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映画 ドクタケ忍者隊最強の軍師 感想文

1月13日に見てきました。
当記事にはネタバレが含まれます。ご容赦ください


事前知識

まず、『忍たま乱太郎』はアニメを見ていた時期がちゃんとあります。対象年齢の時期に。光GENJIの勇気100%がいっちゃんいいよなぁ!!とかいう厄介懐古発言をするくらいには思い入れがあります。映画みてから再びアニメを見始めていますが、どうしても『当時の画』が出てくる…女装でにこやかに微笑むもヒゲを剃り忘れてる山田先生とかさ…。己の「女装への癖」って忍たまなのではないか?そんなことないか…

また、朝日小学生新聞を購読しており、『落乱』こと『落第忍者乱太郎』を読んでいた時期もありました。確か摂津院雲黒斎が登場する回でした。歴代イチ朝ご飯食べながら読む漫画じゃない登場人物が出てくる回だったな…。いつ頃の何年時連載分なのか西暦確認したら間違いないタイミングでしたがちょっと遠い目をしました。ガハハ。
その際に、アニメとだいぶ絵が違っていてめちゃめちゃびっくりしたものの、こっちはこっちで好きだったのでどちらも接種していた時期があります。虫食いで数巻所持していた程度ですけども。

”落第”という辛辣な言葉がついているだけあって、原作はアニメよりももうちょっとシビアな背景も描かれたりするんだなぁ、くらいには思っていた気がする。今から全然原作買ってもいいくらいにシビアで好きなんだよな。

で、多分中高あたりでうっすら二次創作を触れたのか、原作拝読で見かけたのか、アニメで該当回を偶然見た、のかは全くわからないのですが
・そもそも当時から推しがきり丸だった
・きり丸が戦災孤児であることを知っていた
・家がない故に土井先生が世話をしており、同居しているのも知っていた
というところだけピンポイントで知っていました。

ので、今回の映画、告知内容的に確実に「大きなお友達もターゲットにしている」こと、そして己が知っている事前知識がピンポイントで致命傷になりそうなストーリーであること、がわかっていたので、沼の気配を感じ取り避けていました。
この記事のサムネイルにもつかいましたが、上記設定を知っていてこの画を見せられたら死を覚悟するんですよ、オタクは!!!!!!!!!!

映画感想

避けていたはずなのですが結局見たわけです。だって、あまりにも視認範囲で話題すぎた。沼だからって避けるのはもったいない。気になっているならば見なければいけない。

結論:良すぎた

オタクは究極の『良い』を浴びると語彙がなくなって感想がシンプルになるんですよね。

冗談はさておくんですが、この映画を見て改て『勇気100%』って忍たまの根幹のテーマソングなんだ、とこんなにも噛みしめることになるとは思いませんでした。これ見てから聞くたびに泣く身体になってしまったので、今アニメのOP見れなくて毎回飛ばしています。

がっかりして めそめそして どうしたんだい 太陽みたいに笑う きみはどこだい

勇気100% 歌詞

これは土井先生のことを知ってしまって抱え込んで落ち込んでしまってるきり丸でしょ?
きり丸は戦災孤児でもあるから結構他の1年と比べてもある意味強い子だと思っているんですよ。正確には強い、というより過酷な過去を抱いているという悲しい理由故簡単には揺るがないというか。そのきり丸が揺らいでしまうほどに居場所になっていた土井先生という存在の大きさ。
と、それに気づく乱太郎としんべヱだよ。

やりたいこと やったもん勝ち 青春なら つらいときはいつだって そばにいるから

勇気100% 歌詞

で、そのきり丸に真っ先に気づいた乱太郎・しんべヱ、そしてその話を聞いて自分たちも協力しよう、となった一年は組のみんなでしょ?
は組のみんなにとってももちろん担任だし(タソガレドキのみなさんの授業は普通にしんどいし)大事だから、土井先生には帰ってきてほしいという気持ちがあるとは思うけれど。
それを、自分たちは落ちこぼれだからとか先輩たちに任せようとか思わず(思って我慢出来ないのもまた落ちこぼれではあるんだけど)土井先生に返ってきてほしいというその気持を真っ先に優先してしまう。先輩たちに「こいつらの心意気に負けました」とまで言わせてしまう『やりたいことやったもん勝ち』感。
けれどその以上に落ち込んでしまっているきり丸に寄り添っている、が絶対にあの子達には前提としてあるんですよ。

夢はでかくなけりゃつまらないだろう 胸をたたいて冒険しよう
そうさ100%勇気 もうがんばるしかないさ この世界中の元気 抱きしめながら

勇気100% 歌詞

重複になるけれど、あくまでも一年は組って『落ちこぼれ』でしかないんだよな。だって大前提として『落第忍者』なわけで。だから、そんな忍たまたちが先輩たちが1ヶ月かけてもこなせていない土井先生を連れ戻す、という行為ことをしようとするのって、それこそ冒険だし無謀だし、夢みたいなことだと思ってしまうんですよね。けれどそこに怖気づかないところがあの子達の強みなんだろなぁ、と思ってしまう。頑張るしかないっていうやる気と、無邪気な元気さと、勇気と。

そうさ100%勇気 もうやりきるしかないさ ぼくたちが持てる輝き 永遠に忘れないでね

勇気100% 歌詞

忘れないでね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(全てにかかる)

そういうことです、本当に、本当に最後のこの歌ですべてを持ってかれた歌だった。この映画のために今回作られた歌ではないのに。
土井先生に向かっての「忘れないでね」であるんだろうと思ったけれど、かつてこの作品を触れたことのある全ての人たちへの『忘れないでね』かもしれないな、と思って勝手に自分に刺さってしまっているところもあります。
忘れないよ、忘れてなかったよ。

なんかもっと、上級生のここが、とか。戦闘シーンのここが、とか。あるんだとは思うんですけども、そのあたりは1回しか鑑賞していませんし、より詳しい人がいると思いますのでね…。

あえて上記以外で言うなら、稗田八方斎がもとに戻ったときに部下たちが「安心する」と発言したのが、ドクタケの皆さんの『人の良さ』だなぁ、と思っていました。稗田八方斎が「忍たまを斬れ」と言った時、確かにいつだって敵対側にいるキャラだけどもそんなに悪辣なこと言うキャラじゃなかったよ?!って本当に戸惑ったもの。

ANIZONE感想

https://open.spotify.com/show/6K5xIlszMAmrbveCk035T9

Spotifyで1月に忍たまを扱っているということで、こちらも楽しんで聞いていました。

4回聞いた中で一番印象に残ったことは「大人は予想が当たると退屈だが、子供は予想当たると嬉しい」という言葉だったかもしれない。
確かに、大人は予想外であるほど面白いと感じるのは確かで、予想通りであるほど「展開が見えて退屈」と言い出すし、反対にそれが続く作品は子供にとっては難しいとされがちだな、とは思います。
例えば、稗田八方斎がいつもと様子が違うことは、「予想外なこと」
例えば、大黄奈栗野木下穴太が歌につられて何でも教えてしまうのは「予想通りなこと」
これがいい塩梅でバランスよく配置されていた作品だったな、とこの言葉を聞きながら思っていました。
今回、あくまでも大人も子供も楽しめる作品、であって『大きなお友達のための』ものではない。あくまでも、いつも見てくれている子供に向けらえていて、でもその上で子供の頃見ていたおとなも楽しめる、という、本当にいいバランスを組まれたのだろうな…

あとは、井上和彦さんがおっしゃられていた、土井先生と天鬼の演じ分けとして監督に説明された内容の話、前述感想でも触れましたが「上級生がは組のみんなの心意気に負けたと発言するシーン」が好きという話も良かったです。

映画と関係なく作品に関するトークも良かった。そもそもだけど声優のラジオ番組が好きだった人種なのでこんなの一生最高なんだよな。

パンフ小説感想

劇場でパンフレットを買ったらびっくりするほど中身がなくて「こ、子供向け映画パンフ~~~!!!」とひっくり返ってしまったんですが、その発言を見かけたフォロワーから『豪華版がありますよ』と言われまして。まぁ、見事に完売だったんですけども、それを嘆いていたらまた別のフォロワーから『公式で通販している』と教えてもらい、2月に入って無事手に入れました。
持つべきものはフォロワーと公式通販。

とはいえ、キャストのインタビューについてはANIZONEでも聞いた内容だったので先にそちらを聞いていた身としてはこちらについては新しい発見はあまりなかったのですが。…いや、天鬼が乱きりしんに刀を向けたときに、乱太郎としんべヱは慌てるけどきり丸はじっとそれを見つめている、と井上和彦さんが言及されていたのがめちゃめちゃ記憶に残っているな、ちょっとそこ見返したいと思ったもの。体験してきた過去と土井先生への思いとが、やっぱり人一倍重いんだな、と思っていた。

スタッフの方のそれぞれの思い入れについても興味深く読みました。挿入歌とか、あとトレーラー画像の試行錯誤・添削、できていくまでの過程なんかも。何を意図して配置しているのか、差し伸べる腕の左右差、意味を込めて帰る色合い、普通にお絵かきの勉強なっちゃう話だったな…。

で、事前情報として『小説がいい』と聞いていたんですね。それが目当てだった、ともいいます。
話としては本編の前日譚の6年生達の話で、6年生達が5年生たちをどう思っているか、そして今回映画で出てきた卒業生2人をどう思っているか、を課題任務をこなした帰り道に話しながら忍術学園に帰るという内容で。正直に言うと上級生の顔と名前がぜんっっっっっぜん一致していないのでパンフのキャラクター一覧と小説行ったり来たりしながら読んでいたので話しが7割位しか読めていないんですが(自分が悪い)『落第忍者乱太郎』としての小説であるため、原作と同じで『忍者としての振る舞い』の描写が多いのがとても良かった…その上で『忍たま乱太郎』としての天丼ギャグの良さもあって…いつも口論すると天気が悪くなる二人の口論と曇っていく空模様、とかさ。

これを読んで改めて、映画の原作小説の方も読もうと思った次第です。

原作小説感想

ということで2月に入りパンフを見て、そのまま流れるように小説を買いました。
今読んでいる最中なので、読了したらまたここに追記したい気持です。
読了したうえで間に合うなら、めずらしくもう一度映画を見に行きたいな、と思っています。
(基本映画は1度しか見ないタイプで見返すとしても数年後記憶が薄くなってからという人種なので本当に珍しい行動)

読んだよ!!!!(2月3日読了)
読書感想文は短いですが別途noteをしたためましたのでそちらを見ていただけると嬉しいです
(映画感想文と読書感想文で記事の棲み分けを行っているため)

一部話題の字幕について

見に行って数日経った頃、具体的詳細で言えば13日に見に行って呟いたpostに対して応援上映の際の話題で引っ張り出された形で以下のつぶやきに本当に若干数ですが反応がありました。

これ自体に対して変な触られ方しなくて本当に良かった。自分は応援上映でヤジを飛ばしたお馬鹿さんと一緒にされたくはないので。

まず前提でお伝えすると自分は片耳難聴を持っています。が、日常会話では自己申告しなければ相手はそれに気づかないくらいに問題なく音は聞こえている、という意味では健常者です。
そのため、同じく『日本語字幕を必要としない人』宛に「おすすめしない」と言ったことをご理解いただけると嬉しいですが、チラ裏程度のボヤキなのでそこまで前置きなんてしてるわけもないこともご承知おきください。

なぜこれに触れるかというと「該当が字幕で笑いものにされている」という流れが応援上映の際に発生したのを観測していた(なぜなら変な時差を持って上記postに反応されたから)なんですけど。

少なくとも、私が笑ってしまった理由としては本当に単純なはなしで、お笑い芸人のひょっこりはんさんが出て来て引っ込むだけで「笑い」って起こせるじゃないですか。ただそれと同じなんですよね。あれがなんでおもろいって『そこにいる』のが『わかっている』上で『出てきて引っ込む』からおもろいんですよ。多分。
『聞こえている』から『流れているのがわかっている』のに『それをあえて文字でも説明された』からおもろくなってしまったんですね。しかも丁度べそべそなきはじめていたタイミングで。
健常者なのに聴覚障害者向けサービスの字幕を享受しておいて何様だ、と言われたらそれまでなのですが、足を運べる映画館で時間が合致する回が字幕しかなかったので、回避のしようがなかった、と言わせていただければと思います。

少なくとも私は、嘲笑・揶揄の意図では笑ってはいません。それでも笑えてしまったので「音を聞くことができて字幕を必要としないのなら敢えて選ぶ必要はない」という話でした。
とは言えこのつぶやきの一つ前に書いてたんですけど

こういう利点もありましたので、字幕、有用ではあった、本当に。名前がでてきても文字がわからないからピンとこないというのが全て解決するので…。
ただ、まるで推奨かのような発言になってしまったので、ある種一長一短ではあるよ、という気持ちもあり、先の「変な笑いでた」発言でバランスを取ろうと思ったわけですね。

さて、件の字幕に対して、応援上映で「その字幕は必要ない」と発言した者(がいたらしいですね、愚かしい)はまず大馬鹿者だと思います。が、かといってこの字幕に笑ってしまった人間全てに対して「聴覚障害者をバカにしている」と憤るのも申し訳ないけれど、また、バカだと思っています。人間感じ方は様々で、見に行く理由もそれぞれです。

健常者にもかかわらず字幕付きの上映を見て、笑ってしまった一人として、なんとなくの弁明をしたく、蛇足のような追記をしました。

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