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特に意味はない
ふと流れてきた
TOKYO HIGHWAY RADIO ミノさんの声
後に続く音はなにかを訴えるようで
インスタレーション現場での
躍動を電波で伝えきれないらしく 気になった
合間を縫って京都へ
それだけで
その選択で
なにかが変わってしまうことはある
なにか壊れていくはじまりがどれだけあるだろう
またなにか唐突に生まれてくることがある
曲-Cornelius QUANTUM GHOSTS
ブラックブーツのヒールで
網掛けスリットの足場ステージへ
おぼつかずよろめきながらバランスを保つ
360°音響はそこへ上がったものへ
中央に向かってくるシステムのようだ
針を刻むように 鼓動を打つように
連続音が全身を隈なく巡る
不規則に点滅する原色の光が眼をすり抜ける
ある一定の限界点に達したかのよう
音の圧縮とともに視界がOUTする
そこからは、
意識が次元を超過したような感覚が頸椎に走る
話題のインスタレーション、エネルギーを消化する創作物‥‥辟易していた ここに来るまで
10日前 真紅の紅葉
いままでこの眼に映してきた
“あか”が偽物であるかのように本物だった
一際、燃ゆる木
真っ赤な嘘のような一本
火の精霊がいたようだ
みなその炎に魅せられるように
立ち止まり声をあげカメラを向けた
「生きてる なんだかこわい」
不思議ではない
もののけがいる森 こんな風に祖霊を宿してる
ヒトはただみているだけ
創れはしない
感動と絶望
うつくしいもの
いきものの優雅を体感すると
自然と熱く溢れる
同時に、張り裂けそうになる
たいしたことはない
今夜 言葉ではわからない
微かな火が灯り
あの〝あか〟が躰にいる気がした
きっと変わらず たいしてなにもできない
すべては錯覚で創れはしない
それでも世界には消化できないものを
この時に存在させようとするヒトがいる
そこに居合わせ 波打つ点々がある
それだけで終末には十分じゃないか
ECHOしてる だれかが囁く
いつぶりだろう
酒屋でワインを選んでもらい家路につく
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