見出し画像

園児虐待を根絶する事は簡単だがそこまで求められていない現実について

日本版DBSの導入も決まり性犯罪などに対する締め付けはより一層の厳しさを増して行きます。(いつも通り、有料設定こそしますが、無料で全文読める投げ銭方式の記事です。)

ただ安心安全のプロとして言わせて貰うと、根本的な待遇改善を図らなければ、単に担い手が居なくなるだけで、今後も性に限らず保育士における虐待事案などは大きく減らないだろうと考えています。

先日の美人保育士による虐待事件の記事を活用してこんなツイートがバズっていました。

加害者のルックスが並以上だった事から、被害児童の事などお構い無しに『ご褒美』や『保育士ではなくもっと容姿を活かした仕事をすべきだった』などと言う言説がチラホラ見られ、それに対しての共感と不適切だとする怒りの声が渦巻いていましたが、防犯のプロである私からするとこのツイートは少し毛色が違って見えます。

私は安全産業に身を置き、部下も持つ身として、人間の精神がどれだけ脆弱で、過酷な職場環境や疲弊により人が狂って行くかは十分に知っています。

不正自体には厳格な処分をすべきですが、安易に『普通の人なら(特に性)犯罪なんて絶対しない』などと言う勘違い対しては断固として反対しますね。

勿論、特別危険な犯罪者もいますが、普通の人も異常な環境に陥れば、男女問わず性含めた犯罪をし得るのです。

外部からの犯罪に対してもそうですが、従業員の犯罪、不正に対しては精神論などではなく、予算を掛けてそれを防ぎ許さない為の監視のシステムを組むのが当然です。

目についた暴論として↑の様な物があった。30万どころか月収100万円でも防げないと言う事ですが、これは『一切』と言うレトリックを、添える事で費用対効果の考慮を阻害する詭弁でしか有りません。

防犯監視のプロとしての試算ですが、保育士に限らず職場の各部屋に3台程度の監視カメラを設置し、従業員スマートウォッチの装着を義務付ければ従業員5人程度までは年200万程度から、犯罪不正を阻止するセキュリティシステム自体は組めますし、実際、保育以外のコスパが見合う業界や部署であれば、既にそうした運用はされています。

更に費用を掛けて良いなら各児童にもスマートウォッチを持たせれば良いですし、監視カメラを録画やローカルでの警備監視に留めず、保護者にのみオンライン中継すると言ったオプションも予算さえ有れば可能です(保護者側に犯罪加担者が居た場合など別の問題も発生するリスクがあるので推奨まではしません)。

そして、単に監視するだけであれば事件自体を防げず事後対処しか出来ませんが、本気で予防保全を99%防ぎたいと言うのであれば『スマートウォッチによる脈拍や体温、各児童との接触頻度』を等基準に『擬似犯罪係数』を数値化する事が可能です。

そのため、本当に児童の虐待事案をほぼゼロにしたいと言うのであればそうした数値以上が出た時点で実際は『過労による疲労と風邪による発熱』だったとしても念の為、有休や倉庫保全業務に転属の様な措置を取る事が出来るのです。

でも保育士の犯罪を声高に非難する人達の多くはお金を出す訳でもないし、自分達で保育士になろうとする訳でも有りません。

監視システムにちゃんとお金を出し、更には必要なだけの保育士を用意出来るか?それだけ監視されて『擬似犯罪係数』などと言う不確かな物による転属リスクさえも踏まえて見合った給料を支払えるか?と言う根本には誰も答えてくれないでしょう。

私は現実主義なので冷たい現実を突き付けます。

『外野は勿論、子供達を預ける親たちでさえ、保育にそこまでの金を掛けるのは馬鹿らしい』と考えているだけなのです。

はい『命が大事』と大層なお題目を唱えながら報奨金の設定すらしていないAEDの問題と何も変わりませんね。

子供達の安全なんて金を掛けるほどでは無いとただ皆さんがお考えになっているだけなのです。

ご理解いただけましたでしょうか?

ここから先は

0字

¥ 500

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?