孤独のおせちを楽しもう
noteにお住まいのみなさま、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。新年早々、おせちのお話をしたく存じます。どうぞお煎餅やおみかんのお供として読んでいただければ幸いです。🍘🍊
おせち、これに関しては賛否両論あるが、私は作るのがわりと好きな方である。それは、大学を卒業後に友人らとおせち作りをしていたのが大きく関与していると思う。
時を戻してコロナ禍前、大学の研究室の先輩後輩で集まって、年末に1日かけておせち作りに勤しんでいた。そこそこ料理ができる奴らの集まりなので、それぞれ分担を決めると各々が自分のレシピで作っていくというフリースタイル。
後輩ちゃんとおしゃべりしながら人参の飾り切りをしてるとあっという間に全部終わってしまうし、田作りくるみにする？ごまにするー？と相談したり、横にいる先輩に味見してもらったり。
黒豆や煮しめはお鍋にたっぷり煮るので美味しいし、かまぼこの飾り切りは個性が出て楽しい。どれも手作りなので甘さ控えめ、かつ色んな味つけになるのが面白かった。
作り終わったあとはみんなでお茶をしばきながらゲームしたりごろごろしたり、とんでもなく楽しかった。そう、おせち作りは私にとって団欒だったのだ。コロナ禍に入ってからは集まらなくなってしまい、今はそれぞれライフステージの変化や住む地域が離れてしまったが、あの数年の思い出はお婆ちゃんになっても忘れないと思う。
その楽しい思い出に引きずられて、一人で淋しくおせちを作りたくなかった。5〜6人で1日かけていたことを一人でやるなんて無理だろうと途方に暮れていた。
あれから5年の月日が流れ、孤独を振り切り重い腰を上げたのがつい数日前である。
おニューのお重です
お重探しはだいぶ前に終わらせていた。四角と梅型で迷いに迷い、蓋に刻印されたうさぎにトドメを刺されて購入した二段のお重。この子が日の目を見る時がきた。お正月である。
メニューは以下の通り計画を立てた。メモ。
今回の冬休み前半は旅行にかまけていたため、なんと31日の昼から開始である。今こうして書いていても笑えてきますね！
買い物は農協→イオンで済ませました。農協は小ぶりな蕪や椎茸、さといもなどが揃いやすいのでオススメです。
買い物をしてて思ったが、おせち作りは限られた時間と労力、そして費用の中で作るわけなので、コスト・タイムパフォーマンスを加味していかなければならない。頭使うな！！
それでは、31日昼寝をかましたせいで14時から始めた怠惰なおせち作り、開始です！
壱の重、三種の祝い肴
田作りはいつもの。くるみとごまダブルで仕上げた。
数の子は実家で塩抜きされたものをいただき、黒豆は農協にて298円で買えたのでパス。黒豆を一晩水に浸けて砂糖を少しずつ入れて煮る工程を298円で買った。というか、乾燥黒豆を1袋買ってもとうてい消費できないので……。
弍の重、伊達巻🐣
伊達巻、一番小さくて798円、普通サイズで1000円越え。一方、はんぺんは1枚98円。コスパのため手作りに転換した。
卵と調味料、はんぺんはちぎってブレンダーでガー。あとは卵焼き器で焼くだけ。本来は白身魚を蒸してすりこぎで卵白と合わせて…などという工程があるが、現代を生きる女なのでパス。
じっくり焼いて一巻きし、巻き簀で巻いたまま寝かしたらできあがり。
金柑の甘露煮
栗きんとんがない代わりに、金柑と金冠をかけて金運を上げる食材としてお迎えした。農協にて120円の金柑で金運を上げようとしている庶民です。
金柑に対して3分の1の砂糖で煮て、瓶詰めしておく。シロップもちゃんととっておく。あとでソーダ割りで飲むのが楽しみ。
参の重、まさかの魚介スルー
本来は海老の旨煮や鰤の焼き物をいれるべきですが、ちょっと洋風も取り入れたくて生ハムのクリームチーズ巻をチョイス。よく食べる人におせち何食べたい？と聞いたら実家ではハムが並んでいたとのことなので。
生ハムにマスタードや柚子胡椒を忍ばせて、QBBのクリームチーズを巻き付けて出来上がり。
菊かぶ🌼
包丁で菊の花に見立てて切り目を入れて、カンタン酢に漬けたらできあがり。簡単でありがてえ。こりゃ紅白なます作るより早いな。
ちなみになますとかの酢の物って、三の重という認識なのだが地域によっては二の重なのかしら。まあいっか。
与の重、煮しめ🥕
ひとりでひたすら作るにんじんの飾り切り、孤独の極み。具材はにんじん、椎茸、ごぼう、れんこん、こんにゃく、絹さやに見せかけたスナップえんどう。さといも買ったのに入れ忘れてしまって泣いた。
にしても煮しめが一番地味なくせに一番時間かかるの解せない。根菜が多いから下処理がけっこう手間なんだよな……。
それぞれ飾り切りを施すなどしてから、だし汁、砂糖、みりん、しょうゆの調味液につけて圧力鍋へ。れんこんとごぼうの下茹でしなくていいのめちゃ嬉しいな〜！！圧力鍋万歳🙌🙌
絹さやが350円で並んでて、思わず隣のスナップえんどう200円に手が伸びた。私の横にいたマダムも同じことしてた。問題ない、しっかりやれよ。
さて、ここまでが12月31日の年を越して、夜中の25時ごろの我が家の台所です。全くもって余裕がない。ちなみに昼からこの裏では、よく食べる人が洗車・ホイール修理・部屋の掃除・洗面所磨き・空気清浄機のフィルター清掃などをこなしている。おせちに全集中させていただきありがたい。
小休憩🐰
こんなに余裕がないのに、実家に数の子やいくらを貰いに(うさぎに会いに)行ったりしていた。12月で3歳になりました。来年もよろしくね、白さん🐇
みなさんお気づきだろうか、さきほど夜中の25時でしたが、まだお重に詰めていません。
なぜならそう、我が実家でもお重詰めは朝イチで行っていたからである。ということでおやすみなさい。
元旦の朝、完成㊗️
なんとか詰め終わりました。達成感がある。この達成感を味わうために昨日からせっせと台所でおせち作りに勤しんでいたのかな。
お互い毎年実家で出ていた豆きんとん
ハム＝食む なので食べるのに困らない(こじつけ)
クッキー缶のように最初からどこに何を入れるか計画していたわけではないので、行き当たりばったりで詰めていったけど、なんとか入ってよかった〜〜。一安心。
いただきます！
食卓をちょっとおめかしして、お重を広げる。お雑煮と数の子をセットしてできあがり！
愛知県、普段は赤味噌こってこて濃い味のくせに、正月だけおすましになるのわけわかめだな。
すましに焼いた角餅、菜葉、花かつお、あおさのり、柚子の皮。
全国のみなさん、お疲れ様でした
全国の台所を担う方々、お疲れ様でした〜〜！！三が日を過ぎて、お重に入りきらなかったタッパーのおせちも食べ切った今日この頃、備忘録としておせち作りの記録を残しました。
夜中までやったとはいえ完璧を目指していたわけではないので、作り終えてバタンキュー、なんてことになってないのは、うちの母のおかげかもしれない。実家のおせちといえば、買えるもんはお金で買って、朝イチでお雑煮作ってる横でちょちょっとお重に詰めるスタイルだ。大晦日に母が疲れ切っていたら、私はおせちを作ろうと思わなかっただろう。
多分これからも、自分を追い詰めるような作り方はしないと思う。
作る時は孤独だったけど、食べる時は楽しいものだな。そういえば私はもともと一人遊びが得意な方でしたしね。
頼れるものは市販品に手を伸ばし、これは自分で作りたい！というものだけ台所でがんばる。来年からもそんな感じで、ゆるりとハレの日の食卓を作っていこう。
では2025年書き初め、これにて！