[24]真夏日に盛夏を懐かしむ
白砂に
影残して発つ
アゲハチョウ
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真夏日が続いている。
アスファルトは熱を帯びて今にも溶けそうだ。
帽子をかぶっても、
照り返しは防ぎようがない。
暑さと眩しさで気が遠くなりそうだ。
公園の木陰で一息つく。
日陰の暗さに目が慣れず、
残像で軽いめまいを覚える。
住宅街の小さな公園は桜の木陰に縁どられ、
中央の広場の土は白々と乾いて光を湛えている。
その誰もいない昼間の公園の真ん中に、
ひらひらと陽射しを反射しながら
遊ぶように降りてきたものがある。
それは地面に軽く触れ、
濃い影を落とした。
そしてまた遊ぶように飛び立っていった。
祭りは頂点に達したと、
永遠に続く祭りはないのだと、
人々に告げまわる使者のように。
アゲハチョウは去った。
私は白い地面の眩しさに目を細めながら、
彼女が落としていった影を見つめていた。
このめまいがしそうな陽射しも暑さも、
懐かしいもののように感じ始めていた。
夏の終わりが始まっていた。
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