【メンタルストーリー】自分に非があると思う人
できない自分が悪い
※ここに出てくる登場人物は架空の人物で、ストーリーも架空のものです。
日々社会でいろいろな人と関わると、辛いことや悲しいことがある。
咲は社会人1年目。入社して半年の新人だ。
入社して半年が経つのに、全然仕事に慣れた感じがしない。
大学も一緒だった同期は先輩ともランチに行ったりして、どんどん周りと仲良くなってる。
咲の憂うつ気分は一週間くらい続いていた。
仕事では上司に面倒をみてもらっていた。上司からはきつく怒られたことはないけど、なぜか仕事の報告をするときは、びくびくしていた。
ある日、咲は研修の報告書をつくることになった。
上司は半期に一度の決算が近づいているため、忙しそうに見えた。様子を窺いながら出来上がった報告書を早速上司に見せにいった。
咲「す、すみません、報告書できたんですが・・・見てもらっていいですか?」
上「わかりました。そこに置いておいて。」
30分後
上「この報告書、書き方が間違っています」
咲「え、すみません。やり直します。」
上「そもそも使っている書式が違っています。明日までにやり直せますか。」
咲「はい、すぐやり直します。」
普段はこういう報告書類はすぐに提出できるのに、今回は最初からやり直し。咲は上司からの信用を失ったのではないかと不安になった。
「書式が間違ってるっていってたけど、どこが違うんだろう…?あれ、さっき間違っているところ言ってたけど、テンパって忘れちゃった…」
「上司に聞きにいかなくちゃ」、と思うと気が重たくなる。
しばらくして、トイレに行ったら、咲は少し安心したのか、涙がぶわぁーっと出てきてしまった。
「どうしよう、こんなに泣いたら目が赤くなってしばらく戻れない。早く泣き止まないと。」
10分後
ようやく涙が止まり、咲は明日の提出期限の報告書に取り組むために仕事に戻っていった。
その日の帰宅後
「何であの時泣いてしまったんだろう。」
「仕事中泣くのはダメ。そもそも、先に細かく報告書の書き方について聞かなかったのがいけないんだ。勝手に判断してどんどん進めたから良くなかったのかな。」
とひとり反省会を始める。
咲は何か嫌なことや辛いことがあると、小さい頃からこうやって一人で反省会をしては思い悩んでいた。
本当に咲だけが原因なのか?
ここでもストーリーを中断して、心理士として状況は解説していきます。
咲は、上司とのやり取りの中で、「やり直し」をくらった原因が自分にあると考えてしまっています。
もちろん、報告書のすべてを完成させる前に確認を取っていたらここまでの大きなやり直しはなかったかもしれません。
でも、冷静に考えてみると、上司の側も咲に対して取り掛かりの前に確認事項はなかったか?
いつもと書式が違うとか、途中で見せてという指示があった方が良かったのかもしれません。
半年に1回の決算で大忙しだったせいか、指示が曖昧だったようです。
人よりも自分に非があると思う人
すべての悩みは人間関係という、心理学者のアドラーの言葉があるように、人は他人との関係性で生き、悩むと言ってもいいほどですね。
しかし、人よりもたくさん人み、そしてその悩みを自分のせいにしてしまう。
それによって、人間関係が普通よりももっと辛いと感じている人がいます。
何回かに分けて、様々な観点から咲ちゃんの人間関係のあり方について考えていきます。
どうしたらもっと楽に人と付き合えるのか?
楽に仕事できるのか?
私はもっと咲ちゃんには楽に生きていってほしいと思っています。(もちろん架空の人物ですが。)
咲ちゃんに性格が似ている人がいたら、何かヒントにしていただけたらと思います。
次回は咲ちゃんの過去に目を向けて、今の性格とどうかかわっているか考えていきたいと思います。