夏の読書感想文「誤作動する脳」
夏になると、本を読まないといけない。という気持ちになるのは、たぶん、私だけではないと思う。夏休みの宿題には、決まって読書感想文というのがあったから。ただし、課題図書には自分が読みたいという強い意志がなかったため、苦戦を強いられていた。
今回ご紹介する本との出会いは、本屋さんではなく、通勤中の電車の中で見たTwitterだった。レビー小体認知症を患っている、樋口直美さんがご自身に起こっていることをご自身で捉えて書かれている。その場で本を注文。この土日で読んだ。
一言でいうと、「スゴイ」
二言で言うと「なぜこんなに、強くなれるのか」
病になって、別の病気「うつ病」と診断され、薬が合わず苦しんだ中で、たどり着いた病名がレビー小体認知症。これだけでも、どんなにか絶望に苛まれた日々であったのではと察するにあまりある。
病気を解説した文章はたくさんある。仕事柄、病名をみて、どんな病気なのかは、そういう文章を読んで、知識として持つ。しかし、その症状が生活の中でどんなこととして展開されるのか、その困難を自分として、受け入れる事。そして、病気よりも、他者が自分をどうみるかへの恐怖心。そういう他者が触れにくい事が、細かくかかれていて、感謝して読んだ。
ご本人も書いているが、五感の異常は脳の異常であり、その最中では、自身では何が起こっているのかわかりづらい。こういう症状は、様々な脳の疾患に、共通する事も多々ある。だからこそ、樋口さんは、勇気を持って執筆された。
是非、多くの方に読んでいただきたい本である。