言葉足らずで損しがちな人へ、レストランのクレームを少なくする話
占い鑑定をしていて、時々思うことがあります。
特に、責任感の強い真面目な男性に対して。
ああ、この人は今まですごく一生懸命にやってきたんだろうなあ……。
カードを見れば、それはすぐに分かります。
自分がやらなければ会社が回らない。
現場を知らない上司の命令と、部下からの反発との板挟み。
しかも「家族のために頑張っている」様子もひしひしと……。
それなのに
「あなたは仕事・仕事で家庭を顧みない!私だけがワンオペで家事育児なんてひどい!」
などと奥様から愛想を尽かされてしまったり。
本人にしてみれば、踏んだり蹴ったりというか、なんだか理不尽ですよね。
損をしているのは「言葉足らず」なせいもある
ただ、複雑に絡まっている状況をほどくには、「これで一発解決!」という魔法のような手立てはありません。
固まっている状況に1~2か所ヒビを入れて、そこから小さく崩していくしかないんですよね。
私の場合、ご相談への返答には大抵タロットを使い、一般論ではなく個々に最適解を探ってお伝えしています。
とはいえ、かなりのケースで共通して浮かび上がってくる問題点があります。
それは、ご本人が「言葉足らず」だということ。
真面目で一生懸命であればあるほど、責任感から一人で抱え込んでしまい、損な役回りを引き受けるハメになりがちです。
ただ、ズバリ直球でそれを指摘したとしても、人ってそうそう素直には受け入れられないものです。
みんな、「自分が損をしている」なんてことは分かってるんですよね。
それでも黙って一人で背負ってしまうし、手を抜くことは無責任に思えて、なかなか出来ないのです。
方向転換が難しい人には、例え話をヒントに
そんな時、私はよく、こんな例え話を持ち出します。
「あのね、レストランで料理の提供が遅れた時、クレームを少なくする方法って知ってますか?」
「隣のテーブルの方が注文が遅かったのに、自分より先に提供された」
「もうかれこれ〇〇分待ってるんだけど!」
そんなイライラからクレームに繋がるシーン……容易に想像がつきますよね。
では、サービス係のスタッフが、事前にこんな一言を伝えていたならどうでしょう?
「お客様、大変お待たせして申し訳ありません。只今グリルメニューが立て込んでおりまして、ご提供の順番が前後してしまっております。あと2~3組ほどでこちらのお料理がお出しできるかと思うのですが……」
伝えても伝えなくても、料理が提供される時間はどちらも変わりません。
でもこの一言があれば、落ち着いて待てるお客様は多くなり、クレームを言う人はだいぶ少なくなるのです。
人は「不透明なこと」に対して不安を抱きやすい
見出しの通り、人はよく分からないこと、不透明なことに対しては不安を抱きやすいものです。
そして不安な感情はとてもこじれやすく、だんだん怒りに変わってしまいやすいのです。
それなら、積極的に先手を打って、不安を少なくしてあげればいい。
状況さえ分かっていれば、料理の提供時間が遅くても、案外お客様は待ってくれるものです。
たとえばギクシャクしている上司や部下や奥様に、ほんの一言
「今、置かれている状況」を伝えてみたらどうなるでしょうか?
実際には、分からずやの上司や聞く耳持たない奥様など、一言伝えた程度では何の足しにもならないかもしれません。
でも、固く閉まったビンのフタも、少しずつ力を加えて行けばいつかは開くように、
八方塞がりの状況も、少しずつ小さな変化を起こして行けば、どこかに必ず風穴は開くものです。
自分自身が先に変わることで、変化のさざ波が化学反応を起こす
実は、状況が変化する時というのは、先に「自分自身が変わる」ことから始まります。
自分で自分に変化を起こしていくと、そのさざ波が少しずつ波及していって、周囲との化学反応が起きてくるのです。
真面目な男性ほど、自分のやり方を変えることが苦手な傾向がありますが、
今までそれをしていなかったのであれば、試してみる価値はあります。
ここで言う「自分のやり方を変える」とは、「言葉足らずな状態のままではなく、あえて一言伝えるようにする」という意味です。
ここで、私が直球で指摘をせずに、わざわざレストランの例え話を持ち出すのは、ご相談者の心に「小さなさざ波を起こす」ためのテクニックです。
面と向かって言われても、つい身構えて反論したくなるのが人の心というもの。
でも、例え話なら素直に聞けるし、もしもその話が心のどこかに響けば、自分の身に置き換えて考えることも出来ますよね。
小さなさざ波が、やがて大きな渦となり変化を起こしていく。
そのためのヒントとして、この記事が何かのご参考になれば幸いです。