「空飛ぶ魚と日本刀」 辻下直美エッセイ
小さい頃海遊館に連れて行ってもらった。
世界最大級の水族館で、当時ジンベイザメが有名だった。
そこで1番気になったのは「エイ」だった。
水の中をふよふよ飛んでいるみたいに泳いで、
他の魚たちが仲間と集まってぐるぐる回って泳いでいるのも我感せず。
「水の中は楽しいだろう」と余裕の面持ちだ。
誰とも群れない、けれど存在感があって
ユニークなのに、気取らない。
お土産物屋で気に入った魚のぬいぐるみをひとつ買ってあげると言われて、エイのぬいぐるみを買ってもらった。
そのエイのぬいぐるみを見ると水の中を飛ぶ夢を見れた。
いつも机の上の木箱の上がエイの特等席で、大切にしていた。
子供の頃大好きだった宝物のひとつだ。
大人になって
「エイ革」という存在を知った。
エイ革はいろいろな呼ばれ方をしているよう。
■エイ革の呼び方
エイ革
スティングレー(stingray)
ガルーシャ(galuchat)
シャグリーン(shagreen)
鮫革(かつてエイ革がこう呼ばれていた)
染料で染めた後、顔料を載せて仕上げたエイ革は
ツヤツヤの光沢と丸い突起が特徴で、宝石のように仕上がる。
特にスターマークが凄く特徴的、
顔料で染めた後にスターマーク付近にポリッシュをかけて、スターマークが持つ本来の輝きを引き出すよう。
また宝石のような輝きが特徴で、古くからヨーロッパでは高級な家具、日本では高級な刀や武具に使われてきたみたいですね。
日本刀にエイ革!?
それは観賞用にさせていただきます!
私は水の中で空飛ぶエイが好きなので
エイ革を持つことはきっとないと思っていたけれど、日本刀に使われているなら持ったことありますね。
とても美しい刀だなと思っていたあれは大好きなエイだったんだ。
それなら空も海も切れるかな。
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