コブのある楢の木
オギャーと産まれた時は分からない、それから暫くも分からない。
兎に角物心ついた時には沢山の木々に囲まれて、這いずり回る虫たちを見ては泣き叫んでいた。
私の知らない物が動いている事が怖かった記憶がある、分からないから怖いのである、動く物が怖かった。
それはさて置き、木々に囲まれて成長した私は3年程前に見つけた楢の木には、沢山のコブが付いていた、この木は病気なんだわ可哀そうに、と思った。
でも病気にしては元気が良さそうだし、夏などは沢山の葉っぱを付けて風とサワサワお喋りして、秋にはどんぐりをいっぱい実らせて、紅葉もして、とても元気良く見える。
ある時コブがある種類の木という事を小耳にはさみ、病気でなくて本当に良かったと安心した。
いつかは写メしようと思い狙っていたが、コブを写すのは葉っぱがない冬しかない、あいにくの曇り空だったがコブが綺麗に撮れた。
我儘を言うならもう少し大きく撮りたかったが、スマホではこれで良しとするしかない。
今日も元気にコブも元気に、雪解けが始まった空気を吸い込み、野鳥やリス等と仲良くしているのを想像しながら、コブのある楢の木を後ろにして車に乗り帰ってきた。
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