと土下座をして、それから満面の笑みで「これでいいの?俺を好きになってね」と無邪気に喜びました。この時点で私は、今まで頭にあったキラキラ展開の少女漫画とは何か違うな?と第六感がピン!と弾けたのをよく覚えています。

そこからの展開を少しだけざっくり書きますと、突然桜は、ネオ鎌倉の世界へ消えてしまい、それを知った克己は桜を追って自分の知らない世界であるネオ鎌倉に辿り着きます。その時、ネオ鎌倉では歴史上でも有名な源平合戦の真っただ中で、しかも源氏(ネオ鎌倉世界での源頼朝)が亡くなり、そのお通夜をしているところに偶然、源氏と瓜二つの姿と声を持っている克己が通りがかりました。それを見て源氏側の人たちは彼を頼朝に仕立て上げようと決めてしまいます。源平合戦で不利になっている源氏側の士気を上げるためです。当然克己は最初はそんな気が無かったのですが、桜を捜すのを手伝ってもらうのを条件に渋々受け入れました。場面が変わり、ここで大変なことが分かります。桜はこの世界では記憶喪失になっており、克己のことも元にいた世界のことを何も覚えていないのです。勿論そのことを克己は一切現時点では知る由もないのです。一体これからどうなってしまうのだろうという焦りが私の中で生まれました。これが上記に記した第六感でピン!ときた部分です。さらに具体的に書くと、何がそんなに桜を捜すことへ克己を追い立てるのかが子供心に気になりました。(だっていきなり会った知らない源氏軍の人々に、お前は今日から源氏だ!と言われて半ば拉致されたような状況においてでもですよ・・。)

恋心?それは勿論そうでしょう。これは私の個人的な見解ですが、恋に落ちる、というのは交通事故に遭ってしまったような物で自分では選べないのです。桜と出会ったとき、克己はきっと雷に打たれたような面持ちで恋に落ちたのでしょう。消えた恋人を追って、たった一人で誰も自分を知っている人がいないネオ鎌倉に向かったその「情熱」こそが、克己のエネルギー源なのです。作中に出てくる生きていたときの本物の源頼朝の言葉で印象的なのが「命なんて二番めさ。誰だって命より大事なことがある。命なんていきゆくためのものではない。何かをするための力なんだ」というもの。そしてそれにリンクするように克己が源氏軍にいる北条政子に「命なんて大切じゃないよ。生きていくためだったら死んだってかまわない。愛されてるから命には価値があるのさ。愛してるからだよ。そんなこと俺は知っている」と言葉を話すのです。ここです。この言葉たちに潜む、やはり「情熱」に私は恋に落ちたのです。今まで読んだどの漫画でも経験のしたことが無い、衝撃でした。

情熱。それは人間のおよそ誰しもが心の奥底に秘めている感情の一つだと思っていました。しかし、この「源氏」という漫画においては、愛する人を捜したり、何かを成し遂げるために必要な活力源で命よりも大事なものである、という定義づけになっております。生来怠惰な私にはこれが本当に衝撃的な出会いで、今でも大事に取ってある漫画です。この漫画がきっかけで「これからはもっと視野を広げて、色々な漫画を愛して私は生きて行こう」という人生の指針にすらなったとい言っても過言ではないのです。

あの日あの時あのタイミングで、「源氏」に恋に落ちて幸せでした。

ただただ、作品に感謝するばかりです。

そして、タイムマシンがあったら、「源氏」を読んだ小学生だった自分に会いにゆき、君はよくやった!と褒めてあげたいです(笑)。

以上、ここまで読んで下さりありがとうございました。

完。





いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集