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ふりふりでプリプリな原宿系アイドルから学んだこと

最近、ふりふり系衣装の原宿系アイドルが自分の中で異常に可愛い。
CUTIE STREETキューティーストリート(以下きゅーすと)、 FRUITS ZIPPERフルーツジッパーなど、「骨格ストレートが着たら事故」代名詞のような、ふわふわボリューミーな衣装のアイドルたち。

自分はアイドルというもの自体にそこまでハマったことがない。
オーディション番組で、きゅーすとのピンク担当の桜庭遥花さん(以下ぱるたん)を知ったことで原宿系への道が開けることになる。

番組でぱるたんを強く推していた訳ではなかったが、彼女の透明感のある歌声が好きで気になる練習生の一人であった。
番組終了後も密かに動向を追っていたから、デビューが決まったのを知って喜んでいた。オーディション番組を見ると、練習生それぞれの背景から入れ込んでしまうので、次世代のアイドルへの見識が広がる。

ただ、Xか何かでアイドルとなった彼女の宣材写真を見て、正直戸惑った。
最初は自分があまり好きにならないタイプのアイドルになってしまった、と思った。

ふりふりボリューミーで自分が着たら三倍くらい太って見えそう。
ゴスロリみたいなボリュームとフリルがたくさん付いている衣装は、自分を可愛いと思っている人しか着れない気がしていて、「ぶりっ子が悪」とされていたこども時代を過ごした身としてはアレルギーであった。

それもあって、ふりふりで可愛いアイドルというよりは、「自分を認めてくれない人はこっちから願い下げ」系の強さを感じるアイドルの方がわたしは共感できる。
もはやアイドルというよりはアーティストの方が表現として似合う気もするが、 BLACKPINKブラックピンクITZYイッチーLe Sserafimルセラフィム、ぱるたんの出ていたオーディション番組発のグループでいえば、IS:SUEイッシュ

ぱるたんだけでいえば、童顔で可愛らしいルックスなので、そのコンセプトをそのまま当てはめるのもちょっと違う気はするのだが、日本っぽい、ふりふり!プリプリ!キラキラ!プリキュア!系のアイドルというよりは、自然体・ピュアみたいなコンセプトの方が自分としては好みだった。

だからふりふりプリプリの衣装を纏った彼女をみた時、
「彼女は、きっと私からは遠い存在になってしまう。」
そんな気がした。


実際、そうはならなかった。
わたしをがっちりと引き留めたのは、Youtubeのアルゴリズムである。

一度ぱるたん見たさにきゅーすとのライブ映像を見たら、きゅーすとの諸々がYoutubeに表示されるようになってきて、いつの間にかそれを順繰りに見ている自分がいたのだ。

ぱるたんはもちろん可愛いんだけど、ミントグリーンもイエローも可愛い。
ブルーと紫の子の歌がうまい。品がある顔立ちで気になる。水色の子はぱるたんとはまた違う小動物系で癒されるし、レッドの子はももクロで行ったら百田夏菜子さんみたいに明るさを感じる。
みんな衣装も相まって(しかも似合う)もちろん一口に言ってしまえば「可愛い」んだけど、色々な「可愛い」を詰め込んだ感じで魅力的。
白には200色あるというように、「可愛い」にも種類がある。

あれ、わたし、こういう系のアイドルそんなにお気に召さないはずだったんだけどどうした?
もちろんパフォーマンスに熱量があってすごいとか、表情がころころ変わって見飽きないとか、生歌頑張っててすごい、しかも上手い、とか。
「実力がある」という側面はあれど、あれだけわたしの中でしっくりきていなかったフリフリでプリプリなアイドルが、今自分に響いている理由が分からなかった。

ぱるたんから入ったこともあって、きゅーすとのメンバーのお顔や性格が応援したくなってるだけなのかとしばらく思っていた。
しかし、紅白出場を逃したFRUITS ZIPPERが、泣きながらファンに挨拶している映像を見て、なんかわたしも一緒にうるうるしてしまって(大して知らないのに)、
『この感情はなんだ?』
という初恋のような疑問符を持ち出している。

きゅーすとでいっても、バズっているタイトル『かわいいだけじゃだめですか?』に対して、
「いや、だめだろ!」
という意地悪な反応をしてしまっていた自分なのに何故。

しばらく考えていたのだが、この新年の結論としては
彼女たちがアイドルに全力、「ぶりっ子」に全力だからかもしれないと思った。

わたしの中で、長く「ぶりっ子」は嫌われる対象だった。
自分の子どもの頃は、自分も周りも、自分を過剰に可愛く見せることはイタいことだとされていた。ふりふりな洋服や、短いスカート、口周りに手をやる仕草や、明るい声色。

大人になると、アイドルが「ぶりっ子」に該当することをやっていたにしても
「可愛いな」
「こういうキャラなんだな」
と素直に受け取れるようになったが、過去わたしがいた教室で今の原宿系アイドルが話題になっていたら。
今みたいな「可愛い」気分だけではいられなかったと思う。


昔嫌悪していた、「ぶりっ子」にぴったり当てはまるアイドルたち。

自分がそういうアイドルを好まなかったから、彼女たちを「なんか違うんだよね」とジャッジする側にいたから。
そういう感想をもつ人の気持ちがわかるし、それも意見の一つだと思う。(もちろん中傷は除いて)

そんな「ご意見」を振り払って、目の前の人に全力で歌って踊って感謝する原宿系アイドルの姿に、
「自分を認めてくれない人はこっちから願い下げ」という覚悟を見た気がした。

誰かからのNOを退けて、自分の信じるもの、自分を信じてくれる人を求めた方がいい。
そんな勇気が、あのふりふり衣装に詰まっている。

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