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千年鯨の旅日記 夏の日帰り旅 滋賀編
1.そうだ、滋賀に行こう!
京都の日帰り旅を終えてからしばらくした後、私は再び出かけると決めた。
次の旅先は滋賀県の石山寺。石山寺には現在放送されている大河ドラマ『光る君へ』のドラマ館があるのだ。
せっかくの機会だから行こうと決意し、猛暑の中電車に揺られて約2時間、なんとかたどり着いた。
2.滋賀県もとても暑かった
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その日も人の体温くらい暑かった。
滋賀県も京都府と同じく盆地である。夏は容赦なく暑くて、冬も容赦なく寒い。
歩くだけで汗が出る、サウナ状態の環境である。
石山駅にたどり着き、そこから京阪の方に乗り換える。
京阪石山坂本線の京阪石山駅から石山寺駅まで数十分、ゆったりとした列車に乗って自然たっぷりな風景を目の当たりにする。
石山寺には以前一度訪れたことがある。目の前には琵琶湖から注がれているであろう、瀬田川という大きな川が流れている。
静かで穏やかな川で見るだけで癒される風景だ。
駅から寺までは少しだけ距離がある。蝉の声がぐわんぐわんと鳴り響いていた。
汗を垂らしながらひたすら歩いているとようやく目的地にたどり着く。
石山寺は紫式部とご縁がある有名な寺であり、観光客もたくさんいた。
寺の前には飲食を楽しめるところがあり、賑やかである。
うなぎとかプリンとかおいしそうだなと思いながら目的地に入る。
さすが自然たっぷりの中にあるお寺さん、空気がおいしい。
心が浄化されそうなくらい素敵なところだ。
チケット売り場で大河ドラマ館と寺の分のチケットを購入した後、さっそく探索を始めた。
3.大河ドラマ館で裏話を堪能
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大河ドラマ館の楽しみといえば、ドラマの裏話や撮影秘話、実際に使われたものや台本、役者さんのサインなどだろう。
ドラマのファンなら見てみたいものがたくさん詰められている。
ますますドラマが好きになるほど、面白かった。
その後は大河ドラマ館の隣の建物に移動し、源氏物語を楽しめる展示を見る。
お香や物語に出てくる短歌を現代風に解釈した絵を見て、このような世界だったんだと改めて知った。
学生時代にあさきゆめみしという漫画で源氏物語に触れたのだが、再び読んでみたいと思うほど素敵だった。
4.参拝でひーひーはーはー
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大河ドラマ館を楽しんだ後は本堂にいざ参るってことにしたのだが、そこからが大変だった。
石山寺は名前の通り、山なので急な階段で上るのが大変。
ひーひーはーはーと頑張ってたどり着く。
本堂でお参りをした後には、さらにその上にある豊浄殿へ。
そこへの坂道も急な坂道だったので大変だった。
立って歩くなんてできないくらいの道を歩く。
豊浄殿は資料館みたいなところであり、源氏物語に関する展示物を眺めた。
帰りは坂道をゆっくりと下ったのだが、そこから瀬田川を見下ろす。
頑張って登ったからなのかすごくきれいに見える。
琵琶湖から注がれるたくさんの水と雄大な景色、それが石山寺の醍醐味だと思う。
すごく疲れたけれど、ここに来てよかったと感じた。
5.最後は瀬田川沿いを歩いてみる
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綺麗な川が目の前にあるのだから、せっかくなら歩いてみようと河原に足を踏み入れる。
広がる草原と遊歩道、川の流れは穏やかだ。
クソ熱いと思いながらも川と人々の生活の風景を楽しむ。
石山寺から瀬田唐橋を歩いていると京都の大学のボート部の部室を見かけた。
ほう、ここでボート部の活動をしているのかと気になる。
瀬田川のように大きくて穏やかな川ならボートをするのにちょうどよいところなのだろうと考察しながら、唐橋前駅へと進む。
古い建物があったりして、昔からこのようにゆったりと生活を営んでいたのだろうと想像できる。
私の知らない生活が旅先にあるのだ。
ここでどんな幸せと悲しみとあらゆるものがあるのだろう。
そういう想像をしながら家に帰ったのだった。