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追記:生成AIの賛否両論と、TRPGでのAI立ち絵について私が思うこと
この記事は、以前投稿したnoteにいただいたコメントを踏まえて、さらに追記したものです。上記のリンクから元のnoteもぜひご覧ください。
文化庁の発表:生成AIと依拠性の問題について
最近の文化庁の発表を調べてみたら、生成AIを使う際に気をつけるべき重要なポイントがいくつか見えてきた。特に「依拠性」という概念がキーポイントとなるようだ。依拠性とは、AIが特定の既存の作品に依存しているかどうかを判断する基準で、例えば「〇〇風」といった特定のクリエイターの作風や絵柄を意図的に模倣する形でプロンプトを設定すると、依拠性が認められ、著作権侵害になる可能性があるとのこと。
これをわかりやすく言うと、AIに「鳥〇明風に描いて!」ってお願いしたら、鳥〇明の絵とそっくりな作品ができちゃう感じ。もちろん、AIは文句言わずにやってくれるけど、鳥〇明の作品にそっくりすぎると、後で「それってパクリじゃない?」と突っ込まれるリスクがある。これは、まるでコード進行を真似して別の曲を作るのと同じような感じ。音楽業界でも、特定のコード進行は広く使われているから、完全にオリジナルの曲を作るのは難しいけれど、あまりにも元の曲に似てしまうと「パクリ」と批判されることがある。たとえば、有名なヒット曲のコード進行を少し変えただけで、それを自分のオリジナルとして発表すると、「それは違うだろう」と感じる人も多い。
AIイラストでも同じような問題が起きることがある。AIが既存のアーティストの作風やスタイルを学習し、それを元に新しい作品を生成したとき、元の作品と似すぎていると「依拠性」が問われる。つまり、オリジナルの作品に対する尊重が欠けていると感じられるんだ。音楽でのコード進行問題と同じように、見た目やスタイルが少し違っていても、元の作品のエッセンスが強く残っていれば、パクリと言われかねないんだよね。
だから、元の作品への敬意を持ちながら、どこまでAIの生成物がオリジナルに近づいていいのか、その境界をしっかり考える必要があると思う。
また、AIで作ったものが全て著作物として認められるわけじゃないのもポイントになってくる。例えば、AIに「猫の絵を描いて」と言って作ってもらうだけでは、著作物にはならないらしい。だけどAIをうまく使って「この猫は夜空を見上げて、夢見るような表情をしてるんだ」という自分の感情や意図を表現する場合には、その作品が著作物として認められる可能性がある。
こうした状況を踏まえて、今後はAIを使う側のモラルや責任も試されることになる。法律がまだ完全に追いついていない中で、プロンプトの内容や、どの程度特定のアーティストに寄せるかといった点に注意を払いながら使用することが大切だと感じた。たとえるなら、AIは料理を手伝ってくれる万能なシェフだけど、レシピに似すぎた料理を出して「自分で作った」と言うと問題になる、みたいな感じ。
作者とファンの心を傷つけるAIの使い方
AIイラストに対するネガティブな感情が消えにくい理由の一つは、AI技術に対する不信感だ。AIは高度に進化しているけれど、その仕組みが十分に理解されていない部分も多い。特に「AIはブラックボックスだ」という感覚を持つ人も多く、AIがどのように学習し、生成しているかが透明化されていないことから、不信感が根強く残っている。AI技術が普及する中で、その使い方や学習プロセスをもっとオープンにし、透明性を高めることが、信頼を取り戻すための一歩になると感じる。
さらに、AIによる生成が引き起こす倫理やモラルの問題も大きな要因だ。特に、R18のコンテンツにおいて、AIが無断で特定のクリエイターの絵柄を利用してしまい、その結果、元のクリエイターが風評被害を受けるケースが報告されている。元々R18イラストを描いていないアーティストが、AIによってそうしたコンテンツを生成され、意図しない形で関与していると見なされてしまうと、本人にとって大きなダメージになる。こうした事件が積み重なることで、AIイラストに対するネガティブな感情はなかなか払拭されにくいんだと思う。
特に、そのアーティストのファンや作品を愛する人たちの心情を考えると、さらに問題は深刻になる。ファンにとって、特定のクリエイターの作品は単なるイラスト以上の存在だ。心から共感したり、感動したりする「大切なもの」であり、アーティストとその作品への尊敬や愛情が込められている。だからこそ、AIが無断でその作風を模倣し、しかもR18のようなセンシティブな形で使われてしまうと、ファンにとっては裏切りや冒涜のように感じられることもあるだろう。「あの作品がこんな風に使われるなんて」というショックや不快感が大きいのも無理はない。
こうしたファンの複雑な感情を考えると、AIユーザーとしても、クリエイターやそのファンが大切にしている作品に対して、十分な敬意を払う必要がある。AI技術が進化していく中で、モラルや倫理を守りつつ、どのように利用するかが重要だと感じた。
私がすべきこと:AIイラストの使用と責任について
AI技術の発展と共に、生成AIを使う際には、私たちがより一層モラルや責任を意識することが求められている。文化庁の発表からも明らかなように、特定のアーティストの作風や絵柄に寄せるプロンプトは、依拠性が認められる可能性があり、著作権侵害に繋がるリスクがある。また、AI技術がどのように学習し、生成しているかがまだ完全には理解されていないため、技術に対する不信感が根強いことも事実だ。
このような状況で、AIを使う側として私がすべきことは次の通りだ。
プロンプトを慎重に設定する
特定のクリエイターの作品にあまりにも寄せることなく、AIが新しい創造をサポートできるような使い方を心がける。これは、著作権侵害を避けるためだけでなく、オリジナリティを守るためにも重要だ。クリエイターやファンへの敬意を忘れない
特に、R18コンテンツのようなセンシティブな領域では、無断で他人の作品を利用してしまうことで、そのクリエイターやファンに深い傷を与える可能性があることを常に念頭に置く。ファンにとって、作品は単なる商品ではなく、大切な心の拠り所であり、それを尊重する姿勢が求められる。AIの学習データや生成プロセスの透明性を重視する
AI技術に対する不信感を少しでも和らげるためには、AIがどのようなデータを使って学習し、生成したのかが分かるような透明性が必要だ。これからは、可能な限り情報をオープンにし、AIがどのように機能しているのかを理解する努力も大事になってくる。
AIは強力なツールだけれど、その使い方次第で大きな問題も引き起こす。だからこそ、私はこれからもクリエイターやそのファンを尊重し、モラルを守りながらAIを使っていきたいと思う。