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ラグビー選手はなぜ『試合前』に泣いているのか?
はじめに
ラグビーのワールドカップ盛り上がっていますね!
私も高校、大学、社会人の12年間、ラグビーを真剣にやっていましたので、今回はラグビーに関しての『ある疑問』について書きたいと思います🏉
今回のラグビーワールドカップもスゴい試合ばかりで、興奮しながら観ています。
先日のイングランド戦も興奮して観戦しました。イングランド強かったですね〜😅
負けはしましたが、日本代表も強い!🌸
ところで日本代表キャプテン姫野選手が国歌斉唱時に泣いていたのに気づかれましたか?
ラグビー選手は試合前に感極まり泣くことが多いんです。
他のスポーツの試合前ではどうなんでしょうか?あまり見られないかと思います。(アメフトとかではあるのかな?)
友人に笑われたw試合前の涙
私も何回か、試合前にボロボロ泣いた経験があります(T_T)
『いやいやおかしいでしょ!結果も出てないのに何で試合前に泣くの?www』
と、友人から不思議そうに笑われたこともありますし(=_=)、疑問に思う方もいるかもしれません。
以前は自分でもよく分かっていなかったので、
『いやいやそういうもんやねん!』
『気合い入ったら泣いてまうねん!』
としか言えませんでした(-.-;)
ラグビーを辞めて20年、もはや知らない反則まであるラグビーを詳しくは語れませんが、
試合前の選手の涙の理由、自分ではこう解釈してます↓
恐怖心による様々なホルモン分泌
まず、ラグビーは肉体的、精神的な負担が大きいスポーツで、とにかく頭から相手にブチ当たっていく覚悟が必要。
脳震盪や大ケガも多いため『ひょっとしたら死ぬかもな〜』という気持ちは私も持っていました。
なので他のスポーツに比べて恐怖心によるストレスは大きいほうだと思います。
危険なものを前にした人間は『逃げるか?闘うか?』という選択に迫られます。
狩りをしていた原始時代からDNAに受け継がれる『逃走・闘争反応』です。
脳の扁桃体という部分が興奮し、アドレナリン、ノルアドレナリンというホルモンを分泌させます。
交感神経を優位にし身体は興奮状態、心拍数をどんどん高め、全身に血液を行き渡らせ、全力で逃げるor闘うための準備をします。
ストレスはMAXになり、ストレスホルモンの『コルチゾール』も増え、相手が強く負けられない試合ほどこれらのホルモンは高まります。
原始時代では獲物からの逃走or闘争での失敗は死を意味しますので、身体は必死。
さて、闘う覚悟が決まり、涙が出てくるとどうなるか。
『泣くこと』には、ストレスホルモンの『コルチゾール』の血中濃度を低下させる作用があり、
モルヒネよりも痛みを和らげるとも言われる『エンドルフィン』の分泌も増やします
(子供は泣いてエンドルフィンにより痛みを減らしている)。
また、気持ちを落ちつかせ脳を活発に働かせる『セロトニン』の分泌、
増えすぎると攻撃的になりすぎる『マンガン』を涙が排出する、
などの効果が知られています。
これらのことから、恐怖心と攻撃心で高まり過ぎたメンタルを(本能的に)落ちつかせているのではないでしょうか。
仲間を強烈に意識する
そして、これから一緒に身体をはる仲間の存在。
恐怖心の理由だけだと、格闘技やF1レースの前など危険な個人種目でも泣いてしまいそうなものですが、
私も格闘技ではどんなに恐怖心や気合が入っても泣いた経験が無いし、そんな話も聞きません(あんのかな?)。
ラグビーでは、目的を1つに一緒に苦しい練習を乗り越えた仲間と、1つになり命がけで恐怖に立ち向かう必要があるためか、試合前に強烈に『つながり』を感じます。
試合に出られないメンバーも含め、仲間たちに対する熱い気持ちが込み上げます。
ホルモン的に言うと『オキシトシン』という絆や信頼、感謝のホルモン。
この状況でオキシトシンが出ているかは正直分からないですが、
『恐怖心』と『仲間とのつながり感』の2つを強烈にあわせ持つことが、他のスポーツにはあまり見られない『試合前の涙』の原因だと解釈してます。
試合前の涙の効果
というわけで、試合前のラグビー選手の涙は、高まり過ぎてコントロールを失いかねないメンタルを落ちつかせるためにとても効果的なもので、不思議なものでも変なものでもなく、
とても良いものなのです!!
はるか昔、マンモスとの決戦を前に気合が入りすぎ、涙で石器を濡らしていたご先祖さまもおられたのだろうか、、、?
そんな妄想にも浸りながらワールドカップを楽しんでいます🍻
涙があるからこそ前に進める
涙には、リンパ球を活性させ免疫力を上げる効果まであります。
このように、ラグビー選手じゃなくても涙にはとても多くのメリットがあるのです。
インド独立運動の指導者、ガンディーは言った。
『束縛があるからこそ、私は飛べるのだ。
悲しみがあるからこそ、私は高く舞い上がれるのだ。
逆境があるからこそ、私は走れるのだ。
涙があるからこそ、私は前に進めるのだ。』
泣きたいときは泣く、涙そうそうでいいんじゃないでしょうか?👍
明日の早朝は、決勝ステージに向け絶対に負けられないサモア戦。
これまた恐ろしい野獣のような選手ばかりですが、
試合前に泣いている選手をみたら、
『おっ、気合とリラックスがMIXされたいい精神状態になってるな!』と応援していただけたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m