トップチャレンジリーグ初心者プチ観戦記〜マツダvsコカコーラ・キムタカくんデビュー戦〜
広島の空も青かったのだろうか。
雲一つない晴天の東京は、春のような暖かさに包まれていた。歩けば軽く汗をかきそうな陽気。
私の応援する
コカコーラレッドスパークス所属
キムタカ こと 木村貴大選手
は、マツダブルーズーマーズ戦のため本拠地福岡から広島に移動していた。
無観客試合 SPOLIVE での試合中継
この観戦アプリ、使い方が今ひとつわからない。私はこの慣れぬ映像越しにキムタカくんを応援することになった。
広島の空は薄曇りに見えた。
会場は道路が近いのだろうか。絶え間なく走行音が聞こえた。隣のグラウンドでは、野球の試合が行われているのだろうか。
14時kickoff、しかし家事に追われて前半30分過ぎからの観戦となった。
レッドスパークスがリードしていた。前半終了間際にトライ&CG、その後PGも決め
8-24
とブルーズーマーズを大きく突き放した。
先月まで大学ラグビーを見慣れた目に映るトップチャレンジリーグ。
それは全く別物のラグビーだった。
トップリーグの一つ下、といってもその力量は大学生とは桁違いだ。
スピーディーに鋭く回るパス ボールへの反応の早さ
殺す気なのか!と思うほど激しいタックル、その衝撃をものともせず、即立ち上がるタフなフィジカル
目まぐるしく攻守は入れ替わる。空いたスペースを素早く埋める対応力も、大学生の比ではない。
このハイレベルなスキルとパワーを維持しながら80分間プレイする、という現実。
キムタカくんは、所属が決まるまでの9ヶ月間、毎日厳しい練習を自らに課していた。
孤独な練習の日々が意味していたもの
私は、この日ようやく気づいたのだった。
後半が始まった。試合は膠着している。
後半20分過ぎ、だろうか。気がつくとSHの立つ位置に
大柄な背番号21の青年が立っていた。
キムタカくんだ!
こんなに大きな人だったのか!
私は、彼に直接会ったことはない。FLから転向して身長172センチ、と知ってはいたが、
SHは小柄
という固定概念があったせいだろう。スクラムの前に立つキムタカくんは驚く程逞しく見えた。
そうだ、彼はSHだったのだ。
常に試合の進行に絡み、SOと連携を取りながら試合を組み立てる。
彼は常に走って味方にボールを供給した。
速く強いパスが、近くに、遠くに投げられる。
このポジションが求められるのは、おそらく
視野の広さ
なのだろう。瞬時に敵味方の位置関係を確認してボールの受け手を決める、しかもその後の攻撃の組み立てを想定しながらの作業なのだから、なんとも気が休まらないポジションだ。
彼に交代してから、しばらくコカコーラにピンチが続く。左がガラ空き、あわやトライか、と思われたピンチはブルーズーマーズのスローフォワードで難を逃れた。
加入したばかりのチームで、連携のリズムを取りにくかったのか。
ただ、次第にレッドスパークスの攻撃はスムーズに運び出した。キムタカくんは強みを生かして自らボールを運ぶ。元FLの強靭な肉体が生かされた瞬間だった。
この攻撃を契機に、レッドスパークスは終了間際にトライを決めた。
そして、ノーサイドの笛
マツダブルーズーマーズvsコカコーラレッドスパークス 8-39
レッドスパークスは開幕戦に快勝した。
最後のトライ後に仲間とハイタッチをするキムタカくんは、ようやく自分のプレーに安堵した様に見えた。
39。係員が手で点数のボード『一の位』を9に付け替えていた。
電光掲示板はない、という現実。
トップリーグの一つ下のカテゴリー
この『一つ下』という『差』の大きさをこの時改めて知ることになった。
同時に私は気づいた。
キムタカくん本来の姿を、私は全然知らなかったのだ。
いつも明るく元気で優しい青年。
そのイメージばかりが先行していた。
彼は間違いなく
アスリート ラグビー選手 木村貴大
だったのだ。
改めて思う。
キムタカくんの目標 この長く険しい道程の先にある
W杯2023フランス大会。
桜のジャージに腕を通すための戦いは既に始まっている。
今日のプレイを彼はどう評価するのだろうか。
2021年2月13日
トップチャレンジリーグ2021開幕戦勝利。
フランスへの船出としては、まず上々だ。
キムタカさんそしてチームの皆さん、開幕戦おめでとう!そしてお疲れ様でした!
キムタカくんの未来🇫🇷への旅、折にふれて今後noteに綴っていこうと思います。
ささやかな激励として
フランスへの祈りとして
《キムタカ村住民 ちえ》