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映画「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」感想
※途中から自分の経験とネタバレを含みます。
そのタイミングは印をつけておきますので自己判断で読み進めてくださると嬉しいです。
映画「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」
公開初日に鑑賞。次の日の舞台挨拶ライブビューイングも含め3回鑑賞、心が動かされたのでXの140字では難しいと思い、初めてnoteを使ってみる。
Story
緑豊かな自然に囲まれた、とある小さな村。この村には、ある秘密があった。村の少年たちは18歳になると”人生で一度だけ魔法を使える”と知らされるのだ。その魔法を使えるのは20歳になるまでの2年間。この年に18歳を迎えたのは、アキト(八木勇征)、ハルヒ(井上祐貴)、ナツキ(櫻井海音)、ユキオ(椿泰我)の4人だけ。最初は信じられずに笑い飛ばす4人だったが、自身の父親たちもかつて魔法を使ったことを知り、その使い道を考えるための会議を開くなど真剣に魔法に向き合い始める。高校卒業を控え、それぞれの人生の岐路に立つ4人は一体何に魔法を使うのか?彼らの選択が、4人の人生を大きく動かすことに…。
まず。ただのファンタジーではない。ファンタジーやん!こんなことあるわけないやん!といえばそれまでなんだけどさ、
私はなんかこう、現実と切り離せなかったというか。もう、自分の経験と重ねながら、めっちゃ泣いた。
3回観たのに3回とも号泣した。
前半部分は正直いうとああこのまま皆楽しい魔法使ってめでたしめでたしかなあ〜と思いながらもオタクなのであーゆせちゃん(八木勇征)かわいいな〜地元の田舎感に似てていいな〜なんて呑気に見てたんだけど。
途中から点と点がだんだんと繋がっていって気づいたらエンドロールまで泣いてた。泣きすぎて帰ってから水分不足で頭痛くなった(?)
ちなみに今回の映画は朗読劇も知らず、30秒SPOTを見たくらいでの鑑賞。
事前の情報入れすぎると結末を想像しちゃいがちなので。
個人的にファンタジーはファンタジーとして割り切って観るのが入り込みやすいと思うんだよね。
ピュアな人ほどこの映画は刺さると思う。
心をまっさらにしてみてほしい、一旦、こんなん現実じゃ無理だよとかそういうのは一旦何もかも置いといてみてほしい。邪気な気持ちが入ると最後までそういう目線でしか見れなくなると思うので。これは初めてみる人にはアドバイス。
ここからちょっと話のネタバレ?あらすじ含みます。
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この映画にはアキト、ハルヒ、ナツキ、ユキオの4人の男の子が出てくるんだけど
ハルヒは生まれつき体が弱くて
輪の中に入れなかったハルヒをアキトが声をかけてくれたことがきっかけで4人で遊ぶようになって。途中で出てくる4人の子役もほんとうに、優しくておばさんうるっときちゃった。
18歳になって1回だけ魔法が使えるようになるんだけどどんな魔法を使う?って言うタイトル通りのお話、と思ってたけど奥が深くて色々と考えさせられた。
物語の中心となる4人の登場人物について
ハルヒはね、弱いのに、強いの。儚くて優しくて、あのハルヒだからこそ周りからもたくさん愛されたんだなと。自分がハルヒの立場だったら、完全に心を閉ざしていただろうから、アキトの存在が絶対的に大きい。この2人だけのシーンはやはり印象深い。井上くんが役作りで7kg落としたって言ってたけど俳優さんってさすがね。ほんとに。
ナツキの正直なところ、人間誰しも一度はそう考えるし、人間らしくてナツキが悪い子には思わなかったな。むしろ山場のシーンでは他の3人のことを考えてることが伝わってやっぱりいい子だった。
櫻井くんは恋リアの時から知っていたけど実際にお芝居しているところをちゃんと観たのは初めてで、こんなにも自然体で素敵な演技できる子なんだと感心した。
ユキオはお父さんとの話がメインなんだけど、あの噂がすぐ広まる感じ、村特有って感じする
田舎はね、なんでもすぐ広まるから(田舎出身のわたしの実体験)
唯一恋愛感情的要素が入ってるのがユキオなのもまた良い。
ツーバキバキはキスマイのツアーバックについてくれてたから知ってたけどお芝居のイメージなかったから印象変わったな。(つーばきばきよびでごめんな、ほんでジャニオタだったのもバレる)
アキト役八木勇征くんは言わずもがなわたしの推しなんだけど正直八木くん目当てで見た映画だったけど本当に見て良かったし八木くんがアキトでよかったと思った。
八木くんはピュアで感情豊かで共感力が高いと思う。学生時代の得意科目は国語で、人物の感情を理解するのが好きだったと昔の動画で語っていたが、まるで役として生きているかのようなそのお芝居に生かされているんじゃないかなと思う。
アキトの顔を思い出すと半分が泣き顔の印象なんだけど喜怒哀楽がはっきりとしていて、感情がこちらも揺れ動かされる。そんな子。
4人とも本当に欠けてはならなかったと思う、また登場人物にほとんど女性が絡んで来なかったのも、なんかよかった。なんか。
ここからは、結末のネタバレを含む、自分の実体験を話そうと思う。もう映画を観た人も、もしまだ観てない人にも何かしら刺さればいいなと思う。
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自分が体験した魔法みたいな日々
私は父、母、私、妹、妹の5人家族だった。
私には2個下の妹がいた。
いつもXのポストとかで出てくる妹は7個下の一番下の妹ね、実は三姉妹の長女。
よく長女っぽくないと言われるけど(?)
なぜ過去形かと言うと、私自身、5年前に真ん中の妹を病気で亡くしている。
ハルヒと同じ19歳だった、20歳を迎える前だった。
社会人以降に知り合った人にはしんみりした空気にさせたくないから特に言ってなかったし、学生時代からの深い付き合いの友達にしか言ってないんだけど。
だから、いつもきょうだいの話になった時、なんて答えればいいか分からなかった。
その後聞かれる時のことを考えた結果、ふたりきょうだいだよと答えた後も、なんとなく自分の中でモヤモヤしてた。
妹が最初からいなかったように自分がしてるみたいで。
4人がどんなキャラクターなのか事前情報全く入れずに挑んだものだから、ハルヒの展開に途中から胸がざわついて案の定涙が止まらなかった。
私の妹は生まれつきというより、ほんとうに急だった、いなくなる半年前まで一緒にキスマイのライブに行ったりしていたし、こんなことになるなんて、思ってもなかった。
当時わたしは大学3回生、就活解禁の時期で地元から離れていたため、あまり会うことができなかった。
でもすぐ治るものだと思っていた。
3月某日深夜、父親から一本の電話を受けた。
アキトと同じように頭の中はパニックだった。
明日のバイトとか就活とか、とにかくどうでもよくて。
終電もとっくに終わっている時間、訳もわからず家を飛び出してタクシー会社に電話をした。
片道2時間かかる病院まで深夜にタクシーを出してくれたタクシー会社、運転手さんには感謝している。
でも、間に合わなかった。
あまりにも突然で、受け入れられなかった。
あれから月日は経ち、日々の日常が当たり前になっていく中で、この映画と出会った。
大切なことを改めて感じたと同時に、どこかでずっと抱えていたものが和らいだ感覚を覚えた。
ナツキの山場のシーンでアキトがとあるセリフを言ってくれるのだが、私はナツキと一緒に、その言葉ですごく救われた気がした。
アキトのお父さんとのバーでのシーンでもあったが、
あの時こうしていればと思うことは今でもあるし、ハルヒや妹は幸せだったのか、自分はこれでいいのかとふとした時に考える。ナツキがその気持ちを代弁してくれた気もするし、アキトがその気持ちに寄り添ってくれた気がした。
だからハルヒが最後に紡いでくれた言葉を聞いたときは、涙が止まらなかった。ちょっとだけ、安心した、わからない、妹がどう思ってるかは今もわからないけど、。
妹が旅立った日の朝、病院から家までの帰り道、
空には、ずっと大きな鮮やかな虹が出ていた。
片道1時間、こんなことあるんだねと、当時病院や車内で家族と話したのを覚えている。
この映画を観ても、妹からの魔法だったのかもしれないと思う。
その後も、気分が落ちている時に虹を見つけることが度々あって。
もしかしたら、この現実世界にも、きっと魔法は存在するのかもしれない。
そんな実体験もあり、わたしにはどうもファンタジーだったねー!の一言では済ませられない何かを感じたし心が動かされた。
日々の不安や悲しみがあっても、小さな幸せに気付き、自分が生きている意味を考えながら過ごしていきたいと、心から思った。
4人がそれを、教えてくれた。改めて、気付かされた。ありがとう
FANTASTICSのボーカルとしても活躍している八木さんだが、デビュー前に同じグループのメンバーを病気で亡くしている。そんな彼だからこそ、表現できたものもきっとあると思う。
同じグループのメンバー中島颯太くんも普段泣く印象は全くないが、試写会後LINEで長文で熱く語り、めっちゃ泣いたと八木くんに伝えていたそう。
伝わる人にはきっと伝わる。
八木さんを知りFANTASTICSに出会えてこの映画に巡り合ったのもきっと何かの縁なんじゃないかと思う。
最後に
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
今年の3月は妹の5回忌です。
この時期にこの映画に出会えて良かった、アキトが八木くんで良かった。演じてくれたキャストの皆様にも感謝。
まだ上映してるので、誰かの映画を観るきっかけになってくれたらいいなと思ったり。もれなく可愛いアキト(八木勇征)のクリアファイルももらえるし!?
FANTASTICSの歌う主題歌「魔法みたいな日々」劇中歌「春舞う空に願うのは」もファンだからとかではなく純粋に好き。映画にマッチしてる。
この映画を観た後では歌詞の意味がより深く感じることができた。
春の兆しが見えるこの時期、この曲を聞きながら今日も空を見上げている。