【読書記録】2022年12月

新年明けましておめでとうございます。新年一発目のnoteは2022年12月の読書記録です。


1冊目:中山七里『ヒポクラテスの誓い』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

浦和医大・法医学教室に「試用期間」として入った研修医の栂野真琴。彼女を出迎えたのは偏屈者の法医学の権威、光崎藤次郎教授と死体好きの外国人准教授・キャシーだった。凍死や事故死など、一見、事件性のない遺体を強引に解剖する光崎。「既往症のある遺体が出たら教えろ」と実は刑事に指示していたがその真意とは? 死者の声なき声を聴く、迫真の法医学ミステリー!

久しぶりの中山作品です。
10年くらい前は好きでよく読んでいました。こちらのシリーズは読んだことがなかったので手に取ってみました。

法医学研究室によく顔を出す刑事・古手川君は私が初めて読んだ中山作品の『切り裂きジャックの告白』にも出ていたので、ちょっと嬉しかったです。

この本は短編連作集ですが、最後にスルスルと繋がっていき真相へと辿り着くのが気持ちよかったです。これぞ中山作品の醍醐味だなと思いました。


2冊目:篠田直哉『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。~メモ少年~』

単行本で、あらすじはないので省略します。

こちらの本はTwitterで知り、気になったので購入しました。
著者である篠田さんのロバート愛を感じることができる1冊です。

推しに認知されるだけではなく、推しと一緒に仕事が出来る大人に成長した篠田さんは本当に凄い。
推しへの愛情が成せる技なんだろうと思います。

小中学生の頃に見ていたテレビ番組の話題もたくさん書かれていて、懐かしいなあと思いながら読みました。


3冊目:羽田圭介『Phantom』

あらすじ(単行本帯より引用)

外資系食料品メーカーの事務職として働く元地下アイドルの華美は、生活費を切り詰め株に投資することで、給与収入と同じ配当を生む分身の構築を目論んでいる。 恋人の直幸は「使わないお金は死んでいる」と華美を笑い、とある人物率いるオンラインコミュニティ活動にのめり込んでゆく。そのアップデートされた物々交換の世界は、マネーゲームに明け暮れる現代の金融システムを乗り越えゆくのだ、と。 やがて会員たちと集団生活を始めた直幸を取り戻すべく、華美は《分身》の力を使おうとするのだが……。

初めての羽田作品でした。思ったよりも読みやすく、あっという間に読了しました。

株取引に地下アイドル、オンラインサロン、コスプレ、新興宗教を彷彿とさせる集団生活……色んな要素が詰め込まれた作品でした。
どの界隈に身を投じても大なり小なり何かしらの闇にぶち当たる。自分にとって何が幸せなのか見極める力が必要なんだろうなあ……と思ったりしました。


4冊目:辻堂ゆめ『いなくなった私へ』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

人気絶頂のシンガーソングライター・上条梨乃はある朝、渋谷のゴミ捨て場で目を覚ます。昨夜からの記憶がなく、素顔をさらしているのに誰からも上条梨乃と認識されない状況に戸惑う。さらに街頭ビジョンには、上条梨乃が自殺したというニュースが流れており……。梨乃は自分を上条梨乃ろ認識できる青年・優斗らの力を借り、自らの死について調べだす。『このミス』大賞優秀賞受賞作!

辻堂作品は11月に読んだ『悪女の品格』以来、2冊目です。

文庫についている帯で様々な書評家の方からの絶賛するコメントが載っているので期待しすぎてしまったようです。
私はミステリーに非科学的要素が含まれる作品があまり好きではないので、この作品は合いませんでした。あらすじにファンタジーとか書かれていれば手に取らなかったかもしれません。

梨乃を殺した犯人の目星は序盤でついてしまうから、その部分についてのミステリー要素のパンチはあまり強くないんですよね。梨乃の死の真相よりも、優斗が何故梨乃を認識できたのかというのが最終的な謎になってしまい、それを解決するのも非科学的な要素であることが残念でした。


5冊目:河﨑秋子『絞め殺しの樹』

単行本なのであらすじは省略します。

直木賞候補になった作品です。北海道根室市を舞台にしているということで気になったので読みました。

舞台になった地方の空気感を知っているので、情景や住んでいる人々の表情、態度が想像に難くないのが少ししんどかったです。
暗く湿っぽい物語ですが読ませる力が強く、数時間で読了してしまいました。

終盤は雄介の視点になり、未来への期待があるように思えたのでよかったです。

この作品が2022年自分の中で「一番読んで良かった本」になりました。


6冊目:中山七里『ヒポクラテスの憂鬱』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

埼玉県警のホームページの掲示板に〈修正者コレクター〉を名乗る書き込みがあった。今後、県下で起きる自然死・事故死に企みがないかどうか見極めろという。同日のアイドルの転落死にも言及したため、県警の古手川と浦和医大法医学教室の助教・真琴は再捜査と遺体の解剖に臨んだ。結果、炙り出されたアイドルの秘密と司法解剖制度の脆弱さとは? シリーズ第二弾、待望の文庫化!

第二弾は古手川君と真琴先生の距離が少しずつ近づいている気がして、二人の距離感が好みでした。

もちろん一つ一つの事件も楽しく読みました。人間関係が自分好みだと物語がより楽しく感じられて良いです。

誓いよりも憂鬱の方がより面白かったです。次の『ヒポクラテスの試練』を読むのが楽しみです。


おわりに

2022年1月~12月までに読了できた冊数は62冊でした(うち、2冊はコミックエッセイ)。
目標は60冊だったので、ギリギリ超えました。

2023年の目標は70冊にしましたが、義務的に読んでもつまらないので2023年もマイペースに読んでいきます。

積読に東野圭吾のガリレオシリーズ10冊があるので、これに関しては2023年中のシリーズ読破を目指します。

ちなみに現時点の積読冊数はガリレオシリーズ含め31冊です。



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