恐怖の夕餉(?)カレーライス

カレー。
嫌いな人など、まず、いまい。わたしも好きだ。
どちらかと言えばライスより、パン。特にヤマザキのがいい。揚げてある奴ね。余り安売りしないけど。

実は高校時代。わたしはカレーライスにやられた。
真面目に言って、あわや流血・大惨事。「恐怖の夕餉(ゆうげ)」命名するのに値する。
記そう。

高3の夏。尾張旭にいた時分。
当時、亡父は横浜に単身赴任中で不在であった。亡母・わたし・妹(当時、中学生)が、つつましく一つ屋根の下で暮らしていた。社宅だ。

ある日の夕食。
=カレーライス。いただきますと手を合わせ、いつものように食べてゆく。なかなかの味であったと記憶する。
と、(ん?)。
瞬時に違和感。何かが当たる。何だろう?
口の中からゆっくりと、黄色いルーに塗れた違和感の元を取り出し、翌々見ると、何と刃先!
斜めに傾いた包丁の刃先が、鋭く光って出て来たのだ。1、2センチか?
(何、コレ?)理解した頃と同時に、
(しょえ~っ!)(ひぃ~ん!!)(怖いよぅ~っ!!!)
異なる3つの感情が出た。泣きながら直訴し、、、なぁ~んて、展開には及ばす、実に淡々。その部分だけを取り出し、再び本日の夕餉・カレーライスを食べ進めた。
我ながら冷静。冷静な対応でしたな。

亡母が、調理中にうっかり刃先を落としてしまったと言う。

怖い思い。心的外傷。
トラウマは、いつ我々に来るかも知れないし、いつ思い出すのかも分からない。10年後であろうが、5年も前であろうが、突然突如として来襲。
襲い掛けては心を揺さぶり、抉(えぐ)り出す。

が、好きな食べ物に関しては、多少があっても自然消滅。感情以前に、自然消滅するのではなかろうか?

元々、わたしが良く噛むのも良かった。良く脱穀しないと、子供の頃から、喉につかえてしょーがないのだ。

だから、パン。ライスより、カレーはパンを好むのか?食べ終わった後、お皿を洗うのが面倒臭いからだけだ。

<了>


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