橘 春
自選短歌などをまとめています。
似ッ非イは含みますが、日記はお気に入りのものしか含みません。
小説のまとめ。短いものが多いです。
紙の日記をつけることにした。日付と"今日よかったこと3つ"と書きたいことを自由に。十日ほど前からずっと風邪をひいていて、しんどくてなにもできない日が多いけど、それなりに毎日なにかしらよかったことはある。鹿肉がおいしかったとか、マカダミアホワイトラテ?がおいしかったとか。 できるだけ人には優しくありたい、というのはずっと思っていて、実際に自分は親切な人間だと思う。たとえ理由が強迫観念的なものだとしても、善行自体に変わりはないし。友達に偽善者と言われたときは確かに悲しかった
人の寝息が気になって眠れない。いらいらする。悲しい。どんどん眠気が遠のいていく。明日は朝から恋人に渡すお弁当をつくって、昼前に大学へ行き、授業を受けて、夕方まで小説の続きを書き、それからバイトのため塾へ行く。考えただけで心が沈む。私の肉体は、使い古されたソファのように弾力性がない。 眠くて眠くてしかたがない。毎日毎日。だけど、夜になると眠れなくなる。自分以外のすべての立てる物音が気になって、今静かだったとしても1秒後になにか大きな音、家族の寝息とか、もっと最悪の場合緊急
#tanka 一度でも嘘をついたら地獄行きなら良い人をやめられるのに 神様になれたら君の住む街に大きな入道雲を浮かべる やさしい嘘はやさしくついてほしかった 君の声ってまっすぐ痛い ひとりでもたぶん歩けるうつくしい月のでこぼこに躓きながら もういよいよ短歌を詠めなくなっているのかもしれない。 感性に消費期限がありませんように。
の、部屋バージョンです。 一人暮らしが終わりました。 台風が近づいているというのに、退去の日は晴天だった。空が青くて雲が白くて、その境目をじっと見つめていたら、目が痛くなった。入居した日はどんな天気だったっけ。 ここには書ききれないくらい、あの部屋ではいろんなことが起きた。隣人が奏でるギターはきれいだった。壁や床を伝って、n号室から聞こえてくるアラームの音も、シェアハウスみたいでおもしろかった。好きな時間にお風呂に入り、好きな時間まで飲み、ぱたっと寝る。最後の方は
タイトルは神聖かまってちゃんの「フロントメモリー」からです。大好きな曲。 先日、大学の後輩と久々に飲みに行って、気持ちよく酔っ払って、帰り道派手に転んだ。後ろを歩いていたおじさんが「あなたね、だいぶ右側に寄ってたよ! 気をつけなきゃだめだよ、ホントに!」と言いながら、手をひっぱってからだを起こしてくれた。転んだとき、たまたま電話していた恋人が駆けつけてくれて、手当してもらった。身体的な痛みと恥ずかしさと不安感でわんわん泣いた。どんなふうに転んだかあまりよく覚えていないの
余地 死んだら、溶けて消えちゃうんやって。 雪じゃん。ほとんど。 私もそうなりたいな。 六月の放課後、十一号館の上のベンチで、私たちは将来の不安を語り合っていた。内定が出ないとか、最終面接までいけないとか、そういう一般的な大学四年生の正常な苦しみではない。私たちが抱えているのは、このまま生き続けてどうなるんだろう、という特別で曖昧な苦しみなのだ。 訥々と吐き出す彼のそれは、雨のようだった。 でもさ、それってちょっと怖くない? だって、水に溶けちゃうんでしょ。
#tanka 嘘つきでごめんねわたし春が好き 君がどこかへ行ってしまうから 感情は第二・第四土曜日に袋へ入れてお捨てください 自己愛と対象愛の違いってなんなのだろう 好き?と聞かれる 雨音が少し苦しい日もあって丸めた跡のある進路表 はんぶんこした青い春 それぞれをおまもりとして持っておこうね Call you god あるいは oxygen. だってあのとき目が合ったから よく食べてよく眠ろうね 健康な心になって君を忘れる 6月、少ないけど自薦できるくらい
#tanka 七色をぜんぶ混ぜれば世界一きれいな虹になるはずだった 広辞苑をばらばらめくる広辞苑の【恋】は死にたくならないらしい 脳みそはこんなに熱いのに声はつめたい(やっときらいって言えた) 正直に話すとぼくは君以外死ぬ価値すらもないって思う 連絡をしなきゃよかった でも君がまたねって言ってくれたから、つい 君の道徳観が好き 飾るわけでもない花に水を与える べつに100好きじゃないけどべつに100好きじゃなくてもうつくしい星 人生ではじめて長編SF映画を
LIKE A FULL MOON 重い木の扉を押すと、頭上から涼しげな鈴の音がした。レジの奥はキッチンに繋がっていて、そこから二十歳ほどのウェイトレス姿の女性が出てきた。「何名ですか」と訊ねられ、優香が「二人です」と答えながらピースをつくる。その指先を、あんずは無意識に見つめていた。 今日は空がきれいだから、という理由で窓際の席を選んだ。今日の空は何故か全体的に薄い紫の膜があり、あんずはそれに気付いたとき、不気味だな、と感じた。だから、優香が「きれい」と言っていて、驚い
#tanka 間違えている正しさを教え合う 融雪槽のある町のなか 曖昧な塗り絵なんだよぼくたちをまっしろだって決めつけないで また会えるよって言われてまた会おうって返事した日の夢を見た たぶん春も酔っているから思い出せないよ 好きって言ってもいいよ 雑踏で泣きそうでした 夜は光合成ができないから困る エンゼルはいませんでした にせものでいいから今夜くらいはいてよ 4月はあまり詠めませんでした(橘にはストックがほぼない)。自選に手こずった。悪い意味で。 春
それが世界の果てだと思っていたから、あの夜の痛みのことを、僕は未だに忘れられずにいる。世界がひっくり返った日。信じられなくて、何度も太腿のあたりをつねった。痛かった。岡田は僕を好きだと言って、輪郭に触れた。彼は宇宙のなによりも僕を嫌っていたというのに。 自販機の光が岡田の肌を照らす。サイダーとコーヒーで迷っているらしく、彼の目は上下にゆらゆらと揺れていた。僕は九十円の水を買った。舌が濁っていたから、味のついていないものを飲みたかった。 岡田の目はまっくらだった。前か
#tanka へんなメンバーの飲み会だったけど君のことしか思い出せない 嘘なんかついたことない プロローグからクレジットまで好きだった 四月から社会人になる君のその正当性がとても寂しい 異常ではないですという匿名の回答を見て安堵している 言いたいことはなんでも言って、泣かないで、電話だから、電車を切るね ぼくは透明人間かもしれない/君はやさしい博愛主義者 それ以外ほんとうはどうだっていい(君の現在地は晴れている) 3月は、もうすぐ卒業する四回生の後輩と飲み
#tanka 君にならどれだけ脳をぐちゃぐちゃにされてもいいと思います まだ チョコレート全然いらない 通学路坂道だるい 誰かと死にたい 泣きながら話す いちばん大切な友達の目がきれいなことを 水・光・笑顔ばかりの展示室 君の影 ずっと一緒にいてよ 真夜中に真夏の風に撫でられて(殴られて)吉野家へ行きたい 鍵垢の君が見ている夕焼けを見たい 絶対良い空だから やわらかくやさしく春になる街の高速バスで帰郷する君 2月に入ってしばらくは、後輩の卒業制作展示会を手
3月になったというのに寒いですね。風が冷たくて、外に出るのが億劫です。冬の真ん中より冬の終わりの方が寒いの、不思議だ。 大学の後輩の方々のnoteを読んで、自分もやりたくなったのでやります。 https://100mon.jp/q/4068 簡単に詳しく自分のことを話したい人に100の質問 名前は? 橘春 その名前の由来は? 春が苦手なので、自分の名前だったら好きになれるかな と。 あと漢字一文字苗字かっこいい 誕生日は? 3/1 歳は? 23 血液型は? A
#tanka 子宮頸がんのワクチン こんな紙切れ一枚で女に戻る おうとつにこぶしを入れてやわらかいかたまりを取り出した後輩 壊れた花瓶は弁償するけれど壊れかけの花瓶はそのまま 自分から傷つきに行く 君の家まで行くバスの減便を知る この町は君の記憶を持ちすぎてどこへ逃げても死にそうになる 好きだからもう触れないよ とげのあるおばけになって立つ枕元 穴 という余白が好きで 違ったらごめんね、君も雷が好き? あけましておめでとうございました。もう3月です。春です
言葉を飲み込むのがうまくなった。と思っていたのに、体調を崩してからまた下手になってしまった。おそらく薬の副作用だろう。心配されていた発疹、口内炎、下痢の副作用は出ていないが、口渇、頭痛、吐き気がひどい。でも薬が錠剤で本当によかった。八月に飲んだメニエールの薬は、間違えて毒を渡されたのかと不安になるほどまずかった。「良薬口に苦し」とはまさにこのことである。ネット民風にいうと、良薬口に苦C 以下は、2023年11月頃からの日記です。 ・日記を書くのが下手になってしまった