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ああ、哀愁のダイエット。#1_太りに気付いた日

ダイエット。
自分とは一生縁が無いことだと思っていた。
幼少期よりずっと瘦せ型で、小学校から勤め先の健康診断まで、常に痩せ過ぎ注意の警告をされ続けてきた。
筋骨隆々という訳ではなく単に痩せており、棒や針に形容されることも度々あった。
大学時代は自身のヒョロっとした体型を「男らしくない」と感じ、無理やり太ろうとしたが駄目だった。
体脂肪率は常に10%以下で、30代になってもそれは変わらなかった。

それが今、ダイエットに取り組まざるを得ない状況になっている。
原因は2度の自転車事故(自爆)だ。
そのせいで活動量が極端に減り、体重が純脂肪分で7kg増えた。
会社の健康診断では腹囲測定で担当の看護師から
「腹部は去年+8㎝です。順調に育っていますね ♪ 」と揶揄された。

でも、一番太ったと実感させられたのは衣替えの時だった。
何の気なしに夏物のスラックスを履いたら、入らない。。。
慌てて他のスラックスも試すと、去年の夏物の半分は履けなくなっていた。
サイズアウト、そう人生初のサイズアウトだ。
まさか自分が、、、、と冷や汗が出た。

30歳になった頃、同世代の同僚達の多くが太ってきていた。
ベルトの上に辞書のような厚みの腹肉が乗り、スーツを買い替える友人も多くなっていた。
それを見て「お前、ずいぶんと膨らんだな~」などと軽口を叩いていたが、
内心は「こうなったらオッサンまっしぐらだな」と思い、
こっそりと反面教師にしていた。
だからこそ、自分の身にサイズアウトが訪れたことが信じられず、
愕然とした。

とにもかくにも自身の現状を知るべく体組成計を購入した。
市販されている中で最も正確な物を買おうと調べたが、結局はどれも大差ないことが分かったので、寄らば大樹の陰で老舗のタニタの物を買った。

恐る恐る体組成を測ると、体脂肪率は、、、、15%、、、、、
「ぇぇえあぁっ」と声が漏れた。
本投稿をご覧の方は「なんだ普通ではないか。むしろちょっと低いだろう」と思われる方も多いかもしれない。
しかし、自分にとっては大きな問題であった。
なぜなら、増えた肉のほとんど全てと思えるものが胴回りに集中していたからだ。
痩せ型が一気に太ったせいなのか。私の体質のせいなのかは分からないが、とにかく腹部に集中していた。
これが、何というか、格好悪い。

風呂に入るとき鏡を見ると、腹が出ていることが分かる。
全体的に太れば恰幅が良いと言ってもらえることもあるだろうが、
痩せ型に腹部だけ肉が付くと、妖怪話に出てくる「餓鬼」のようだった。
私は背が高いので、それが余計に目立つ。
異世界転生ものであれば冒険者達から「トール餓鬼(背高餓鬼)」などと
名付けられただろう。

気付いてしまったらもう駄目だ。
風呂に入る度に腹部が気になってしまう。
自虐的に腹を叩くと脂肪が揺れ、それを見て落ち込む。

かくして、人生初のダイエットは幕を開けた。


#哀愁ダイエット


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