【読書記録】2023年11月19日〜11月25日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
みなさんはオンライン書店って利用しますか?
私は最近ほとんどの本をオンライン書店で購入しています。
別にリアル書店が嫌いなわけではありませんし、本との偶然の、そして運命的な出会いを求めるなら、やっぱりリアル書店がいいとは思うのですが…。
例えば「この本が欲しい!」ってなった時に即座に対応してくれるのがオンライン書店。これがリアル書店だと、店頭在庫を探してもらって、なければ取り次ぎに在庫を確認して、なければ出版社に問い合わせて…。
在庫があったとしても手元に届くのは1週間とかかかっちゃう。
「そのくらい待てないのか」って言われちゃうとそれまでなんですが、読書には時期というか波みたいなものがあって、それをうまく捕まえないと、興味が失せてしまったり、手に入ったとしても積読ということになってしまったりするわけです。
「鉄は熱いうちに打て」ではありませんが、興味が湧いた時にさっと手に取れる、そして簡単な操作で購入できるオンライン書店に、つい手が伸びてしまう私です。
「そこまで言うなら電子書籍にすればいいじゃないか」という声が聞こえてきそうですがそれはそれ。
やっぱり紙とインク、手に取った時のあの感覚、本棚に並んだ時のあの充実感というか満足感は、どうにも手放せません。
なんだか枕が長くなってしまいましたが…。
早速今週出会った本たちをご紹介しましょう。
【2023年11月19日〜11月25日に出会った本たち】
⚪️どうしてわたしはあの子じゃないの
【感想】
私の人生、なぜかいつも2番でした。いや過去形ではなく今でもそうかもしれませんが。そしていつも1番の人が羨ましくて、「なんで自分はあの人のようになれないんだろう」なんて特に学生時代は思っていました。いや今でも思っているか。
田舎の窮屈な人間関係に嫌気がさしていつか都会に出たいと願う天。天が気になって仕方がない藤生。藤生に恋するミナ。同級生3人の中学時代と、そこから16年後の「今」の物語。
一番心に残ったのはこの言葉。
もしかしたら自分も…。
気をつけなくちゃ。
⚪️ランウェイ・ピート
【感想】
原田マハさんの初期作品。
天才的なファッションセンスとデザインセンスを持つ転校生のビートが、転校先の高校でファッションショーを成功させ、新ブランドを立ち上げ、東京コレクションをジャックするという出来すぎ感のある青春ストーリー。
携帯小説サイトに連載されていたからなのか、一つ一つの章が短くて読み易いというか、なんとなく物足りない気もするけど、いじめ、クラスの団結、ライバルの存在、わかりやすい悪役、意外な協力者、不治の病のヒロイン、そしてベタ甘な恋愛と、とにかくてんこ盛り。
映画化もされていて、その主題歌はファンモン。
書影も引き算の芸術って感じでかっこいい!!
⚪️人間タワー
【感想】
ある小学校の運動会のメインイベント、6年生による組体操「人間タワー」を巡る物語。
実施についての賛否は生徒にも先生にも、そして保護者にもあり…。
話はそれだけでは終わらず地域住民や卒業生の想いにも寄り添っていきます。
特に老人ホームに入居する認知症老人の話「すべてが零れ落ちても」と、小学校時代いじめられっ子だった男性の話「乗り越える」は、読み始めは本編との繋がりが見えなくてドギマギしましたが…。この二つが特に心に沁みました。
残念なのは、子供達がどういう経緯であの答えを導き出したのかが語られなかったこと。
⚪️龍神の子どもたち
【感想】
時代は1980年代前半。首都圏から電車で2時間弱の太平洋岸の地域。
そこはリゾート開発の一環で作られた新興住宅地と、昔ながらの農業で生計を立てる人々が暮らす住民に二分された地域。
この住民同士はいつもギスギスしていて、その余波は地域で唯一の中学校に通う子供達にも及んでいます。
こういうことは全国各地にありそうで、大人たちのエゴに影響され振り回される子供達は、本当に可哀想。
簡単に言ってしまうと、9人の中学生が林間学校参加中に自然災害に巻き込まれ、反目し合っていた子供達が様々な試練に向き合う中で成長する物語ですが、それだけではなくてもっと大きな社会的で重厚なテーマを扱っている物語でした。
ダメなのは大人たちかも。
⚪️誰も戦争を教えられない
【感想】
アメリカ、ヨーロッパ、韓国、中国、そして日本国内の戦争博物館を巡りながら、それぞれの国が第二次世界大戦をどう捉えているかを明らかにしていく本書。
両論併記ではないけれど、戦勝国、敗戦国それぞれの視点を知ることができてこれは面白い。
そういえば自慢にもならないけれど、私は戦争博物館はおろか原爆資料館にすら行ったことがありません。
最後に古市さんとももクロの対談が収録されていて、これがもうはちゃめちゃ。ももクロのどこまでが演技(演出)なのかはわからないけど、お偉い学者さんや政治家が読んだら激怒か卒倒するかも。
この対談を読んでいると「理屈はともかく答えは案外シンプルなのかな」なんて思えてきます。
⚪️「おふくろの味」幻想
〜誰が故郷の味をつくったのか
【感想】
私の中で「おふくろの味」とはいわゆる味付けのことではなくて、郷土料理とか他の人は使わないであろう特徴的な材料が入った料理が頭に浮かびます。例えばお肉の代わりに魚肉ソーセージの入ったカレーとかね。
この本では「おふくろの味」という言葉が何時ごろ誕生して、その意味合いが時代とともにどう変化していったかが、たくさんの資料を元に語られていきます。
これによると実は料理が母親や妻の仕事になったのは戦後。そして言葉としての「おふくろの味」が登場するのは高度経済成長期の頃だとか。
男性だけでなく実は女性もこの言葉に縛られているという話に納得。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか?
今更の話題ですが、今年の夏の文庫フェアで手に取ったたくさんの物語の中で、特に気になった作家さんが二人いました。
一人目は〝明日の僕に風が吹く〟の乾ルカさん。
そしてもう一人が〝君たちは今が世界〟の朝比奈あすかさん。
お二人の作品を買い求め、秋口から読もうと思っていたのですが、いわた書店の「一万円選書」当選や、その他諸々の事情によりなかなか手が出ず積読状態。
…で、今回このタイミングで、やっと一冊ずつ手に取れた次第です。
お二人とも、若い世代が主人公の物語を描かれる方のようで、人生のB面に入ったオヤジとしては「そうそう、あの頃そんなふうに感じてたよね」なんて、ノスタルジックな気分になったり…。
ああ、なんか懐かしい。
なんだか年寄りくさい言い方になるけれど、物語の中であの頃自分も持っていたはずのみずみずしい感性、喜びや苦しみや悲しみといったピュアな感情に触れることで、「心のエイジングケア」をしたいなぁなんて思ってみたりして。
最後に
読書っていいよね。
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