不妊治療中の嬉しかった言葉と嫌だった言葉»身近にいるあなたへ
もしも、家族や身近な人が不妊治療を受けていて、自分自身は経験がなかったら。
きっと、何と声をかけたら良いか分からないのではないでしょうか?
今回は、時々思い出す不妊治療中の嬉しかった言葉と、嫌だった言葉を端的に紹介してみます。
もちろん個人差はあると思いますので、あくまでも一経験者の意見と受け止めて頂けたら幸いです。
嫌だった言葉①「もしかして妊娠した?」
感謝の気持ちで締めくくりたいので、まずは嫌だった言葉から。
「デキた?」は、最も遭遇頻度の高い言葉でした。デリケートな話題という認識があってか、同世代からはあまり言われませんでしたが、親世代以上からはしょっちゅうでした。
聞いている側としては、世間話程度だったり、単なる情報収集だったりするのかもしれません。
が、不妊治療中の身からすると、「違います」と答えなければならない切なさ、触れてほしくない懐を暴こうとされるような不快感、容姿に対する劣等感(率直に「お腹が出てたから」と言ってきた人もいて悲しくなりました……)のトリプルパンチをくらう質問です。
安定期に入れば、本人から妊娠を報告することのほうが多いはず。
気になる気持ちはグッとこらえて、どうしても理由があって聞くときは、「人事の問題があるから聞くんだけど」のように前置きして頂けると、こちらも事務的に答えられて良いです。
嫌だった言葉②「お金が足りないなら援助するよ」
援助の申し出なんて、親切なのに何故?と思われるかもしれません。
これは、不妊治療を始めて一年以上が過ぎた頃、実父母から言われた言葉です。
もちろん私のために申し出てくれたのだろうと理解しています。
が、嬉しくはありませんでした。
すんなり妊娠できる人も沢山いるのに、私は親にそんな心配をかけてしまって申し訳ない。
お金だけで解決できる問題じゃないから困ってるのに!
援助もするから頑張れってこと?私に休むとか諦める選択肢は無いの?
そんな風に、悲しみや怒りや絶望、色々な感情が沸き起こってきてしまったのです。
何より、素直に感謝できない自分が、より一層嫌になりました。
金銭面は特に人それぞれで、援助が助かる方もいるでしょう。そもそもケチをつけること自体が厚かましいのは承知の上。
ただ、私の場合は、金銭よりメンタルのほうに寄り添ってほしかったです。
話を聞いて、お金の問題で治療が進められないことを本人が苦にしているなら、援助する。
もし私が親の立場で同じ状況になったら、そんな順番にしたいです。
嬉しかった言葉①「逆の立場なら責めたりしないでしょ?」
職場の上司との面談で、治療のため度々休んですみません、職場の皆さんにも迷惑をかけてしまって、と謝ったときに言われた言葉です。
「休んで責めるような人はいないから、大丈夫。人手の問題は気にしなくていい。自分の人生を優先しなさい」
そう付け加えてくれた上司には、感謝してもしきれません。
ちなみに当時は、諸事情で休職者が複数名出ており、職場はてんてこまいの状況でした。
上司も本来はやらなくていいような仕事を肩代わりしていて、明らかに疲れていました。
にも関わらず、この気遣い。
さらに、仮に自分が不妊治療を受ける人の同僚なら、という視点を示してくれたことで、罪悪感が少しだけ軽くなりました。
不妊治療に限らず、休みを取ったときにその間の仕事を請け負うのはお互い様だからです。
ありがとうの心は忘れずに、私も同僚が心置きなく休めるよう頑張ろうと前向きになれました。
嬉しかった言葉②「焦らなくて大丈夫」
行き詰まっていたとき、義母から掛けられて思わず泣きそうになった言葉です。
焦っても仕方ないことは分かっているけれど、あまりにも終わりが見えず、辛くて、早く開放されたくて、私はつい前のめりになってしまっていました。
通院以外にも、漢方を試してみたり、運動してみたり、ジンクスに頼ってみたり。
やればやるほど、成果が出なかったときの落胆も大きく、回数を経るごとにそれは重く積もっていたのです。
そんなとき、義母の言葉は優しく、積もった焦りを溶かしてくれました。
笑い飛ばすような感じではなく、そっとなだめるような言い方だったのも沁みて、有り難かったです。
おわりに
不妊治療を受けるまでは、言葉一つにこれほど敏感になるなんて、知りもしませんでした。
経験のない人に想像しろというのも、なかなか難しい気がしますので、私の経験談が多少なりとも参考になれば嬉しいです。
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