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雨が捕まっている

 674 文字

 突然の雨は大きな蕗の葉を傘にして、大きなコロボックル。
 茎の付け根から空が見える、雨が見える、茎を伝い持っている手はずぶ濡れ、蕗の葉に落ちる雨の音、不規則な雨の音、葉の端の音は小さく、葉脈の所も音が小さい、雨の足跡は蕗の葉をポコポコ凹ませて穴が空きそう。
 買って貰った傘が嬉しくて、雨を待ちわびた子供の頃、雨は中々降って来なかった。
 しびれを切らして良いお天気、傘さしてクルクル、風もないのに傘の風車。
 可愛いお花の模様がクルクル、速く回すと傘の虹になって、お日様の下、傘を見上げながらクルクル虹を楽しんだ。
 首が疲れて、回す手も疲れて、お日様の下、傘を閉じて雨は降らないかな~と遠くの空と山並みを見つめた。
 しっかり、くっきり見えている、抜ける様な青空と山並み、快晴、雲がチラホラ、物凄くガッカリ、風船の空気が抜けてペッタンコ。
 石に落ちてピチョ、鉄板に落ちてバンバン、水溜りに落ちてぴちょんぴちょん、可愛い音がする。
 春の雨は冷たい、蕗の葉はまだ小さいからコロボックルになれない、頭が冷たい肩が冷たい寒くてブルブル。
 夏の雨は遊びが沢山、雨宿りして巣の奥にいる蜘蛛にいたずら、細い草の茎でチョンチョン、イヤーナニーと丸くなって動かない、子供の私はしつこい、何時までもチョンチョン、蜘蛛さんお怒り遊ばして草の茎をバシッ、バシッと叩く、そして茎に噛みつき奥から出て来て前足上げて威嚇している。
 ごめんなさいm(_ _;)m退屈で蜘蛛さんに遊んで〜と、駄々をこねてしまいました。
     m(_ _;)m 
   ごめんなさいです。
 

 

 

#エッセイ

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