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日常が三割増しで光るからみんなも書こう!ペン止まる歌

今日も短歌シリーズ。

ペン先の止まった歌も、誰かのペンが止まる歌になる。もっといい言い回しがあるような気がするけど、ここでペンが止まったから世に出してみた一首。今回は解釈控えめで、皆様に委ねます。

日常が三割増しで光る

さっき図書館に行ってきたんですけど、そこでのエピソードを紹介します。入り口にカメラ検温(あれなんていう機械なんだろう?)が置いてあって、小さな子供を抱っこしたお母さんが膝を伸ばしたり曲げたりして認識を待っている様子がとても愛しかったのです。そして次の瞬間わたしの短歌脳は詩を詠んでしまいました。

検温のカメラを覗くときは皆 未来も過去も忘れて5歳

無の感情で、ただカメラと向き合っているあの時間、こういうのが現代には必要だよなぁ。カメラじゃなくてもいいけど、未来も過去も忘れて5歳になれるものが。

一人のお母さんの何気ない行動から、そういった思いを巡らせることができる短歌の世界。本当もう抜け出せません。

うどん屋にて

図書館に行く前に、ちょっと遅めのお昼ごはんを食べるためにうどん屋さんへ行きました。時刻は14時半、自分の他には後ろの席に赤ちゃん連れのファミリー。うどんを半分ほど食べた頃、赤ちゃんは大きな声で泣き始めました。相手のファミリーは他に自分しかいない店内で、一生懸命赤ちゃんをなだめます。いいのいいの、赤ちゃんは泣くのが仕事なんだから、そう心のなかでつぶやくものの、声には出せません。

ん・・・「赤ちゃんは泣くのが仕事なんだから」・・・ええリズムやな・・・短歌の上の句やん・・・!続き続き・・・

はっ!いけない。うどんを食べていても短歌脳は顔を出してきます。そして完成した雑な一首がこちら。

赤ちゃんは泣くのが仕事なんだから 壁のひまわりバッジを見つめて

これ、全然わけわかんないですよね。これはただただ見える情景を下の句にした短歌です。うどん屋で壁を見つめるカウンター席に座っていたのですが、そこにひまわり(※野原しんのすけの妹の、野原ひまわり)のバッジが飾られているのです。ぽつんと。短歌より、このお店の壁の方がわけわからない。これ、今日のお客さんのいたずらではないんですよ。何週間か前に来たときにもついてたから。

このお店に来て、この席に座った人にしかわからない情景。ヒマワリバッジを壁につけた人はまったくそんな狙いじゃなかったはずですが、赤ちゃんの鳴き声と妙にマッチして、素敵な空間ができあがっていました。わたしの頭の中に。

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