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コミュニケーション力を鍛えるのに、催眠を練習するのが有効な理由

コミュニケーション力ということで、お伝えしていこうと思います。最近、僕、本当にいろんなところでコミュニケーション力が落ちている話を聞きます。「グローコム」という、企業のトップのコミュニケーションコーチングを手がけていらっしゃる会社の調査です。

2022年7月、「コロナ下が僕たちのコミュニケーションにどんな影響を与えているのか」について、全国の1200人を対象にネットで調査をしました。その結果、「コミュニケーション力が衰えた」といっている人が全体の20%。特に若い世代でそういっている人が多かった、という結果になりました。

僕が「これおもしろいな」と思ったところをもうちょっとくわしくご紹介すると、「コミュニケーション能力が落ちた」といっていたのは全体の20%だったんですけれど、10代の女性は3人に1人が「落ちた」といっている。これマスクが関係あるんじゃないかなと思うんですけれどね。

落ちた中で「何が落ちましたか?」「どのコミュニケーション能力の中で何が落ちましたか?」というと、雑談。4人に1人、24.9%が「雑談とか会話力が落ちた」といっています。10代の女性にかぎると38%まであがるんですよ。これ、ものすごく多いですよね。3人に1人以上ですもんね。「本当に雑談をどうしていいかわからない」「会話をどうしていいかわからない」「コミュニケーションをどうとったらいいか、わからなくなった」という話をものすごく聞きます。

けれど、コミュニケーションは絶対必要なんですよ。僕たちは社会的な動物ですから。もうそれは僕がここで何度も何度も話をしていることなので、あらためて強調することもないかなと思います。

その落ちたコミュニケーション力、どうあげていくかっていうと、もちろんコミュニケーションの練習をしなきゃいけないです。ただだまっていてもコミュニケーション能力がどんどんあがってくるなんてことはないですから。あるいは本を読むだけ、YouTubeを観るだけでどんどんあがってくるということはないですね。やっぱり練習はいります

筋力と同じですからね。YouTubeを観ているだけで自分の胸がどんどん厚くなるとか腹筋が割れてくるってありえないじゃないですか。見てやり方を知って、自分でやらないと筋力はきたえられない。それとコミュニケーション力も全く同じなんですよ。見ているだけではなんともならない。練習しなければならない。

もちろんいろんな練習があります。ありますが、僕は催眠の練習がすごくいいと思っているんですよ。僕「エリクソン催眠」という「現代催眠」ともいわれているんですが、そういう催眠を教える講座をやっていました。

なんでコミュニケーション能力にそのエリクソン催眠というのが効くのかということをご紹介して、そのあとにあなたが実際にできる練習をご紹介していきたいと思います。

催眠というと、みなさん思い出すのは「あなたはどんどん眠くなる」とか、「はい、手が固まった! 開こうとすれば開こうとするほど、どんどん固くなっていく」とか。催眠術師のしゃべる言葉はちょっと特殊だというイメージがある方もいらっしゃると思いますが、エリクソン催眠は本当にふつうにしゃべるんですよ。

「あなたは今あなたの部屋にいて。そして、わたしのこの放送を聞いていて、わたしの声を聞いていて。そうしているうちに少しリラックスしている自分を感じて」みたいな感じで、ふつうにしゃべっていき、それで現象をおこしていく。

「現象」といっても、大きい現象じゃないです。パフォーマンスの催眠だと手が固まるとか名前が思い出せなくなるとか味が変わるとか、いろんな現象がおきてくるんですけれど、エリクソンはそこまで大きな現象を引きおこすものではない。

やれなくはないですよ。やれなくはないですが、ちょっと違うんですよね。軽トランス状態みたいなものにまず導く。軽トランス状態になって、そこからいろいろ介入をしていくっていうものです。

それでも目を閉じるとか、腕があがるとか、そういったものをひきおこすことはできるんですよ、ふつうの言葉でです。ここがすごいミソなんですよね。

ふつうの言葉でしゃべって、目の前の人が「なんか目を閉じた方が楽だな」と思って目を閉じる。ふつうの言葉でしゃべって、目の前の人の手があがってくる。ここが何度もいいますけれど、ミソなんです。

エリクソン催眠にかけられたことのある方だったらわかると思うんですが、めちゃくちゃ何いっているか聞こえているんですよ。

たとえば、まぶたが閉じることに関しても「あなたはまぶたの重さを感じることができます。そして、いつでも瞼を閉じることもできます。そうですね、いいですね」とかいっているので聞こえているんですよ、めちゃくちゃ。

めちゃくちゃ聞こえているんだけれども、エリクソン催眠でいわれているある一定の話し方をしていくと「なんか閉じた方が楽だな」「閉じたいな」と思って閉じてしまう。そういう話し方なんですね。

逆にいうと、こちらが「目を閉じてほしいな」と思って声をかけていても、目の前の人の目が閉じなければ僕の話し方が悪いんです。何かがひっかかって、目の前の人の目が閉じないんです。目の前の人の手があがらないんです。ここがすごい勉強になるんですよね。どれだけ言い訳しても、目は閉じていないんです。どれだけ言い訳しても、手はあがってこないんです。それは僕の、こちら側にしゃべり方が悪いからなんです。

だから「どうしたら目が閉じるだろう?」「どうしたら腕があがるだろう?」と思ってしゃべっていくこと。それ自体がコミュニケーション能力をあげていくことにつながっているということですね。

ここまで話したら大体おわかりだと思いますが、このエリクソン催眠のコミュニケーション能力、しゃべり方というものは、相手に100%あわせていくというしゃべり方なんですよ。

相手の中にしか正解がないんです。だからこちらは僕がいいたいことをいうんじゃない。相手が心地よくなるようなことをしゃべっていく。相手にとって「NO」が出ない言葉をしゃべっていく。心の抵抗ですね。それが出ないような言葉を選んでしゃべっていくということをしていく。徹頭徹尾。相手にあわせていくというしゃべり方なんですよ。

これがめちゃくちゃむずかしい。僕たちは「僕たちがいいたいことをどう伝えるか」というコミュニケーションについては、非常に勉強しています。プレゼンとかセールスとか、みんなそうじゃないですか。なのでそれはできるんですが、「100%相手にあわせていくしゃべり方」といった瞬間に「え! どうやってやるの?それ」「わからない!」と、頭の中がグルグルになっていきます。

けれど、人は誰かとしゃべっていて「心地いいな」「この人のいうこと、信じてもいいな」「この人信用できる人だな」「なんかいい人だな」と思うのは、こちら側にあわせてもらったしゃべり方をされたときの方がいい感覚を得るわけですよね。

そしてそのあとに、セールスでもプレゼンでも交渉でもなんでもいいですけれど、そういうものがはいってくると「わかった、あなたのいうことだったら信じてみましょう」「あなたから買いましょう」ということになってきます。なので、まず徹頭徹尾。相手にあわすというしゃべり方。これを身につけていただけるのがコミュニケーション能力をグッとあげていくことになってくると思います。

具体的にいきましょう。これやったらいいなって思うのは、相手がまあまあ長尺でしゃべったとき。「いやぁ、こういうことがあってね。それでこうなって、こう感じて。こうでこうでこうだったんだよ」みたいにしゃべったときに「それってこういうことだよね!」と要約する。

僕がいうには「その話にタイトルをつける」とよくいっているんですけれど、相手がまだ言語化できていなかった部分を言語化してあげる。「これってこういうことでしょ?」という。それでヒットすると「あー! そういうこと! それがいいたかったんだよ」となるので、これやってみてください。

もちろんはずすこともあります、それでね。ドーンといったら。はずしちゃったときは「ごめん、変なこといっちゃって。じゃあ、どういうこと?」と聞いてください。すぐ謝るまでがワンセットとしてやっていただくと、本当に相手の中に入っていかないと、これできないんですよ。ですからぜひ相手の中に入っていって「こういうことだよね」とタイトルをいう。やってみてください。

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