自分の名前の由来が魚だったはなし。
本名は「香」と言います
小学生の頃に担任の先生から出される宿題
「自分の名前の由来をお父さんお母さんに聞いてみましょう!」
あるあるですよね。私は小学校2年生くらいの時だった気がします。すでに知ってる子は、得意げに「わたしの名前はね〜」と話し出している子もいました。
その宿題をだされるまで自分の名前の由来を聞いたことがなかったので、いったいどんな意味があるのか、お父さんお母さんたちのどんな熱い思い・希望があるのかと、少しウキウキしたのを覚えています。
なんだか少し照れ臭い気持ちもありながら、その日の晩ご飯の食卓で、父親に尋ねました。
「わたしの名前、なんで香にしたん?(照)」
( ◠‿◠ )
返ってきた答えは、耳を疑うものでした。
父「お前の名前はなぁ、、魚や!!!!」
???
父「お前の名前の由来は、鮎(アユ)からきたんや!」
???( ゚д゚)???
聞くところによると、私の名前は鮎からきてると。歌姫のあゆじゃないです。えぇ、ピチピチ川魚の鮎です。私の父親は釣りが趣味で、その頃は月に1.2度は船釣りにでたり、また鮎釣りにもよく出かけていました。というのも、おじいちゃんが名も知れた鮎釣り名人だったそうで、その影響で父親も釣りをしていたのだと思います。
「俺は鮎が1番すきなんや!中国語で鮎は【香魚】って書くんやぞ!!その香をとって、お前を『香』にしたんや!」
とっっっても得意げに、焼酎のお湯割りに入れた梅干しを箸で潰しながら説明してくれた父。
そして最後に一言、
「あとは1文字が簡単でええやろ!テストで名前もはよ書ける!!!」
本当にこう言いました。簡単でええやろ!テストで名前もはよ書ける!!!と。
お父さん、、、私の名前は魚で、そしてテストで名前を早く書けるようにですか??…嘘と言って
クラスメイトのアイカちゃんは「愛される子に育つように」と、つけてもらったと…トモノちゃんだってきっと「友」がついてるから友達に恵まれますようにとか…ユリちゃんだってきっと、、……
え、まって…わたしは…
「私の名前の由来はアユなんです。魚の鮎です。」
だなんて言えない!!涙
と、その時のわたしはとてもショッキングだったわけです。幸いなことに、翌日先生に当てられてみんなの前で披露することもなく、胸をほっと撫で下ろしたのでした。今思い出すとわらけます。
今では、香って名前も、この由来もわたしは大のお気に入りです。
なんかいいじゃないですか。親の大きな希望や夢を託されているわけでもなく、「簡単でええやろ」っていうあっさりさ。別に鮎釣り名人になってほしいわけでもなく、俺は鮎がすきなんだ!っていう、
もうそれ以上も以下もない理由。
なんかもう真っ直ぐで。笑
母親にかぎっては、「実はお母さん、【くるみ】ってつけたかってん!かわいいやろくるみちゃんって!でもあのお父さんやから、お母さんに名前つける権限なんてなくてさ!ちょっと変わった名前とかしたかってーん!まぁでもかおりはかおりやな!かおりでよかったと思うわ!ハッハッハ〜」なんて言われたりして。
なんかでも心地良くて。それくらいが。なんでもかんでも深い意味を持たせなくても別にいいと思うんです。なにかでなにかを測ろうとしなくてもいいと思うんです。
あの頃の私よ、心配しなくても大丈夫だぞ。立派なロマンチックな由来は聞けなかったけど、あなたはコテコテの大阪人の父母の少し癖のある愛情表現のもと、立派にスクスクとコテコテの大阪人として育ちますよ。あとになってわかるよ。
あとさ、その由来、
実はめちゃめちゃイケてるで。
釣り好きの目上のおじさまとのお酒の席で、この話をするとわりといいネタになるしな。まぁでも、その由来があるおかげで、旅先で鮎の塩焼きが並んでいるのをみると心の中で「(あ、仲間…わたしの…由来)」という気持ちになんとなく少〜しだけなります。いや、食べますけど。おいしいですよね。鮎。
あと、ダイレクトに「鮎子ちゃん」じゃなくて、そこは一応ひとひねりしてくれたんだなぁって思います。
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