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お客さんはヘトヘトに疲れているのに、営業マンは速射砲のごとく一生懸命話しまくる!!というシーンがよくあります。横から見ていると「早く着座を勧めないとお客さんも聞いていられないよ」とすぐにわかるのですが、なぜか本人はそんな余裕がありません。

商談としては明らかに不利なのですが、こんな簡単なことを営業マンはできずに延々と話し続けるのです。このことがいかに問題なのかを探っていきましょう。

■ある覆面調査ではこうなった

本人の名誉のためにモザイクをかけておきます。トップの写真を見てほしいのですが彼はこの時入社2年目の住宅営業マン。この写真はビデオ映像からの切り抜きなのですが、実はこの撮影に彼は気づいていません。

この会社の社長とはもちろん打ち合わせ済みなのですが、彼と面識のない調査員に隠しカメラを持たせて接客をうけさせたものです。これは入店してから5分後のものですが、この部屋で25分間も立ちっぱなしで彼は話し続けたのです。

いくらいい話でも25分間も立ち話をやられたらたまりませんね。調査員は仕事ですから笑顔で彼の話を受け止めたのですが、普通であれば嫌気がさすところでしょう。

■自分の話したい事を話しがちなのが営業マン

結論はこうなりますね。営業マンは自分の会社のことを先に伝えたくて仕方がないのです。だから相手のことを考えず一方的に話こむわけです。私もコンサルティング先やセミナーではいつもこのことを指摘しますが、いざ現場に行くと難しいのでしょう。

下の写真は広島で行ったセミナー開始60分前のもの。この時のテーマは初回面談だったのですが、この一方的な営業トークの危険性を十二分に話しました。

終わったあとにある女性と話くをしたのですが「さっきの話ですが、私におその傾向があるんですよ(笑)ついつい伝えたくなっちゃうじゃないですか」と捲し立てるように言われました。

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■モザイク写真の彼はこうしてヒートアップした

モザイクの彼に戻りましょう。彼とお客さんとの会話の中でこんなやり取りがありました。

営業マン「弊社の断熱構造は職人による腕の差が出にくい特殊な吹付手法

     を採用しております」

調査員 「へ~ すごいですね」

営業マン「そうなんですよ!! そのうえ・・・」

後で調査員に聞いたのですが「説明に対してうなづくと輪をかけて勢いよく話を続けるんですよね(笑) この話はいつまで続くんだろうと頭が朦朧としてきました」とのこと。

訪問販売員に対しては冷たい態度を取れますが、住宅展示場はあくまで“見せてもらっている”のです。だから、営業マンが一生懸命話すことには、とりあえず付き合ってくれるのです。

営業マンは内心「よ~し、この人は俺の話に首を振りながら同意してくれているぞ! もっといくぞ! 俺の説明が嵌ったぜ!」と思うのですが、実際には逆。ドツボに嵌っているのはあなたです。

■一方的に話すのを防ぐ対応方法

私が新卒の時に当時の店長からこういわれました。

「今の接客は何だ? お前の顔がすっきりしている。お前がすっきりしてどうするんだよ。と言うことは、お客さんはさんざん話を一方的に聞かされて疲労困憊しているはずだぞ」

そこで思案した私の対処方法がこれ。

 私 「これが積水ハウスの断熱材なのですが、さらにご関心があれば模型

    もあります。ご覧になりますか?」

ご主人「模型? あ~ もういいです。断熱材の話はよく分かったので」

私はこの時開眼しました。自分の説明を本当に聞いているのかどうかを確認すればいいんだ・・・そのうえで関心を示せば引き続き説明し、おなかがいっぱいと言われれば次の話に移るべきなのです。

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■着座を勧める癖をつける

足掛け7年間にわたって通っている住宅会社があるのですが、この会社でも主に若手の営業マンが、着座できるテーブルの前で延々と話すシーンが頻発しました。

この現象が今ではほぼ起こらなくなってきました。何をしたと思いますか? 

答えは簡単。上司も総動員で彼らの接客をしっかり観察したのです。そして、着座せずに立ちっぱなしで話すのが明らかに長かった場合は「お前何やっているんだよ。着座を勧めないと」と注意をし続けたのです。

そしてしっかり誘導した営業には「お! いいね! あれでいいよ!」と褒めました。

これを1か月継続しただけで着座率は激増したのです。


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