紳助さんが語った「面白い話のコツ」に、うなずきまくりです!
島田紳助さんの語った話がめちゃくちゃヒットだったので、「やっぱりそうだよね」とか「そういう考え方か」ということで、ものすごい僕的にヒットしたので、それを聞いていただきたいと思います。
おっしゃっていることは僕流に解釈すると、エリクソン催眠なんですよ。だから本当に笑いを研究していくと、あるいはエリクソン催眠というものを研究していくと、同じようなところに行き着くんだな、と思ったんですね。
どこで紳助さんが話していたかというと、DVDです。「紳竜の研究」というDVDで、紳助・竜介の紳竜ですね。NSCで紳助さんが語った特別授業というのがあるんですよ。その特別授業の中で紳助さんが語った話があるんですね。いくつかポイントがあるんですけれど、今日は3つぐらい話してみようかなと思います。
3つのうちの2つは簡単に。1つは「本当そうだよね!」みと、ドンドンと深くいく話なんですが、ひとつめ、こんなことをおっしゃっています。
僕は関西弁はうまくしゃべれないので、もとは関西弁ですけれど、標準語でお伝えしますね。
ということをおっしゃっているんですね。笑いというものに関して、どうやって漫才を練習するかっていうところなんですけれど。
といっているんですね。
まさに日本の笑いは特にそうだと思うんですよ。アメリカの笑いだとロジカルにくみあげていくものが多いんですけれど、日本の笑いは「そんなの関係ねぇ」ですとか、そのほかのリズム感ネタもすべて音感・リズムになっていますよね。だから、稽古場で練習するなと。「歩きながら練習しなさいね」といっていて、まさにそうだなって僕思うんですね。
ちなみに別に僕は、voicyさんの音声をほとんど歩きながら録っています。歩きながら録ると、歩いているリズムがしゃべるリズムになる。そしてそのリズムは崩れないですよね。同じ調子で歩いていれば。これは紳助さんがおっしゃっていることですけれど、すごいなって思いました。これがひとつめ。
2つめ。すごいなと思ったのは「間」です。紳助さんは名人といわれる人と紳助さんが面白いと思った漫才師を比べてみたんですよ。そうしたら、1分間の「間」が全然違うということをおっしゃっていました。発見したということですね。10年20年やっている人は間が細かい。何をしゃべるかというのもそうなんですが、どうしゃべるかというのがとても重要だなということを研究をしたということですよね。
僕、ここですごいなと思ったのは、見て書いて思ったわけじゃない。ちゃんと収録をして、それを聞いて間を数えた、と。そうしたらうまい人、長くやっている人は間が細かかったことを発見しているんですよ。この研究の力っていうものありますし、間のコントロールは最終最後、催眠が目指すところであり、僕は間だと思うんですね。
もちろんふつうのこういうトークでもそうですし、朗読劇でもそうですし、芝居とかでもそうなんですけれど、間です。間は本当に生きるなというところがあったので。リズムと間。僕もこうしゃべったりする仕事をしていますが、まさにそれですよね。すごいなと、あらためてここまで感じましたね。
そして最後、3つめ。これが震えました。
僕が今から話をすること。五感臨場というしゃべり方なんですけれど、これは本当に催眠やそういうところで習ったんですよ。それを研究していてここに行き着いた。紳助さんが催眠を習った話は聞いたことがないので、漫才の研究をしていてここに至ったというのが、ものすごいなと思っています。
絶対こうだったかどうかは覚えていないんですが、僕の印象にある言葉で話すと、まずおもしろい話とおもしろくない話というのがある。その決定的な違いに対して、おもしろい話は臨場感がある。臨場感は何かというと、その場にいるような感じですよね。話を聞いているのに目の前にイメージが浮かんできて、脳内にそのイメージが出てくる。だから臨場感があるということですよね。
おもしろい人の話は聞いていると映像が見える、音が聞こえてくる、においがしてくる、味がする、という風に、自分が体感することができる。
臨場されるということですよね。だからその話に引きこまれるし、だから感情が揺れ動かされるんだっていうこと。これはもう本当、五感臨場と僕が呼んでいる催眠のしゃべり方とまったく同じものです。
じゃあ、どういう風にして……おもしろい話をする人。臨場感のあるトークをする人が何をやっているかというと、その人たちは脳内の映像を言語化している、とおっしゃっているんですよね。逆に丸覚えしたものをしゃべっているだけだと、それは臨場感が出てこないですというお話をしていて。本当すごいなと思います。
ここまでのお話は僕も催眠のときに聞いたことがあるんですけれど。じゃあ、どうやったらそれがうまくなるのか、という話について、紳助さんはこのDVDの中でこうおっしゃっているんですよ。
これ震えましたね。ふつうの人は脳で記憶している。心で記憶しているんじゃない。これは忘れる、と。
「たとえば……」というので例を出しているのが、高校のときにならった数学の公式。覚えているか? 覚えていないでしょう? それはどうしてかというと頭で覚えたから。脳で覚えたのは、頭で覚えたということなんですけれど、高校のときのツレとしゃべったことは忘れていない、と。
あのときあいつはこういったとか、あるいは女性に告白したときの言葉とか、それは覚えている。なぜか。心で記憶したからです。脳で記憶したものというのは、思い出すときにふつうに思い出す。一生懸命、順番に。だから時間がかかる。でも心で記憶したものは、どこにしまったかわからない。同じ感情になったときに勝手にその引き出しが開く。
これ、僕がいっているんじゃないです。紳助さんがいっている言葉なんですよ。すごくないですか? 感情とセットになっている記憶。たしかにこれを聞いていただいているあなたにもあると思います。
男子だったら女性に告白して「よろしくお願いします」といわれたときの「おっしゃ! きた!」みたいなあの記憶とか。あるいは「ごめんなさい」といわれたその記憶とか。あるいは自分が打ちこんでやったこと。それは部活かもしれないし勉強かもしれないし、それ以外のことかもしれないですけれど。そこで「おっしゃ!やった!」というものを手にした記憶。
あるいは「いや、マジかよ」となった記憶。それってものすごくありありと思い出せると思うんですよ。そのときに何が見えていて、何が聞こえていて、どんな肌感覚があって、というすべてがリアル。そのリアルな感覚をしゃべる、というのがいいということですよね。
臨場感のあるおもしろいトークしたいのであれば、感情とセットで。記憶されている映像のストック。映像じゃないですね。五感のストックですよね。それを増やしていきましょう、みたいなことをおっしゃっていて。すごいなと思いました。
このトークは漫才だけじゃなくて、しゃべる人すべてが使えるものだと思いますし、もっというのであれば、このトークが使える人がほかの人にとってとても魅力的な人になっていくんだな、とあらためて感じましたので、今日はこの話をガツッとさせていただきました。