[68]冬空の羊 三句
北風に肩を寄せ合うひつじ雲
雪を食み羊肥えたり冬青空
冬空やひつじの群れオモチャの家
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ふるさとの空は広いと思う。
海に近いせいだろうか。
山が遠いせいだろうか。
そんなことをぼんやり考えながら、
久しぶりに帰省した実家の窓から空を眺める。
時折強風になぶられて窓がビリビリと震える。
あぁ。
それとも、
この強い季節風のせいだろうか。
冬空を唸り声をあげて駆け回る強い西風は、
この地方の風物詩だ。
その西風に吹き払われて空は高く広い。
高く広い青空を背景に、
雪でよく肥え太った羊雲の白色が眩しい。
まるで空の牧場で、
黙々と寒さに耐える羊の群れのようだ。
その重く空低く寄り集まった羊たちの下には、
家々がオモチャのように肩を寄せ合っている。
今日は特に冷えるねと、
空をながめたまま
だれに言うでもなくつぶやくと、
雪雲が流れてきたねと、
洗濯物を畳みながら
だれに言うでもなく母がつぶやく。
台所でやかんが湯気をあげている。
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