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【読書記録】2024年8月18日〜8月24日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 今週はずっと読みたいと思っていたヒロイック・ファンタジーに手を伸ばしました。
 きっかけはAmazonの朗読コンテンツ「オーディブル」。
 現在3ヶ月の無料トライアル期間中で、あれこれ検索していた中で見つけたのが、今週ずっと読んできた田中芳樹さんの〝アルスラーン戦記〟。
 学生時代に田中さんの代表作(だと私は思っている)〝銀河英雄伝説〟を読んで、このシリーズも気になってはいたのですがいつのまにか忘れてしまいその当時は手に取りませんでした。
 …でオーディブル版の「アルスラーン戦記」ですが、朗読されているのが下山吉光さんというベテランの声優さんということもあって、たくさんの登場人物を見事に演じ分けながら、感情豊かに表現してくれているのですが…。

 結論から言うと、こういう感情の起伏が激しい、具体的にいうと叫んだり、囁いたり、老若男女入り乱れて感情をぶつけ合う物語は、朗読コンテンツには不向きな気がしました。
 誤解のないように書いておきますが、決して下山さんの朗読技術が問題なのではなくて、多分制作側の問題。なにせ淡々としたナレーションの次に突然大きな声で、「『◯◯◯!!』と叫んだ」となって、この時の音量が割れるほど大きいし、かと思えば、「『⚪︎⚪︎⚪︎』と囁いた」という場面では、音量を最大にしても何を言っているのかわからないくらい声が小さかったり。
 コレは結構なストレスでした。
 結局オーディブルで聴くのは諦めて、読む方に切り替えてしまったという。

 つまり朗読コンテンツは、ビジネス書や自己啓発書など、感情表現があまり必要でない本の方が向いているような気がしました。

 ちょっと長くなりましたが、今週読んだ本の紹介に移ります。

【2024年8月18日〜8月24日に出会った本たち】

⚪️王都炎上 アルスラーン戦記1

著者 田中芳樹

【内容紹介】
 大陸公路に君臨するパルス王国は不敗の騎兵隊を持つ強国だったが、蛮族ルシタニアの侵攻を受け、味方の裏切りによって滅亡の危機に瀕する。王太子アルスラーンは無敵の騎士ダリューンや天才軍師ナルサスの助けを借りて、故国奪還に乗り出すが……。中世ペルシア風の異世界を舞台にした壮大なファンタジー第一弾!

Amazon書誌情報より

【感想】
 国産ヒロイックファンタジーの代名詞(だと勝手に思っている)。
 侵略と裏切りにより国を追われた主人公の王子アルスラーンの成長物語なのですが、このアルスラーン、品行方正ではあるもののまだ14歳で世間知らず、しかも物語の第1巻ということもあってイマイチ人物像が掴めません。その代わりと言ってはなんですが、彼に使える5人の人物が実に魅力的に描かれています。
 特に気になる存在は楽師を名乗る女ったらしのギーヴ。彼の曖昧さというかチャランポランな感じが目を惹きます。

⚪️王子二人 アルスラーン戦記2

著者 田中芳樹

【内容紹介】
 死地を脱出した王太子アルスラーンらは、味方の兵力が集結するペシャワール城塞へと向かう。追っ手をかわすため三組にわかれた彼らに、ルシタニア軍、そして銀仮面の男とその配下が襲いかかる。過酷な逃避行の先に待つ運命は? 中世ペルシア風の異世界を舞台にした壮大なファンタジー第二弾!

Amazon書誌情報より

【感想】
 アルスラーン戦記第2巻。
 前半の読みどころは、ある領地の奴隷解放を経験することでアルスラーンが絶対的な正義はないことを学びます、
 中盤は追手から逃げるために6人が3チームに分かれて行動するところがドキドキ、ハラハラ。さて誰と誰が一緒に逃げるでしょう。
 この逃亡劇の最中に新メンバーが加わり、このことで常に沈着冷静な軍師ナルサスが人間臭い一面を見せてくれます。
 そして後半、なんとアルスラーンにも出生の秘密が…!?
 この巻全体を通して一神教の危うさと、それを道具として利用することの恐ろしさを感じました。

⚪️落日悲歌 アルスラーン戦記3

著者 田中芳樹

【内容紹介】
 王太子アルスラーンが入城したペシャワール城に、隣国シンドゥラの大軍が来襲した。軍師ナルサスは巧みな計略でシンドゥラの王子ラジェンドラを捕らえるが、アルスラーンに進言したのは、そのラジェンドラとの同盟だった。シンドゥラの内乱に介入するパルス軍の運命は? 中世ペルシア風の異世界を舞台にした壮大なファンタジー第三弾!

Amazon書誌情報より

【感想】
 やっと身の置き場が見つかったアルスラーン一行でしたが、休む間もなくラジェンドラ王子率いる隣国シンドゥラが進軍してきます。それをきっかけにシンドゥラの内戦に巻き込まれるアルスラーンたち。
 この物語は合戦シーンが多いのでその度に首が飛び血飛沫が上がりとにかく人が死ぬわ死ぬわ。これが児童文学との大きな違いか。
 そうそう銀英伝の時も思ったけど、田中さんは二人の人物を対比して描くことが多い気がします。この物語では、アルスラーンとヒルメス、ダリューンとナルサス、今回登場したシンドゥラのラジェンドラとガーデーヴィなどなど、そういう視点で読んでみるのも面白いかも。

⚪️汗血公路 アルスラーン戦記4

著者 田中芳樹


【内容紹介】
 アルスラーンひきいるパルス軍は、王都エクバターナ奪還に向けて出発した。ルシタニア軍も王弟ギスカールの指揮のもと、大軍で迎え撃つ。大陸公路を血に染める激闘の行方は? 中世ペルシア風の異世界を舞台にした壮大なファンタジー第四弾!

【感想】
 物語はちょうど中間。いよいよアルスラーンが王都奪還のために進軍します。
 元々組織に属していた人々と、新たに加わった人々との軋轢というのはどんな組織でもあること。
 それはともかくこの巻て新たに登場したものの、まだ舞台の真ん中に上っていない人物が幾人も。片目の騎士・ほら吹きクバード、アルフリードの兄・メルレイン、ヒルメスを慕うマルヤム国の内親王・イリーナ、そしてルシタニアの騎士見習いエトワールことエステル。彼、彼女たちが今後物語にどう関わってくるのかが楽しみ。
 それにしてもまさか囚われのアンドラゴラス王が…!?

⚪️征馬孤影 アルスラーン戦記5

著者 田中芳樹

【内容紹介】
 パルス軍西進の隙をついて、北の強国トゥラーンが侵攻! 後顧の憂いを絶つべく、パルス軍はペシャワール城に引き返すが、その頃、王都ではアンドラゴラス王が……。懸命に戦うアルスラーンにさらなる過酷な運命がふりかかる。中世ペルシア風の異世界を舞台にした壮大なファンタジー第五弾!

【感想】
 シリーズ5巻はこれまでで最も目まぐるしく物語が展開します。
 遊牧国家トゥラーンのパルスへの侵攻を食い止めるためにアルスラーンは人頭に立ち、ヒルメスは絶対的な力を得るために宝剣ルクナバードを探す旅に。この旅でどうも蛇王ザッハークの封印が解かれた模様。そしてまさかのアンドラゴラス王の行動。
 どうやら物語はパルス国とルシタニア国の争いから父アンドラゴラス王vsアルスラーンvsヒルメスの覇権争いに変わってきた感じ。
 それにしてもアルスラーンの元には優秀で勇敢な人物が集まること。
 一番の謎であるアルスラーンの出生の秘密はいつ明かされるのか。

⚪️風塵乱舞 アルスラーン戦記6

著者 田中芳樹

【内容紹介】
 父王アンドラゴラスに追放されたアルスラーンは、ダリューンやナルサスら七人の側近とともに港街ギランに向かう。一行は海上商人を味方につけるため、海賊退治に挑むが……。中世ペルシア風の異世界を舞台にした壮大なファンタジー第六弾!

Amazon書誌情報より

【感想】
 シリーズ6巻まできて思うことは、主人公なのにアルスラーンの存在感が未だ薄いということ。
 アルスラーン自身が15歳でまだ若いということもあるけれど、とにかく取り巻きが皆優秀過ぎるので本人が出る幕がないというか。今後の活躍と成長に期待。
 ここにきて魅力的に思えてきたのが銀仮面卿ことヒルメス。ただの冷血漢かと思いきや悩んだり苦しんだり優しかったりと実に人間臭い。
 それにしてもアンドラゴラス王もタハミーネ王妃もなんであんなにアルスラーンに冷たいんだろう。

⚪️王都奪還 アルスラーン戦記7

著者 田中芳樹

【内容紹介】
 アルスラーン、アンドラゴラス、ヒルメス。三者がひきいる三つのパルス軍がエクバターナをめざす。ルシタニア軍から王都を奪還できるのか? ついに明かされるパルス王家の秘密とは? そして最終的な勝者は? 中世ペルシア風の異世界を舞台にした壮大なファンタジー第七弾、第一部完結!

Amazon書誌情報より

【感想】
 堂々の第一部完結!
 アルスラーン軍、アンドラゴラス軍、そしてヒルメス軍の三つ巴の争いになるかと思いきや、意外な人物が物語に終止符を打ちます。
 第1巻からずっと引っ張ってきたアルスラーン出生の秘密よりも衝撃的だったヒルメスの出自。そして真の敵・蛇王ザッハークの影。アルスラーンの力量が試されるのはこれから。
 Wikiで調べたらルシタニアの侵略は十字軍の遠征がモデルだとか。この物語にせよ銀英伝にせよ、田中さんは宗教というものに対して一家言ありそう。
 ただ一つ、最も大切なものだけ手元に残ったヒルメスの今後の活躍に期待したい。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか。
 今週は「アルスラーン戦記」一色の週でした。
 綿密に作り込まれた架空世界の物語というと、どうも「一見さんお断り」みたいに感じて(私だけ?)二の足を踏んでしまいますが、今回もなんとかこの物語世界の住人になることができて、ある意味ホッとしていますが、なんとこのシリーズ、これで半分なんですね。私がこのシリーズを知ったのはちょうど今回読んだ第一部が完結した頃だったんだなぁと。懐かしいような悲しいような、ちょっと複雑な気分になったとか、ならなかったとか。
 第二部は、また今度。
 なにせ読むのに体力がいる物語なので。

最後に
 読書っていいよね。


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