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【読書記録】2024年6月23日〜6月29日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
あっという間に6月も終わり!
っていうか2024年も半分おわり!?
早い、早すぎる。
2024年の上半期も、たくさんの素敵な本との出会いがありました。
例えば…。
って、それについては別の記事で触れることとして、今回の枕では7月に刊行予定の気になる文庫本をピックアップしてみたいと思います。
7月8日
📚サイボーグ009トリビュート(河出文庫)/アンソロジー 河出書房新社
7月9日
📚星影さやかに(文春文庫)/古内一絵 文藝春秋
7月11日
📚砂嵐に星屑(幻冬舎文庫)/一穂ミチ 幻冬舎
📚ウェルカム・ホーム(幻冬舎文庫)/丸山正規 幻冬舎
📚嗤う淑女 二人(実業之日本社文庫)/中山七里 実業之日本社
📚明日は結婚式(祥伝社文庫)/小路幸也 祥伝社
7月12日
📚爆弾(講談社文庫)/呉勝浩 講談社
📚忍者に結婚は難しい(講談社文庫)/横関大 講談社
7月22日
なぜ秀吉は(毎日文庫)/門井慶喜 毎日新聞社
以上9冊。
この中で一番気になるのがコレ!
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なにせ今年はサイボーグ009生誕60周年のメモリアルイヤーだそうで、このアンソロジーもそのイベントの一つとして編まれたものです。
あなたは9人のの中で誰が一番お気に入りですか?
やっぱり水島ジョー、それともフランソワーズかな?
私はやっぱり1980年の映画「サイボーグ009 超銀河伝説」では死んでしまうハインリッヒが好きだなぁ。
夏の文庫フェアが始まるってーのに、こりゃてーへんだ!
…ということで(ってどういうこと?)、今週出会った本たちをご紹介します。
【2024年6月23日〜6月29日に出会った本たち】
⚪️冷たい校舎の時は止まる(上)
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【内容紹介】
雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう――。第31回メフィスト賞受賞作。
【感想】
購入から半年以上積んでいたこの作品、満を持しての登場です。
なぜずっと積んでいたかというと、その厚さ。なんと600ページ超え。しかもコレは上巻で、下巻もほぼ同じくらいのボリューム。
簡単にいうと8人の高校3年生による群像劇、いやミステリー、うーんファンタジーかな?
ある生徒の飛び降り自殺を軸に、その事件から2ヶ月後、雪の降る日に学校に集められた8人の同級生たち。
彼らはなぜか自殺した同級生の顔も名前も思い出すことができず、しかも集められた8人の中にその自殺者が…!?
上巻では名前だけで実際には登場しない担任教師の存在も気になるし、上巻読了時点では結末が全く予想できません。
⚪️冷たい校舎の時は止まる(下)
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【内容紹介】
学園祭のあの日、死んでしまった同級生の名前を教えてください――。「俺たちはそんなに薄情だっただろうか?」なぜ「ホスト」は私たちを閉じ込めたのか。担任教師・榊はどこへ行ったのか。白い雪が降り積もる校舎にチャイムが鳴ったその時、止まったはずの時計が動き出した。薄れていった記憶、その理由は。
【感想】
上下巻合わせて1100ページ弱。とにかく長い、長いけれど8人の高校生の、大人一歩手前の葛藤を漏れなく描くには、やはりこれだけの分量が必要だったのだと思います。
学園祭の最終日に自殺した人物と、この世界を作り出したホストの正体はいったい誰なのかが最大の謎ですが、明かされた真相は実に切なく、心にズシンとくる感じで、読みながら重松清さんの〝青い鳥〟の表題作に共通のテーマを感じました。
残念だったのはこの物語に出会うには歳をとりすぎてしまったこと。
今生きにくさを感じている中高生にはぜひ読んでもらいたい物語です。
忘れたいこと、でも忘れてはいけないことがきっとある。
⚪️憂鬱なハスビーン
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【内容紹介】
東大卒、有名企業に就職し、弁護士の夫を持つ29歳の私。結婚して仕事は辞めたけれど、優しい夫と安定した生活がある。なのになぜこんなに腹が立つんだろう? ある日再会した、かつて神童と呼ばれた同級生。その話に動揺した私は、まだ自分に何かを期待しているのだろうか。
【感想】
タイトルにあるハスビーンとは英語の「has been」のことで、「一発屋」や「終わった人」なんて意味で使われることもあるらしい。
いわゆる平凡な家庭に生まれ、努力して東大合格、一流企業に就職し、弁護士の夫と結婚して退職。嫁姑問題もなく順風満帆だったはずの主人公・凜子は、なぜか満たされない毎日にイライラを募らせ、夫や実母に当たり散らすという物語。
誰でも一度や二度は「こんなはずでは…」と思ったことがあるはずで、この気持ちはわからないでもないけれど、とばっちりを喰らう周囲の人はいい迷惑。それでも最後にはうっすら光が見える終わり方でよかった。でもこの夫婦は多分…。
⚪️今日、きみと息をする
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【内容紹介】
2013年 第8回日本ラブストーリー大賞・隠し玉作品のひとつです。部員たった3人の美術部で繰り広げられる、男、女、男の奇妙な三角関係。自分の気持ちを胸に秘め、または自分の本心には気づかないまま、微妙なバランスで三人の日々は過ぎていくが……。今後の進路、人間関係、家庭環境など、三者三様の高校生ならではの悩みを抱えながら、自分たちの人生と向き合っていく高校生たちの姿を描いた青春小説。
【感想】
武田綾乃さんのデビュー作。
主人公は高校1年生の宮澤けいと、田村夏美、沖泰斗の3人。
この3人の関係が宮澤が田村を、田村が沖を、そして沖が宮澤を好きだというちょっと変わった三角関係。
とは言ってもそこは高校生。ドロドロした大人の三角関係とは違い実に爽やか。いやそれぞれが抱える家庭の事情とか、かなり深刻な部分もあるけれど、とにかく会話にスピード感とユーモアがあってテンポよく物語が進みます。
まるで夏の日差しのような眩しい青春物語でした。
この後彼・彼女たちはどうなるのかが気になるけれど、それをあれこれ詮索するのは無粋というものか。
⚪️拙者は食えん! サムライ洋食事始
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【内容紹介】
幕末~明治初期、初めて「洋食」に出会ったサムライたち。「ボートル(バター)塗りつけ、油ばかり」、それでも開国のため、ひたすら我慢して食べ、挙句の果ては「いかなる事の報いか。神仏に祈るほかなかりけり」……。日本人と洋食との邂逅がこれほど劇的だったとは! 読み出したら止まらない面白歴史エッセイ!
【感想】
主に鎖国を解いた幕末から明治初期、初めて外国の料理や酒を口にした人たちの感想をまとめたのが本書。
米と野菜と魚、調味料は味噌と醤油中心の食事だった日本人が、獣肉、油、乳製品、香辛料の効いた料理を口にした時の衝撃たるや。
海外の人が納豆や味噌にギョッとするように、当時の日本人も海外の発酵食品はなかなか受け入れられなかった様子。
もちろんナイフやフォークの使い方もわからないし、フィンガーボールなんて見たこともない人たちの悪戦苦闘が目に浮かぶようです。
せっかくなので、日本食を初めて口にした外国人の話も聞いてみたい。
文庫化熱望!!
⚪️国家を考えてみよう
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【内容紹介】
国家や政治を考えるのはむずかしい。国民なのに…なぜだろう。日本の国の歴史をたどれば自ずとその理由が見えてくる。今こそ、自分の頭で国家を考えてみよう。
【感想】
「国家を考えてみよう」というタイトルなのに、第一章の冒頭でいきなり「国家を考えるために重要なのは、まずは国家を考えないことだ」と禅問答のような話から始まるので驚きます。
この本で最初に触れているのは「国」を表す二つの言葉nation(国民)とstate(領土)の違い。これは読んでいて「なるほど」と、思わず口に出してしまいました。
一読しただけで全てを理解するのは難しいですが、福沢諭吉がなぜ〝学問のすゝめ〟を書いたのかとか、第9条だけがクローズアップされがちな、憲法改正の本当の問題点などを知ることができてよかったです。
まずはちゃんと考える習慣を身につけたい。
⚪️「若者の読書離れ」というウソ 中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか
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【内容紹介】
この20年間で、小中学生の平均読書冊数はV字回復した。そんな中、なぜ「若者は本を読まない」という事実と異なる説が当たり前のように語られるのだろうか。各種データと10代が実際に読んでいる人気の本から、中高生が本に求める「三大ニーズ」とそれに応える「四つの型」を提示する。「TikTok売れ」の実情や、変わりゆくラノベの読者層、広がる短篇集の需要など、読書を通じZ世代のカルチャーにも迫る。
【感想】
「昔に比べて若者は本を読まなくなった」という話を耳にするようになって久しいけれど、少なくとも2000年代に入ってからはそうでもないということを、いくつかの統計から明らかにしていく本。
その上で今の中高生のニーズや読まれている本の傾向も詳しく分析しています。
この本を読んで、読まれなくなったのはいわゆる「本」ではなくて「雑誌」だということ。そして大人が読んでほしい本と中高生が読みたい本にはギャップがあることを知りました。
まぁ、当たり前と言えば当たり前だけど。
ちなみに中学生の三大ニーズは、
①正負両方に感情をゆさぶる。
②思春期の自意識、反抗心、本音に訴える
③読む前から得られる感情がわかり、読みやすい。
そして中学生が読んでいる本の傾向は、
①自意識+どんでん返し+真情爆発。
②子どもが大人に勝つ。
③デスゲーム、サバイバル、脱出ゲーム。
④「余命もの(死亡確定ロマンス)」と「死者との再会・交流」。
だとか。でもこの傾向については中高生に限ったことではないような気も。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか。
今回読んだ小説3冊は、女性作家さんという以外なんの共通点もないように感じますが、よくみてみるとどれもデビュー作でした正確に言えば朝比奈あすかさんのデビュー作はノンフィクションなのですが、小説デビュー作ということで) 。
私は書評家ではなくてただの読書人(ホンヨミスト)なので、物語の構成がどうとか、表現がどうとか、デビューからどう変わったかとか論じることはできませんが、とにかくhas beenではなくて、三人とも現在も心を鷲掴みにし、ブンブン振り回すような物語を生み出し続けていることが嬉しくてたまりません。
さぁ、来月は夏の文庫フェア特集だ!!
最後に
読書っていいよね。