たましいの水を半分ずつ入れてUVライトで硬化している

即詠連作です。おそらくTwitterにも載せます。

自己愛
つまらない嘘だ、と君が言ったとき困った(全部嘘だったから)
正しさとやるせなさとを天秤に乗せて2g正しさの負け
遠目から青いエリンジウムを見て驚いた まぶしくなさすぎて
許したいとは思わない世界から許されたいと思ってはいる
砂糖でできたからだにたましいを預け続けてしまってごめん
自己愛の延長として君が好き 浴室の湿気に溶けながら
遠雷がわたしの奥の湖に響いて日々の静けさを知る


crash,crash,crash,
引越しの翌朝、遮光カーテンの隙間からこぼれていた光
飛行機という飛行機が次々に墜落していく夢から覚めて
カレンダーない手帳ない書かないと覚えられないほど予定ない
われわれは自由なのです! 風呂トイレ別の長方形の天国
テレビある電気水道ある映画あるけど再生する機械ない
こんな町、って君が言うたび少し悲しくなってしまう日もある
ひとりってふたりにはならないんだな みたいなことを思う夕食


君に入水したい
遠ざかるかと思ったら近づいて、かと思ったら遠ざかる波
君という海に入水したいけど君はきれいなままいてほしい
夏用の抱き枕から今晩は肌寒くなることを教わる
できるだけ形骸化して死にたさをポップでラフでウィットなものへ
いつもそういつもきれいな君のこといつも汚してしまう頭で
たましいの水を半分ずつ入れてUVライトで硬化している
無意識ににきびに触れてしまう癖くらいのことをもっと知りたい


近況報告
 小説と短歌とエッセイが好きでした。書くのも読むのも。どの場面でもそう言っていました。最近はエッセイが苦手になりつつあります。書けないというよりは書きたくない、が近いです。紆余曲折は今は中略しておきます。まあ人生は長いのでそういうこともあります。
 どこにいっても一人ではない人間が羨ましいです。私もたましいの水を分け合いたい。
 ほうれん草にハマっています。あと納豆。このまま健康になるのか……?(酒缶の山)

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