試展-白州模写 「アートキャンプ白州」とは何だったのか&田中泯「場踊り」のことなど 2022.10.29.SAT.- 2023.01.15.SUN. 市原湖畔美術館
展示の最後の方に原口さん、高山さん、榎倉さんのドローイング
3人のドローイングが展示されている。泣きそうになる。感慨深い空間に
「アートキャンプ白州」とは何だったのか
白州に関わった多くのメンバーも同じだと思うけれど、実にさまざまな体験と発見の連続を生み出した稀有な場だった。その後の制作姿勢の多くをここで経験した。自分としては、初めて野外展示、ボランティアを使っての現場制作。身体気象農場での共同生活にも似た滞在制作。初めの頃は白州・夏・フェスティバル、その後、アートキャンプ白州。規模は年を追って拡大してく中で、農場だけでは運営が手狭になってきたのを受け、美術は工作集団「風の又三郎」となって、自分達で交流基金に書類出して予算組みしたり、ボランティアも美術として招集したり、会期中、車を持っている作家は、会場の巡回タクシーをかって出たり、作品の標識手作りして打ち込んで回ったり、とにかく初めての経験の人が多く手探りで運営していた。空き家を借り受け、今でいうリフォーム、自分達で床の張り替えから、屋根の葺き替え、終わったと思ったら、屋根だけがっちりしたからなのか、台風の時に風で飛ばされて裏の養魚場に落下(一部が剥がれたとかいうのではなく、ほんとに治した屋根ごと形も変えずにまるっと養魚場の池に)補償でもめたりと、美術の実行委員会も大変で楽しかった。シャンブルダミとか、街の中に美術作品を設置する先例はあったとしても、美術家が直接地主と土地の借地契約を交わして、作品を設置する、設置し続けるといった前例は無かったように思う。全てに先駆的ですごい現場にいたのだと、あらためて。