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多様性が破壊する多様性/配慮の優しさを平和を殺す
「というわけで今年度から〇〇教に配慮した給食を出すことにします」
お偉いさんの鶴の一声でその宗教に配慮した給食が準備されることになった。
その宗教はある種の動物を食べることを禁じており、それに配慮した食事が求められた。
基本、教育の現場では宗教にかんして配慮すべきではないという意見もあった。
また食べられないものということならばアレルギー等の問題もあった。
が、その宗教を信仰する人はわずかな数だったが多様性への配慮の名目で強行された。
「我が学校は多様性に配慮し、尊重します。ぜひ、そういった教育を求める方々はいらしてください」
それによって入学者が殺到した。
が別の問題が生じた。
「我が宗教は◯◯を食べることを禁じている。配慮してもらいたい」
「我々はーーしか食べない。それ以外を出さないようにしてくれ」
「我が祖国では未成年者の教育に関する費用を払うことなどない。だから我々に費用を求めるのはおかしい。タダで受けさせろ」
「なぜ同じ教室に✖️✖️人がいるのだ? 彼らは邪教を信仰する異教徒だぞ? 異教徒と同じ空気を吸うことなどできない」
「神は我が〇〇のみ。それ以外の宗教を信じるものなど人ではない」
学校側は主張する人々に多様性の大切さを訴えかけた。
「みなさん、他の人のことを受け入れてください。人は皆違うのです。それを認め合って、皆でよりよく・・・」
「ではなぜ〇〇の食事のみ許したのですか?」
「それ以外の価値観はそれらよりも劣るのというのですか?」
「しかし、全てを叶えることは難しいのです」
集まった人は吐き捨てた。
「私を受け入れない多様性など知ったことか」