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ドラマ『のだめカンタービレ』と2台ピアノのためのソナタ/モーツァルト

のだめカンタービレといえば約20年前に放送された人気ドラマ。主人公の、のだめと千秋先輩によるコメディ調の本作がクラシック音楽を身近に感じさせたという功績は大きい。中でも二人が出会った1話に登場する、2台ピアノの曲は印象的で覚えている人も多いのではないだろうか。

その名もモーツァルト作曲、2台ピアノのためのソナタである。彼が完成させた2台ピアノによる曲はこれが唯一という。当時25歳だったモーツァルトが優れたピアニストの友人と共演するために作られたと言われている。

第1楽章はキャッチーな冒頭のユニゾンから始まり、1stと2ndが息を合わせて軽妙に掛け合う。2台のピアノが絡み合うアンサンブルが特に素晴らしい。互いに競り合うように演奏される様子はまるで会話を楽しんでいるかのよう。

千秋先輩の師匠は「どんな素晴らしい舞台に立っても、身震いするほど感動する演奏ができるのは稀なことだ。もしそんな演奏ができたら、それは世界のマエストロと呼ばれるよりもずっと幸せなことかもしれない」という。千秋先輩はのだめとのデュオで初めて「身震い」を感じた。ここから二人の歪ながらも愛おしい信頼関係が結ばれる。

嬉しいことに、通っている音大で今度この曲を演奏する機会に恵まれた。私自身はもちろん、皆から愛される名曲だからこそ質の高い演奏をお届けできるようにしたい。このためにと頑張れる目標ができたので楽しみながら練習に励みたいと思う。

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