いらいらしやすい気滞タイプに気のめぐり~鯵の南蛮漬け~
前回は、エネルギー不足(気虚)のお話でした。
今回は、気が滞る「気滞(きたい)」体質です。
私たちの体には「気・血・水(き・けつ・すい)」の3つの成分があります。気血水がたっぷりとバランスよく体を巡っている状態が健康な状態です。
そしてこの気血水は、「不足している」か「滞っている」かで、その人の体質を読み解くことができます。
気が不足している場合(気虚)は、不足している分を食材などで補い、気が滞っている場合(気滞)は、めぐらせることが大切です。そうして偏ったバランスをまんなかに戻してあげます。
気滞タイプの人には、こんなサインがあります。
□いらいらしやすい
□鬱々とした気分になりやすい
□ためいきをよくつく
□便秘と下痢を繰り返す
□胸、脇腹に張った感じがある
□いつも忙しく気を張った状態でいる
□喉のつかえ・つまった感じがある
□しゃっくりやげっぷがよくでる
□生理周期がみだれやすい
こんなサインがあったら、もしかしたら気滞かもしれません。
気滞タイプには、まず、香りのある食材がおすすめです。香りは気の巡りをよくしくれます。大葉、らっきょう、セロリ、パセリ、パクチー、あとは柑橘類、オレンジ、みかん、金柑、レモン、グレープフルーツなどもよいです。みかんの皮を乾燥させた「陳皮」は、理気(りき・気の巡りをよくする)の生薬として、漢方薬にも使われています。その他の理気食材は、玉ねぎ、そば、ジャスミンなどがあります。
また食材だけでなく、好きな香りのハーブティを飲んだり、アロマやお香を炊いたり、好きな香りの入浴剤を入れてお風呂でリラックスすることも、気滞タイプにおすすめの養生になります。
そして、気の巡りをよくして発散をするために、体を動かすこともおすすめです。滞った気は何よりも運動で巡らせることが一番効果的だと思います。体力があればジョギングをしたり、むずかしければ、ウォーキング、散歩でもいいと思います。
気滞タイプは、空気がパンパンに入った風船のようなイメージです。気が張っているので、胸や脇腹が張った感じになったり、ためいきやげっぷなどで、その張りすぎた気を外に出そうとしたりしているのです。なので気滞の人は、めぐらせる、発散させる、ふーっと息を大きく吐いてリラックスさせる、が大切になります。(だから、香りでめぐらせる、運動で発散させる、ゆったり湯船につかってリラックスするが、効果的なのです。)
そして女性の場合、生理前には気滞体質になりやすくなります。生理前にイライラする、胸が張る、便秘になるなどがある場合は、今日ご紹介した気滞の養生を取り入れると、少し楽になるかもしれません。
冒頭の写真は、豆鯵の南蛮漬け。
梅雨入りして、気温が下がったこともあり、体の冷えを感じたので、温性の食材を多めに入れて作りました。(温性…鯵、らっきょう、玉ねぎ、酢、生姜、にんにく)体の冷えに加えて、生理前で気の巡りの悪さ、いらいらを感じていたので、気の巡りをよくする食材を加えました(理気…らっきょう、玉ねぎ)
・鯵…おなかの冷え、食欲不振、疲労回復
・らっきょう…気の巡り、温め
・玉ねぎ…気の巡り、食欲不振
・にんじん…かすれ目、疲れ目
・酢…血の巡り、食欲不振
気滞の気配をなんとなく感じたら、よかったら参考にしていただけたら嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございます。