俊英の指揮者が贈るワルツの世界~名曲全集185~一流のオーディエンスを目指して
3月25日、ミューザ川崎シンフォニーホールにて東京交響楽団の名曲全集185。このシリーズには、いつもいつも楽しませて貰っています。
今回はマカオ生まれのリオ,・クオクマンが指揮、ヴァイオリニストは金川真弓です。ごめんなさい、ご両人ともに、存じ上げない。
金川さんは、活躍の拠点が日本ではないようだし、リオさんは東響初登場とのこと、注目ですね。
前半はコルンゴルドのヴァイオリン協奏曲。コルンゴルドは、クラシック万年初心者の私には初めての作曲家。ナチスドイツからアメリカに逃れたユダヤ系の人で、ハリウッドの映画音楽で活躍されたと。戦争終結後に本来の音楽活動に戻って作曲した作品。
どうりで、音楽が視覚的です。迫害された中での映画音楽の制作だったかもしれないけど、無駄な経験じゃなかったらしいですね。広々としま第一楽章、キラキラした第二楽章、色とりどりにエネルギーを感じさせて終わる第三楽章。ハイテクニックと、色々な要素を取り入れていて飽きさせない。けれど、バラバにならないのはリオさんの纏める力かな?
後半は、R.シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」組曲、ラヴェルのラ・ヴァルス。
「ばらの騎士」は、盛りだくさんな宝石箱みたい。3時間のオペラ音楽をコンパクトに纏めたのだから当然こうなる。リズムからメロディから、メインの楽器から雰囲気から、表現から、次々と繰り出されてくるけど混乱しない。ワクワクが止まりませんでした。
ラヴェルは、ストーリーのある、これまた視覚的なワルツでした。暗闇の中から、むしろ不穏な空気の中から遠くに見えるダンスホール。そこでは着飾ってワルツを踊っているらしい。近づいて行くに従い、鮮明になって行くワルツ。そのきらびやかな世界に連れていって貰えました。
リオ・クオクマンは大きな動きをするけど洗練されててカッコいい。金川真弓は、女性らしい柔らかさと反する鋼の強さが両立してヴァイオリンを歌わせていました。なんだかヴァイオリンの弓が普通より長く見えたのは超絶技巧だからかしら?
個人的にはばらの騎士の中のワルツが一番好きでした。特に、“オックス男爵のワルツ”というのが、甘くてロマンチックで私好み。最後にオックス男爵がやり込められる場面の賑やかなワルツも、どことなくユーモアがある、明るいワルツで大好きになりました。
それにしても、永遠のクラシック初心者の私には今回も馴染みのない曲ばかりなのに、あっという間の2時間あまり。盛りだくさんで、楽しかったです。ニコ動にもあがってるらしいから、もう一度聞こうかしら?何しろ無料。生放送してましたし、後からも聞けます。スゴいと思ってます。
カーテンコールの時は席に座ったまま、目線の高さなら撮影許可されてます。これもスゴいと思ってます。東京交響楽団と、ハッシュタグをつけてFacebookやInstagram、Twitterにあげて下さいと。そうです。そう来なくては!
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