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近未来の〈アメリカの内戦〉を自虐的に笑う映画『セカンドインパクト』(1997)

◆『セカンドインパクト』(1997/米/TV映画) ■未DVD化■ ※HBO製作



原題「The Second Civil War」は「二回目の南北戦争」という意味らしい。
本作は〈アメリカの分断〉を皮肉り風刺(サタイア)したブラックコメディ
米国内の事情に詳しくないし、それほど面白くはないが、私的には△佳作。
↓私が7年前?にビデオで視聴した時に書いた今は記憶に無い「あらすじ」。

世界中からの難民受け入れが進み、人心と財政面で各州がパンク寸前の「近未来のアメリカ」。そこに、インドとパキスタンの間での戦争が起こり、パキスタンに核兵器が使用され、大量のパキスタンの孤児をアイダホ州が受け入れる事を連邦政府が決定。しかし、アイダホ州知事(不倫中)は政府の決定に反して孤児の受け入れを拒み、州境の封鎖を命じる……。視聴率至上主義のニュース番組の制作現場、メキシコ移民出身の女性TVリポーターと不倫しているアイダホ州知事の公邸、州兵と軍が一触即発の不穏な州境、PR会社のコンサルタント頼みな無能な大統領と選挙への影響だけが心配なホワイトハウス、を主な舞台とするブラックコメディ調群像劇。中国人でいっぱいのロードアイランド州、公式会見なのにスペイン語でしか話さないメキシコ系市長のロサンゼルス、インド人だらけの州など、各地で皆が「自民族の利益」を主張。『一部の金持ちと大企業、政治家が得するだけだ!』と叫びながら射殺される州兵。アラモ砦は燃やされ、自由の女神は破壊される……。


脚本は「クーデター」を描いた『パワープレイ』(78)で知られるカナダ人のマーティン・バーク、監督は『グレムリン』(84)のジョー・ダンテ。ジェームズ・コバーンが大統領のコンサルタント役。映像はチープ、最後は悲観的に終わる。映画の中のメディア批判?の台詞⇒『モーゼの時代にマスコミが存在してマスコミ対応が必須だったなら、モーゼもエジプトを出なかった


VHSビデオのジャケット写真

ジャケット写真のようなシリアスな映画ではなく、フザけながらもマジメ?なサタイア(風刺)映画。
https://jp.mercari.com/item/m18566621219
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■『セカンドインパクト』の日本と海外の評価


日本の評価


海外の評価

米国Amazonのカスタマーレビュー


■『セカンドインパクト』の関連作品(映画3本と漫画2作)


「ギャグ漫画家」として有名になる前の山上たつひこは生真面目な作風でシリアスな『光る風』(1970年)が有名。翌年の意欲的失敗作?『旅立て! ひらりん』(1971年)はサタイア(風刺劇)か。映画では『キャッチ22』と『アップルゲイツ』、漫画だと『気分はもう戦争』あたりが該当か。未読だが筒井康隆東海道戦争』、矢作俊彦あ・じゃ・ぱん』は予見的な風刺劇だろうか。
大友克洋AKIRA』と、映像化もされた未読のP・K・ディック『高い城の男』は、どちらも「歴史改変SF(ありえたかもしれない未来)」になるか。


◆『キャッチ22』(1970/米/Catch-22)  原作はジョセフ・ヘラーの小説

原作小説は未読。映画の個人的な評価は◯秀作。
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◆『アップルゲイツ』(1990/米) ■未DVD化■ 典型的米国人一家を風刺

映画と演劇書オンライン・ショップ CINEMA JAPAN
侵略者を撃退する最良の方法は「普通の米国人の生活(=猛毒)」というオチ。個人的評価△佳作。
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◆『パワープレイ』(1978/加+英)  監督/脚本:マーティン・バーク

個人的な評価は△佳作。マイナーな映画である本作を作家の橋本 治氏が評価していて少し驚いた。
https://k-plus.biz/archives/7745


◆原作:矢作俊彦+作画:大友克洋『気分はもう戦争』(1980-1981年)

個人的な評価は△佳作。原作者(矢作俊彦)と漫画家(大友克洋)の「良いところ取り」の相乗効果。
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◆山上たつひこ『旅立て! ひらりん』(1971年)  風刺というより不思議系!?

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