漫画家・つげ義春(1937-)氏の代表作の一つである『ねじ式』を初掲載した『月刊漫画ガロ』の昭和43年(1968年)の臨時増刊号「つげ義春特集」より。
消極的な傍観者(観察者)が、ひょんなことから事件に巻きこまれ「少しだけ当事者」になり、最後はもやっとした皮肉な結末を迎える、というのは、小説は読んだことないが映画は好きでよく観た「ハードボイルド」の典型例。
この号が初掲載の問題作?『ねじ式』は、この「つげ義春論」では対象外になっている。私は初めて読んだ時からとてもユニークで面白く大好きです。
私が初めて『ねじ式』という短編漫画と作者の「つげ義春」という名前を知ったのは、1980年代後半?に放送されたテレビ番組(確かTBS系列)で当時の人気歌手のチェッカーズが「オススメの漫画」として紹介していたから。『意味のよくわからない、すっごく変な漫画』と言ってた記憶。少年ジャンプのようなメジャーな漫画雑誌しか読んでいない自分が聞く初のマイナー漫画。
「昭和43年6月10日発行臨時増刊号」の昭和45年の〈再発行〉版?の表紙書影
目次
↑に収録の桜井昌一(辰巳ヨシヒロの実兄)氏の『つげ義春氏のプロフィル』(初出は「漫画主義」一号)によると、影のある?つげ氏は女性によくモテるらしい。つげ義春の漫画には経済的な〈貧苦〉はあっても〈非モテをこじらせたルサンチマン〉を一切感じさせないのは、そのためだったのかと納得した。
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