![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90418405/rectangle_large_type_2_633b4c46e74675d01987e402f9cb3602.png?width=1200)
Photo by
bantya_teitoku
真夜中のうた
ああ
また眠れない
起きだして 窓の外を見ると 少しだけ欠けた
赤い月がある
南の空 星もたくさん出て
昇ってきたんだね きみたち
ひとつ星
フォーマルハウト。
まわりに 大きな星いないから きみは輝いてるね
火星もいるんだ。
フォーマルハウトのそば?
分かってるよ
分かってる。
どこかから 聞こえてくる声
ねえ
戦争は まだ終わらないの?
うん?
なあに?
いまも 遠い国で 戦争をしてる。
ぼくたちみたいに ママに絵本を読んで
もらうことも 抱かれることもないまま
お空に行ったぼうや
ママに抱かれても引き離されて 行ったよ
パパは もういないの
おいしいものなんて たべられない
もう
テレビでさえ流さない。
飽きたのかな。その裏で この平和を儲けにしようと
めぐらすおとなたち
そうして また なんでもないよに
日々 流れ
どうか 平和でいてほしいと 願いながら
夜が更ける
そうだよ
自然災害じゃないんだ
人間が起こすものなの
おじいちゃん おばあちゃん
ママ 黙ってたの?
なんて聞かれたら?。
風がない夜
時間が止まったように思えるのはなぜだろ?
聴こえて来たのは なんだろ
ああ それにしても
やさしいひとがいいね
やさしい時代に生きたい
真夜中に 眠れないで聴く風の子守歌は かすれてる
そっと吹き抜ける風
あなたも 同じ月を見てるだろうか
このしじまのなかで。
あなたの宇宙で。