はじめまして!一般財団法人日本救護救急財団です!
noteでははじめまして!になります。
一般財団法人日本救護救急財団です。
私たちは財団法人という法人格ではありますが、2012年11月に医療国家資格である「救急救命士」の社会的利活用で救急医療の貢献すること目的に「社会起業」をした民間団体です。助成金や補助金で法人運営をしないで、救急救命士の社会的利活用することでどうにかか自力で活動していますが、利益を追求するのではなく、救急医療の維持と発展に寄与し社会問題の解決を最大の目的としていので、財団法人という法人格にしています。
当財団は2022年11月15日で創立10周年を迎えました。
ここまでに至る道のりの長さは一言では言い表せないのですが…
10年経って、救急救命士が社会で利活用されることで、持続可能な救急医療を実現できる!と声を出して言えるようになったように思います。
当財団だけではなく、救急救命士有資格者が様々な場で活躍されています!
2021年10月に救急救命士法が改正され、これまで医療機関に到着するまでの搬送途上に限られていた救急救命士の業務の場が、医療機関に到着後、傷病者が入院するまで間にまで拡大されました。これにより、医療機関の中においても、救急救命士としての業務(救急救命処置の実施)が可能となり、活躍場のが大きく広がっることになりました。
ただ、この法の改正の目的には、救急医療機関で働く医師等の過重労働・人手不足の軽減、救急医療機関の機能の強化・充実を図ることにあって、残念ながら、救急救命士が主体となっての法改正ではありません。
それ故に、これからまだまだ改正が必要ではありますが、確実に活躍の場は広がっています。まだ知名度が低く看護師さんとは何が違うの?と聞かれることは本当によくあることですが、消防救急隊で活躍する救急救命士が圧倒的多数の中でも少しずつ救急救命士の活躍の場が増えはじめたことは次世代の救急救命士にとって、職業の選択肢が広がったことになりますので、これはとても喜ばしいことだと考えています。
「職業選択の自由」があるということは本当に素晴らしいことなのです。
当財団の設立の経緯
1人の学生の「絶望」がきっかけに・・・
一般財団法人日本救護救急財団が設立されたのは、2012年。
当時、「救急救命士は消防職員以外で存在することには意味がない」と声を大にして言われていました。そんな時、救急救命士養成学校で救急救命士資格を取得したばかりの大学院生が未来への絶望を口にしました。
「私はこんな資格を取ったから不幸になった」と…。
そんな1人の女子大学院生の「絶望」からこの法人の設立に至りました。
「大人はみんなどうにかなると慰めるけど本当にどうかしようとしてくれる大人は誰もいない」と言われたことは昨日のことのように覚えています。
だから、行動する大人になろうと思ったのがこの法人の設立のきっかけとなりました。
職業選択ができない・・・
彼女に何故不幸に思うのかとその理由を尋ねると、「大学で救急救命士資格を取得する過程で自分には消防職に合っていないと思ってほかの職業を考えるも、消防以外に救急救命士資格を活かせる場がほとんどなく、そのために大学院へ進学したが、奨学金を返せる見込みもなく本当にどうすればいいかわからない。」と号泣しながら語りました。
当時は女性消防職員の数も少なく、数百万という学費をかけて救急救命士資格であっても、「消防」という大きな組織の中では救急業務はごく一部の業務にしかすぎないですから、救急業務に必ず就けるという確約は当然ながらありません。大企業と同じですが組織が大規模になればなるほど、自分が望んだ部署に配属されるとは限らないのと同じですね。
それに加えて、当時は、女性の救急隊が妊娠出産後に救急隊に復帰できる環境は整っておらず、先輩の女性救急救命士が救急隊復帰ができていないのを目の当たりにして、結婚も妊娠も望む女性にとってはそれが絶望に感じたのだと思います。
救急救命士の資格を生かしてずっと仕事をし続けたい女性にとっては、未来に大きな不安を抱えながら周囲の大人に相談しても、実際は消防という職業の経験者と大学教員という職業の経験者しかいないのが現状で「救急救命士という資格ではなく大卒として一般企業を受ければ?」と言われたことにも本当に絶望したようでした。
当時は消防以外に救命士は存在しても意味がないとまで言われるような状況でしたから、「救急救命士資格を得るために抱えた多額の奨学金を返せると思えなかった」と彼女は今もそういいます。
しかし、20代が絶望を感じてしまうような制度であるならば、そこには未来も発展も絶対にありません。どんなに憧れていた職業であっても、実際に働いてみたら自分には合わなかったということは、どんな職業にも起きることです。もちろん、女性に限らずです。誰にだってやってみたら合わなかったということもありますし、何よりも、社会経験を積んで、職務上で付けた知恵や経験でもっともっと活躍できるキャリアップできる環境はどんな職種にも必要なことです。
もし、救急救命士資格を得たら消防職員にならなくては意味がないという「職業選択の自由を阻む制度」だとするならばそもそも憲法違反になるはずです。厚生労働省から認可を得ている国家医療従事者として病院前救急医療や災害医療を専門に学んだ救急救命士が、消防救急隊で活躍する以外にも、様々な場所で活躍し始めることで、これからの超高齢化社会においても持続可能な救急医療の実現がなされるのではないかと考えています。
社会的に認められる存在になる
私たちは、救急救命士資格者の知識の維持・向上を図り、救急救命士の英知で持続可能な救急医療の実現することで社会貢献をしていくことを目的としています。様々な「場」を創り出して様々な方々に活用頂き、救急救命士がいることで、救急車の適切な利用に繋がったり、救急医療の適切利用に貢献したり、人手不足によって救急受け入れができない僻地での救急医療を維持させたり、「救急医療に貢献し続ける」という結果が、救急救命士にとっての未来への希望に変わっていくと信じて活動を続けています。もちろん、救急救命士法の現行法を遵守することは絶対条件だと思います。
どんなに法律がおかしいと思っても、どんなに医療的上位の立場の医師が指示したとしても、ダメなもんはダメです。
尤も、医療関連法だけではなく、様々な法律があっての社会的利活用ですから、すべて法律を遵守しながら社会での立場を証明してく必要があります。
違法的な活動でどうやって社会に認められていくのでしょう?
業界内部では違法性が堂々と認められていたり脱法的行為が見逃されることも多々あるようですが、私たち日本救護救急財団が目指すところは、救急救命士が社会的に必要とされる医療者として活躍していくとことにあります。
業界内ではなく社会に認められる存在になっていく必要があるのです。
病院前医療の専門家と言われる存在へ
私たちは令和5年4月で12期目を迎えました。
設立から10年を超えて「救命士さんが必要」と言ってくださるお取引先の方が増えました。先にも書きましたが「看護師さんとはどうちがうの?」と言われることがことのほうがまだまだ多いですが、集客施設やイベント救護の際には万が一という救急医療を想定しての救護業務であるはずで、救急救命士が絶対に譲ってはいけない専門的な知識を有する分野です。
また、応急手当やトリアージといった処置だけではなく、病院前の救急救命士と消防救急隊の救急救命士と搬送先の救急救命士との連携がうまく嚙み合えば、救急搬送・治療までの時間の大幅な短縮にもつながっていくと考えています。互いの事情を理解しあって共通言語を使う人たちの情報伝達は他の医療者との情報伝達よりも円滑であるべきだと考えています。
私たちも実際にイベントの場面でこれまで他の医療者の方が派遣されていた現場に入った際に主催者さんから「救護のレベルが違う!」をお褒めを頂き、それ以降は当財団が担当させていただくことになったのですが、処置のレベルというだけではなく、隊・チームで活動する医療者らしく、チームワークと情報伝達スキルのご評価を頂きました。主催者さんを含めて指揮命令に従って情報共有を図って円滑に傷病者対応をするというのは誰でもできることではなく、それができるのは専門家だからだと考えています。
療養上の世話という看護業務と病院前救護業務は全く異なる知識が必要ではありますが、まだまだ社会的には知られていませんので、病院前救護は救急救命士がやるべきことだと社会的に認知してもらうように立証し続けていく必要があると考えています。
教育格差をなくすために…
当財団は、救急救命士の有資格者が社会的に利活用されることを目指し、救急救命士の自律を促し救急救命士を中心にした継続教育の一環として、専門医を講師に招いたオンラインセミナーの企画・配信しています。
当財団は会員制をとっており、救急救命士の個人会員の世代別は20代~30代の若い世代が70%、指導的立場になる40代が20%、50代以上10%で約800名、団体所属会員を含めると約2000名を超えます。学校団体だけでなく、消防本部単位の団体加入も増加しており、救急救命士のみならず消防内で救急業務に携わる方々にも本研修をご受講いただいています。
当財団研修は、エビデンスに基づいた最新ガイドラインを学んだり、会員の皆様から日々の活動から出た疑問を解決すべくセミナーを企画しています。
また、資機材の使用方法や市民講習の話題にも使ってもらえるような救急車の歴史など、テキストや教科書では学べない非常にニッチな話題もセミナーとして企画しています。セミナーには会員限定で配信されるものも多くあり、会員は無料や優遇料金で受講することができる制度を取っています。
全国各地、どこにいても同じ教育が受けられる、高い質の情報が得られる環境はこれから先の救急医療の質の維持をするためには非常に重要だと考えています。何年も教えている内容が変わらない教育に疑問を持ち高い質の情報を望む若い世代が多いことは大きな希望でもあります。
日本は皆保険制度である以上、本来であれば医療の地域格差はあってはなりません。しかも、救急車は行政機関でしか運用されていませんから、地方自治体でかなりの格差があるのは本来はおかしな話なはずなのです、税金で賄われているのですから…。また、現実問題としては継続教育の質にもかなりの格差があるのが現状ではないでしょうか?地域の医師だのみになって、その医師がどこか違う地域に行ってしまったりしまうと教育の質が保てないような状況に陥ってしまう地域も少なくありません。
私たちはそのような問題の解決の方法の一つとして、当財団が主催する研修を活用して頂ければと考えています。
経験値を上げることの大切さ…
私たちは、これまで、救急救命士の社会的利活用の場として、東京スカイツリー救護室業務委託や東京ドームプロ野球巨人戦の観客救護等の集客施設の救護室業務委託をはじめ、テレビ番組や音楽ライブ・フェスのイベント救護、病院内救急救命士業務の構築、僻地病院の救急業務支援を通じて「救急救命士はもっと社会で活躍できる!」を立証するとともに、救急救命士資格者には研修、実習、研究という形でご参加していただき、救急救命士の技術・知識の維持向上に役立ててもらいたいと考えています。
今後、日本の社会が直面する深刻な高齢化と人口減少の問題に対しても、職業の垣根を越えた救急救命士有資格者の英知で持続可能な救急医療の実現を目標にしています。救急医療が必要にならないように予防策を講じていくのも救急救命士の大きな役割になると考えています。また、救急救命士がいるから思い切った興行企画ができる!と言ってもらえるようなイベント救護の在り方も追求していきたいと考えています。
病院前救護、プレホスピタルの「専門家」としてもっと社会に認知してもらえるよう、救急救命士の知恵と技術を用いて、社会問題の解決を図ってまいります。
心から願っていること・・・
消防職員の救急救命士、病院職員の救急救命士、自衛隊の救急救命士、民間企業の救急救命士・・・。救急救命士は同じ資格を持ちながら全く違う職業に就く医療従事者です。 これからの時代はいままでに存在しなかった職業に就く救急救命士も増えてくるはずだと確信しています。
だからこそ、職業の異なる救急救命士同士がお互いにリスペクトしあって、救命に繋げてほしいと心から願っています。
救急救命士が活躍することで、必ず救われる命があるはずです。あらゆる場で救急救命士が活動することで防ぎえた死がたくさん出てくるはずだと信じています。私たちは不本意ながらに急病や事故にあう人たちのために存在する医療者ではありますが、その不本意な出来事に対して最大限の努力で最小限に抑えて安心を与えられる存在になってきたいと願っています。
当財団は、職業の垣根を越えて、救急救命士がプロフェッショナルであり続けるための教育、情報、機会を提供し続けて参ります。