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ヌスビトハギ・どろぼう

 703文字

 グーグルではオオダイコンソウ、ヌスビトハギと言う地方もある、私は子供の頃から泥棒と言っていた。
 所変わると、又、違う呼び名があるのは楽しい。

 ある時チャットで、一つの野山の花に七種類の名前が付いていたのに驚いた、新しい発見、呼び名は方言もあり、盛り上がった事を思い返してニンマリ。

 この泥棒、少し触っただけでも衣服に付いて来る、疾駆八苦して衣服から取らなければならない。
 種の先端は鋭く鉤爪になっていて、取って捨てるのに結構な時間を使ってしまう。
 全部綺麗に取れたわ~と思い、ふと気づけば、見つけた~、まだくっついていた~と、ガッカリした事が思い出される。
 花びらはよ〜く見つめれば、濃い黄色で、まあるく可憐な花びら、二日程咲いて散って行く。
 野山の花達は、あの手この手で子孫を残してたくましく生きている。
 抜かれて捨てられてしまっても、人知れずひっそりと花を咲かせて、時折傍らを通り過ぎる者に、来た来た〜、シメシメ〜と、思っているかは分からないが、秋遅く毛糸の衣類になんぞ付いてしまったら最後、毛糸を引っ張らないと取れない、キャ~~キャ~~、セーターがボソボソ〜、何度泣いた事か。
 それでも憎らしくは思わない、邪魔者とも思わない、時折風に飛ばされてか?、キツネに取り憑いて来た種なのかはわからないけど、玄関前にニョッキリ育つ事がある。
 すかさず抜いて捨てている。
 そして今朝、停車して深呼吸、空を見て雲を見つめていた目の隅に👀黄色い物が写りこんだ。
 空を見つめたまま、黒目だけを黄色に移動、スクスク気持ち良さそうに、黄色の花を広げている泥棒にご対面、よ〜く見つめると可愛いわよ。
 
 
 
 

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