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(APS-C)良いとこ取り出来るのか?35mm

使って楽な28mm。難しいけど使いこなし甲斐のある50mmの中間の画角である35mmはAPS-Cフォーマットのカメラにとって両方の特性を併せ持った万能レンズになるのでしょうか?それとも中途半端な器用貧乏レンズになってしまうのでしょうか?

結論から言うと自分は苦手にしているレンズなのですが、どうして苦手なのか。以下にまとめてみました。


APS-Cでは標準画角とされるレンズ

フルサイズ相当で標準画角の50mmレンズに相当するレンズ。それが35mmレンズです。よってその使いこなしはフルサイズ50mmレンズに準ずることになります。

撮りたいものの存在感の大きさが一番伝わりやすい画角ではあると思っています。
PENTAX K-7 smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL II 35mm SS=1/350 F=9.5 ISO=200

つまり何が見えているか把握できる範囲内の視界を切り取った写真に撮ってしまうと色んなものが同時に入り込んでしまって何を写したのか分からない写真になりやすくなり、(APS-Cでの)50mmほど意識的にではなくとも、何を撮るのか意図をもってフレーミングすることが要求されます。

前回50mmでは大きすぎてフレームからはみ出してしまう被写体などもありましたが、35mmならそんな問題は起きにくくなります。その意味では50mmより使いやすいと感じても不思議ではないはずなのですが・・・

結果としてどっちつかずの写真になってしまう事が多いように思います。
SONY DSLR-A100 TOKINA AT-X280AF PRO 35mm SS=1/125 F=11 ISO=200

小は大を兼ねる

実用面で考えると35mmは50mmの代わりとして使う事は出来る場合が多いです。相手により接近して撮ることで50mmと同じくらいに大きく写すことが出来るからです。

一方で28mmと同じように広い範囲を撮ろうとするといろいろと問題を抱えることが多く、35mmを28mmと同じ使いこなしは出来ないと感じることが多々ありました。

例えば室内での撮影を行うときに部屋の中の小物や本棚の一部などを撮ろうとするときに35mmは50mmと同じような撮り方が出来ますが、部屋全体を撮る。という事をしたい場合に、50mmや35mmは狭すぎて部屋全体が収まらない場合がほとんどです。

撮りたいもの全体をフレーミングするのは一番容易にできると思うのですが・・・
NIKON D70 AF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G ED 35mm SS=1/200 F=7.1 ISO=200

下がって部屋全体を収めようとしても背中に壁がつくくらいに下がっても35mmでは全体を収めるには至りません。28mmか24mmなら実際には部屋全体が入っていなくてもイメージとして全体が入っているように見えるという撮り方が出来るように思います。実際に部屋全体を写したかったら18mmぐらいが必要だとは思いますが。

そういった事情から35mm一本で撮影するより、50mmと28mmの二本立てにして、必要に応じてレンズを付け替えるで撮影することの方が多いのです。

そして、35mmで50mmと同じように撮れるようにするために接近して撮ることはさほど難しくはないのですが、35mmで28mmと同じように周辺を含めた撮り方をしようと後方へ下がるのは、自分では難しいと感じることが多いので、それだったら最初から28mmで撮るようにしようとなる訳です。28mmで35mmのような撮り方をするために接近するのはさほど難しくはないのですから。

何も考えずにシャッターを切ってしまう事が多いレンズなのが苦手に感じている原因なのかも。
NIKON D40 AF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G ED 35mm SS=1/125 F=11.0 ISO=200

50mmの下位互換レンズ

以上の事から、35mmは28mmと50mmのいいとこどりレンズというより、状況によっては50mmと似た使い方のできる下位互換レンズと言った特性を持っているように思います。

ただし、写る範囲は50mmより広くなるので何を撮るのかを選択できる範囲は50mmより広がり、28mmの時に似た視界の大きな範囲を占めるものを撮ることも出来るようになりますが、その際にも28mmよりも接近しなくても意図した存在感が出せて微調整の範囲で撮れると思います。

よって同じものを撮ったとしても引いて周囲まで入れた写真にするか、主役の比重を大きくして存在感を出すか、撮り手によって一番違いが大きく出るレンズかも知れない一方、明確な意図をもって撮らないと、余計なものがたくさん入り込んでしまって何を撮ったのか伝わりにくい写真になる可能性も一番高いレンズだと言えるかも知れません。

風景画のような写真を撮るのには一番適しているレンズのようにも思うのですが。
PENTAX *ist D smc PENTAX-FA 35-80mm F4-5.6 35mm F=5.6 SS=1/80 ISO=400

視界の大部分を占めるものを撮れたり、ごく一部を切り取ったりと様々な撮り方が出来るという事は、逆説的に中途半端な写真にもなりやすいという事です。

つまり自分では一部を切り取ったつもりだったのになお余計な「雑音」の多い写真になっしまったり、主役と脇役が明確化できてなかったりと言ったことが起きやすいのです。自分の中では一番使いこなしが難しく、28mmや50mmで学んだ撮り方を色々と活用しながらでないと35mmならではの写真が撮れなかったという感想を持っています。

フォーマットサイズ的にはフルサイズの50mm。フォーサーズの25mmも同様の難しさがあると持っていて、この画角が得意だ。という人は本当に写真の上手い人だと思っています。

印象的な写真を撮るのは一番難しいと感じています。
PENTAX K-m smc PENTAX-FA 35-80mm F4-5.6 35mm SS=1/400 F=8.0 ISO=200

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